大妻中学校 入試対策
2020年度「大妻中学校の社会」
攻略のための学習方法
傾向
2019年度では問題数が大きく減ったが、2020年度では46問と以前の傾向にもどった。全体としての難易度は上がってきており、今後の傾向に注意しておきたい。
大問それぞれが、地理・歴史・政治や時事問題と、分野ごとの総合問題形式で出される。
短いリード文もあるが、設問は下線部や穴埋め部分に対する一問一答の形が大部分である。記号選択問題は少なく、用語記入が多い。
記述は、出来事・用語の説明や、簡単に理由を訊くようなものが多かったが、2019年度では思考力も要求される内容が多くなった。
解答数は最新年度でまた増えたが、考えさせる問題を増やすという傾向はみられるため、暗記だけでは対応できない問題が増えることが予想される。その点を考慮した訓練が必要になりそうである。
地理分野
総合問題形式で、各地の地名・地勢・産業の特色などについて幅広く出題される。
地図やグラフ、統計資料も多く用いられ、地形図の読み取りの問題も過去に見られた。
また、世界地理についての質問も織り交ぜられるので、主な国や地域はチェックしておく。
伝統産業の位置など、細かい知識を問われる場合もあるので、単に用語だけでなく、関連事項も覚えている必要がある。地図・白地図・資料集などで地名や位置、周辺の様子も合わせて整理しまとめておくとよい。
歴史分野
ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
過去には、世界遺産のある土地に関係する歴史や各時代の外国との交流などに関しての出題などがあり、その話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく。歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい。
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある。
政治分野
憲法や政治の仕組みについて総合的に訊かれる問題が多い。
近年は、国際社会について・少子化問題・公害病を題材とした問題など、現代社会や世界の問題、時事問題などについて訊かれる問題も多く出題されている。
日本国憲法や三権の仕組みとはたらきといった基本事項を頭に入れたら、新聞・ニュースで社会の出来事や時事問題にも注目して、考えを深めておくようにしたい。
記述問題は一行ほどで物事の説明や理由を答えるものが多いが、過去には国際社会の問題で、3つのキーワードを使ってアフリカの他民族国家について考えさせるという、知識だけでは十分に答えられないような出題例もあった。全体としては典型問題が多いので、記述対策問題集などで練習し、重要事項について簡単に説明できるくらいの知識を持って、皆が答えられるような問題では失敗しないようにしたい。
まとめとして
まずは基本的事項をしっかり定着させることに専念する。記入式が多く、原則は漢字で書くのが条件なので、人名・地名・用語は漢字で覚える。また、地図・白地図が使われて位置を訊かれる問題も多いので、統計のデータと合わせて正確に記憶する。さらに、年表で出来事の流れをたどっておく。基本に忠実な学習をまずは心がけることである。
ただし、本校の場合、ときおり難しめの問題が混ざることがある。数年前の問題で1980年代の貿易交渉・GATTについて訊かれているが、最近の試験ではあまり見かけない問題である。また、選択肢に細かい情報が含まれていて、選びにくい場合もある。テキストや資料集に出ているような事項であれば、少し細かい知識まで手を広げておく努力が他の受験生と差をつけられるポイントかもしれない。
2020年度ではまた問題数が増えたが、思考力を要する問題も出されている。記述問題も思考力を要する内容になってきている。傾向が変わってきているので、最新年度の試験をよく見直して柔軟に対応したい。
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2020年度「大妻中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が46問と以前の傾向に戻った。問題数の増減については年度による変化に注意をしておきたい。適語記入と記号選択が多いので、全体として時間は足りるだろう。
基本的事項の問題も多いので、テンポよく解いていこう。長いリード文は無いので、一問一答の感覚でまず最後まで一通りこなして、難しい問題を考える時間を残そう。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
さまざまな地図を用いた問題で、静岡県について多く訊かれている。
問1 (1) 赤道はブラジルの上端を通る位置にある。
(2) 経度15度で1時間の時差になるので地図の経線は15度間隔であり、Nは西経45度の経線である。
(3) 人口1億人を超えているのはブラジルとメキシコ。カナダは大きい国だが人口は
約3800万人(2019年)である。
問2 (1) 国土地理院のサイトで地図が見られる。
(2) ソロバンの珠を模した税務署の記号と二重丸の市役所の記号は見当たらない。
問3 (1) 人口密度が低い地域ほど割合が高くなっていることから、過疎化が進んだ地域の高齢者の割合 を示していると考えられる。
(2) 浜名湖があるアの地域が浜松市である。また、人口の多い地域で数値が高いEが商品販売額の地図である。
(3) ① 天竜川 ② 大井川 ③ 駿河湾
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
楽器を話題として、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 (1) 菅原道真の死後、皇族が相次いで亡くなったり落雷による被害が多発したりしたので、道真の怨念であると恐れられた。
問2 ナウマンゾウがいたのは旧石器時代、須恵器は古墳時代に作られた。
問3 仁徳天皇稜とされる大山古墳は大阪府・堺市にある。
問4 正倉院には聖武天皇の遺品など、貴重な宝物が納められている。
問5 幕府の家来である御家人以外にも報奨を与えるとして、元寇に備えた。
問6 ウ. 戦国時代後期には城の建造技術も向上し大きな堀や高台を作れるようになり、また鉄砲などで戦い方も変わったため、山城は少なくなった。
問7 1543年に種子島に鉄砲が伝来した。城も周囲に大きな堀を作るなど、構造に変化が見られた。
問8 外様大名は江戸から遠い領地に配属された。
問9 同業者の組合である株仲間を解散させたが効果はなかった。
問10 歌舞伎や浄瑠璃の脚本を書いた近松門左衛門。
問12 オーストラリアの首都をシドニーと勘違いする人が多いが、首都はキャンベラである。
問13 (1) 日露戦争の講和条約・ポーツマス条約が結ばれた場所である。
(2) 資料から、軍事の負担が国民に大きくのしかかっていたことがわかる。日清戦争で得られたよう な巨額な賠償金が日露戦争では得られなかったことも不満の要因であった。
問14 三国同盟を結んでいたドイツとイタリアは一応禁止はされなかった。
問15 出席議員ではなく総議員である点を覚えておこう。
問16 ウ. 法律に定められた指定感染症などは、強制的に隔離措置が取られる場合もある。
問17 く. 青森・秋田にまたがるブナの原生林・白神山地。
け. 左側に陸奥湾が見えることから、下北半島。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
AI(人工知能)を話題に、政治のしくみや選挙について訊かれている。
問2 長時間にわたって威嚇的に「自白の強要」をしたり、それによる「冤罪」が発生したりするのを防ぐためである。
問3 (1) ア. 国会内に裁判官を裁くための「弾劾裁判所」を設けることができる。
(2) すべての裁判所は法律などが憲法に違反していないかを判断する「違憲立法審査権」
を持っている。
問4 データを見ると技術職には男性が多いことがわかる。そのデータからAIが判断したために女性は技術職には向いていないという結果になったと思われる。
問5 (1) 小選挙区では一人しか当選者が出ないので、大規模政党や有名人の候補者が有利になる
面がある。また、2位以下の票が政治に反映されない「死票」になってしまう欠点がある。
(2) 「特定枠」という仕組みで、重い障がいを持つ人も当選し国会に参加している。
問6 住所や購入履歴などを本人の承諾なしに勝手に他人に知られることは、プライバシーの侵害にあたる。
問7 憲法第13条では個人の尊厳や自由と幸福追求の権利が保障されている。
攻略のポイント
以前の傾向に戻り、年度により変化が見られる。全体としての難易度も上がり、記述問題をはじめとしてただ暗記したことを答えるだけではない問題が増えてくることが予想される。基本事項の問題も多いのでこれまで通り基礎力の充実を図ることは当然として、知識+その先を考える思考力を養えるよう、社会での出来事についてよく考える習慣をつけたい。出来事の原因や予想される結果など、一歩深く考えながら学習するよう心がけよう。
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