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大妻中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「大妻中学校の社会」
攻略のための学習方法

傾向

例年、大問数は3問、総解答数は50前後で構成されていたが、2019年度では問題数が大きく減っている。その分、考えさせる問題が増えた印象である。全体としての難易度も上がっている。今後の傾向に注意しておかれたい。
大問それぞれが、地理・歴史・政治や時事問題と、分野ごとの総合問題形式で出される。
短いリード文もあるが、設問は下線部や穴埋め部分に対する一問一答の形が大部分である。記号選択問題は少なく、用語記入が多い。

記述は、出来事・用語の説明や、簡単に理由を訊くようなものが多かったが、2019年度では思考力も要求される内容が多くなった。
解答数を減らして、その分考えさせる問題を増やすという傾向がみられるため、暗記だけでは対応できない問題が増えることが予想される。その点を考慮した訓練が必要になりそうである。

地理分野

総合問題形式で、各地の地名・地勢・産業の特色などについて幅広く出題される。
地図やグラフ、統計資料も多く用いられ、地形図の読み取りの問題も過去に見られた。
また、世界地理についての質問も織り交ぜられるので、主な国や地域はチェックしておく。
伝統産業の位置など、細かい知識を問われる場合もあるので、単に用語だけでなく、関連事項も覚えている必要がある。
地図・白地図・資料集などで地名や位置、周辺の様子も合わせて整理しまとめておくとよい。

歴史分野

ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
過去には、世界遺産のある土地に関係する歴史や各時代の外国との交流などに関しての出題などがあり、その話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく。歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい。
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある。

政治分野

憲法や政治の仕組みについて総合的に訊かれる問題が多い。
近年は、国際社会について・少子化問題・公害病を題材とした問題など、現代社会や世界の問題、時事問題などについて訊かれる問題も多く出題されている。
日本国憲法や三権の仕組みとはたらきといった基本事項を頭に入れたら、新聞・ニュースで社会の出来事や時事問題にも注目して、考えを深めておくようにしたい。
記述問題は一行ほどで物事の説明や理由を答えるものが多いが、過去には国際社会の問題で、3つのキーワードを使ってアフリカの他民族国家について考えさせるという、知識だけでは十分に答えられないような出題例もあった。全体としては典型問題が多いので、記述対策問題集などで練習し、重要事項について簡単に説明できるくらいの知識を持って、皆が答えられるような問題では失敗しないようにしたい。

まとめとして

まずは基本的事項をしっかり定着させることに専念する。
記入式が多く、原則は漢字で書くのが条件なので、人名・地名・用語は漢字で覚える。また、地図・白地図が使われて位置を訊かれる問題も多いので、統計のデータと合わせて正確に記憶する。さらに、年表で出来事の流れをたどっておく。基本に忠実な学習をまずは心がけることである。

ただし、本校の場合、ときおり難しめの問題が混ざることがある。数年前の問題で1980年代の貿易交渉・GATTについて訊かれているが、最近の試験ではあまり見かけない問題である。また、選択肢に細かい情報が含まれていて、選びにくい場合もある。テキストや資料集に出ているような事項であれば、少し細かい知識まで手を広げておく努力が他の受験生と差をつけられるポイントかもしれない。

また、2019年度から問題数を大きく減らし、考えさせる問題が多くなった。
記述問題も思考力を要する内容になってきている。傾向が変わってきているので、最新年度の試験をよく見直して柔軟に対応したい。

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2019年度「大妻中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数が27問と大きく減った。考えさせる問題が増えているが、問題数は減っているので全体として時間は足りるだろう。
基本的事項の問題も多いので、テンポよく解いていこう。長いリード文は無いので、一問一答の感覚でまず最後まで一通りこなして、難しい問題を考える時間を残そう。

【大問1】地理分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

東京都を流れる川を題材とした問題。

問1 (1) A 神奈川県との境を流れる多摩川。  
       埼玉県との境を流れる荒川。
       千葉県との境を流れる江戸川。

   (2) ② 神奈川県は横浜市・川崎市が100万人を超えている。千葉市は約98万人。

問2 (1) 音楽史・文学史の問題のようで難しい。作者は滝廉太郎。「荒城の月」「お正月」などの

      作曲者である。問題は「箱根八里」のことを指している。

   (2) こんぶは圧倒的に北海道、かつおの漁獲量1位は静岡県なのでカが選べる。

問3 (1) 阿賀野川が新潟県、雄物川が秋田県を流れている。

   (2) 北海道に次いで耕地面積が大きいのは新潟県。田の面積も多い。農業産出額は

      東京への出荷が多い茨城県が2位。田の面積は米どころ・秋田が3位となっている。

問5 (1) 近年、世界の工場とも呼ばれ多くの製品が作られている中国の港が上位を占めている。

   (2) 江東区などでは沿岸部の開発が進み、若い子育て世代の住民が増えて保育所や学校が

      不足するという問題が起こり、家族向けマンションの新規建設が制限された。

【大問2】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

鉱物資源などの交易・貿易を話題として、各時代について訊かれている。

問1 あ. 黒曜石のナイフや鏃などが見つかっている。
   . 鉄や青銅は日本では原料が取れなかった。
   . 産出した銅を使って銅銭が作られた。
   . 多い時には世界の銀の3分の1を産出していた。
   . 佐渡には江戸幕府が開いた金山があった。
   . レアメタル=希少金属。電子機器やスマートフォンの製造に欠かせない素材である。

問3 アの貝塚が縄文時代の特徴である。は弥生時代、は銅鐸などから古墳時代の遺跡である。

問4 硫黄は火山活動にともないよく生成される物質である。日本は火山が多く、火口付近で露天掘りにより採掘できた。

問6 (1) 庄内平野は米の大生産地であり、上流の盆地などでは米・紅花なども多く生産されていたため、

      河口にある酒田まで船で運ばれてきて、多くの物資の集散地となった。

   (2) 西廻り航路では日本海の沿岸を西に進んで山口県を回って瀬戸内海に入り大阪に向かう。

      島根県・山口県の港に立ち寄った。

   (3) 『日本永代蔵』の作者は井原西鶴。世の中の様子を描いた小説(浮世草子)である。

問7 五・一五事件は1932年。(1933年)・(1936年)・(1937年)は後の事件である。

【大問3】現代社会分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

国の豊かさを示す指標を題材とした問題。

問1 カナダが5位に入っていることから、が小麦生産の表であると推測できる。石油消費量の表は車社会であることや単純に人口が多いことも手掛かりになるのでが選べる。残るが貿易黒字の表である。

問2 他には北海道・知床半島やトトロの森として知られる所沢市狭山丘陵の一部などがトラスト運動で保護されている。

問3 核兵器の「受領」を禁じているので、「核拡散防止条約(NPT)」であると考えられる。

問4 (1) イ. 現実に女性が多い傾向はあるが、もちろん男性でも就くことができる。
ウ. フィリピンのアキノ氏や韓国の朴槿恵氏など、アジアでも女性の大統領や首相が誕生している。
      . アパルトヘイトは白人以外を差別する人種隔離政策である。

   (2) 候補者男女均等法(政治分野における男女共同参画推進法) 。直近の話題が出されている。

      今年度の重大ニュースに注意しておこう。

問5 鉄道の例は、民営化されて不採算路線が廃止されている実例である。水道に当てはめれば、人口が少なく水道施設を維持するコストと水道料収入が見合わない地域は、水が供給されなかったり水道料が異常に高額になったりする恐れがあり、実際に問題が起こっている地域もある。

問6 (1) 「文化の項目でトップクラスである」ことから

       (う)がスペイン、「5国の中でトップの項目がある」→生活の質9位であることから

                   (い)がニュージーランド、アジアの2国(韓国・シンガポール)についていずれの項目も

                  シンガポールが上位だと示されていることから、(え)がシンガポールで(あ)は韓国

                  ということになる。

   (2) コーヒー・茶やバナナ・パイナップルなど、フェアトレードの対象が広がっている。

攻略のポイント

傾向が変わったので、それに合わせた対応が必要になってくる。全体としての難易度も上がり、記述問題をはじめとしてただ暗記したことを答えるだけではない問題が増えてくることが予想される。
基本事項の問題も多いのでこれまで通り基礎力の充実を図ることは当然として、知識+その先を考える思考力を養えるよう、社会での出来事についてよく考える習慣をつけたい。出来事の原因や予想される結果など、一歩深く考えながら学習するよう心がけよう。

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