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大妻中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「大妻中学校の社会」
攻略のための学習方法

傾向

2019年度では問題数が大きく減ったが、2020年度以降は以前の傾向にもどった。全体としての難易度は上がってきており、今後の傾向に注意しておかれたい。
大問それぞれが、地理・歴史・政治や時事問題と、分野ごとの総合問題形式で出される。
短いリード文もあるが、設問は下線部や穴埋め部分に対する一問一答の形が大部分である。記号選択問題は少なく、用語記入が多い。
記述は、出来事・用語の説明や、簡単に理由を訊くようなものが多かったが、2019年度以降では思考力も要求される内容が多くなった。
解答数はまた増えているが、考えさせる問題を増やすという傾向はみられるため、暗記だけでは対応できない問題が増えることが予想されるその点を考慮した訓練が必要になりそうである

地理分野

総合問題形式で、各地の地名・地勢・産業の特色などについて幅広く出題される。
地図やグラフ、統計資料も多く用いられ、地形図の読み取りの問題も過去に見られた。
また、世界地理についての質問も織り交ぜられるので、主な国や地域はチェックしておく
伝統産業の位置など、細かい知識を問われる場合もあるので、単に用語だけでなく、関連事項も覚えている必要がある
地図・白地図・資料集などで地名や位置、周辺の様子も合わせて整理しまとめておくとよい

歴史分野

ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
過去には、世界遺産のある土地に関係する歴史や各時代の外国との交流などに関しての出題などがあり、その話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある

政治分野

憲法や政治の仕組みについて総合的に訊かれる問題が多い。
近年は、国際社会について・少子化問題・公害病を題材とした問題など、現代社会や世界の問題、時事問題などについて訊かれる問題も多く出題されている。
日本国憲法や三権の仕組みとはたらきといった基本事項を頭に入れたら、新聞・ニュースで社会の出来事や時事問題にも注目して、考えを深めておくようにしたい
記述問題は一行ほどで物事の説明や理由を答えるものが多いが、過去には国際社会の問題で、3つのキーワードを使ってアフリカの他民族国家について考えさせるという、知識だけでは十分に答えられないような出題例もあった。全体としては典型問題が多いので、記述対策問題集などで練習し、重要事項について簡単に説明できるくらいの知識を持って、皆が答えられるような問題では失敗しないようにしたい

まとめとして

まずは基本的事項をしっかり定着させることに専念する。記入式が多く、原則は漢字で書くのが条件なので、人名・地名・用語は漢字で覚える。また、地図・白地図が使われて位置を訊かれる問題も多いので、統計のデータと合わせて正確に記憶する。さらに、年表で出来事の流れをたどっておく。基本に忠実な学習をまずは心がけることである。
ただし、本校の場合、ときおり難しめの問題が混ざることがある。数年前の問題で1980年代の貿易交渉・GATTについて訊かれているが、最近の試験ではあまり見かけない問題である。また、選択肢に細かい情報が含まれていて、選びにくい場合もある。テキストや資料集に出ているような事項であれば、少し細かい知識まで手を広げておく努力が他の受験生と差をつけられるポイントかもしれない
2020年度以降ではまた問題数が増えたが、思考力を要する問題も出されている。記述問題も思考力を要する内容になってきている。傾向が変わってきているので、最新年度の試験をよく見直して柔軟に対応したい

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2023年度「大妻中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は40問と多めだった。問題数の増減については年度による変化に注意をしておかれたい。適語記入と記号選択が多いので、全体として時間は足りるだろう。

基本的事項の問題も多いので、テンポよく解いていこう。長いリード文は無いので、一問一答の感覚でまず最後まで一通りこなして、難しい問題を考える時間を残そう。

【大問1】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

道の駅を話題に、産業や人口構成などについて訊かれている。

問1 (1) A. 「紀州」「熊野古道」などから、和歌山県。

        . 「奥出雲」「津和野」などから島根県。

     (2) は東京に隣接しており、大都市と似た特徴があると考えられる。は自然も豊かで人口も少なく、海に面しているので観光が盛んであると推測できる。

問2 (1) 大都市は人口が多く商業施設なども近くにあり、鉄道などの公共交通機関も発達しているため、住民の自家用車の保有台数は地方都市と比べて少ない傾向がある。

     (2) Aは近年排出量が増えている中国、Cは排出量自体が多く一人当たりでも多いアメリカ、が日本である。

問3 ウは東北地方が多いので米、は青森県・長野県・山梨県・和歌山県など果実栽培が盛んな県が多い。は都市に出荷する野菜を栽培する近郊農業の盛んな地域である。

問4 アは自給率が低い状態が長く続いている小麦、は近年輸入が植えている果実、は野菜である。

問5 減反政策

問6 「フォー」「北(ソ連が支持)と南(アメリカが支持)に分かれて戦争」などのヒントから、ベトナム。

【大問2】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

歴史的建造物を話題に、各時代の人物や出来事について訊かれている。

問1 (あ) 戊辰(戦争)  (い) 徳川家光  (う) 原敬  (え) 法隆(寺)  

     (お) 坂上田村麻呂  (か) 桓武(天皇)

問2 厳島神社

問3 厳島神社(平安時代末)→東大寺南大門(鎌倉時代初期に再建)→東照宮(江戸時代初期)→五稜郭(江戸時代末期)

問4 版籍奉還(1869年)→廃藩置県(1871年)→大日本帝国憲法発布(1889年)→領事裁判権の撤廃(1894年)の順。

問5 イ. 「東海道五十三次」の作者は歌川広重。

問6 ウ. 武家諸法度の制定が鎌倉時代前半であるから、正しい。

問7 原敬は立憲政友会の総裁であった。

問8 (1) き. リーマン(ショック)  . 東日本大震災

     (2) Cは近年急速に広告費が増えているので、インターネット。では、テレビの方が広告費が大きいと考えられるのでがテレビ、が新聞となる。

問9 武藏

問10 足利義政・徳川慶喜・源実朝は将軍職に就いている。

問11 (1)(2) 成人人口で不自然に男性が少なく女性が多い。これは、成人男子に課せられる労役の負担が大きく、それを避けるために虚偽の報告をしたせいだと考えられる。

問12 イ. 弥生時代の説明として正しい。は古墳時代、は旧石器時代、は縄文時代のことである。

【大問3】政治経済分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

スマートフォンやSNSの利用状況などを話題に、日本国憲法や政治のしくみについて訊かれている。

問1 ウ. 最低の割合でも70代の51%なので、正しい。

問2 (1) エ. 狭義には、国家などの公権力が書籍・新聞・映画などの表現の内容を事前に強制的に調べることである。

     (2) 「通信の秘密は、これを侵してはならない。」

問3 流れてくる情報を安易に信用せず、取捨選択できる能力=メディアリテラシー。

問4 (1) ア. 参議院の選挙の説明として正しい。

     (2) アメリカは共和党と民主党が政権を奪い合う2大政党制になっている。

     (3) 直接民主制。スイスが採る直接民主制にはドイツなど他国も興味を示している。

問5 (1) イ. 内閣が総辞職しなければならない場合として、衆議院議員総選挙後に初めて国会が召集されたときと、なんらかの理由で内閣総理大臣が欠けたときと定められている。

     (2) 大衆に迎合し人気を得るような政治を行うことをポピュリズムという。

問6 ア. 法律案は内閣も提出できる。

     イ. 条約を締結するのは外務大臣や内閣などの行政機関であり、国会の承認を得なければ効力を有しない。

     エ. 憲法改正の発議には両議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要であり、両院は対等である。

攻略のポイント

以前の傾向に戻り、年度により変化が見られる。全体としての難易度も上がり、記述問題をはじめとしてただ暗記したことを答えるだけではない問題が増えてくることが予想される。基本事項の問題も多いのでこれまで通り基礎力の充実を図ることは当然として、知識+その先を考える思考力を養えるよう、社会での出来事についてよく考える習慣をつけたい。出来事の原因や予想される結果など、一歩深く考えながら学習するよう心がけよう。

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