大好きな苔を馬鹿にされ学校に行くのが辛くなってしまった主人公だったが、不思議な猫のお告げにより、好きなものを堂々と好きだと言える心の持ち方に気づかされる。
(一)　Ｄだけ最初にもらった１枚目の「葉」のことである。
(二)　手水舎は神社などでお参りする前に手を清める水場のこと。「ミクジ」は当然、おみくじから取られた名前であろう。
(三)　カビが役立つことを知らずに「イヤなところばかり」しか知らなかった。
(四)　「ミクジがベンチから降りるときみたいに」が大きな手掛かりになっている。
(五)　おばあちゃんに暑中見舞いを出したことを思い出し、葉で手紙を書いて山根先生にお礼の手紙を書けばいいのだと気づいた。
(六)　ミクジからもらった葉に「マンナカ」と書いてあったことを、クラスで中心的な役割を果たすような目立つ存在になることだと誤解していた。
(七)　「ちょっと立ち止まるような疑問のうなり」である。はっきり否定するような(ニ)は強すぎる。
(八)　姫野先生の言葉をきっかけに、世界のすべての存在がそれぞれに「マンナカ」なのであり、自分が好きなものを好きと言ってよいのだと気づいた場面がある。
(九)　１・３　選択肢３は図鑑を隠すように持ち、選択肢１は本を読んでいることを知られても良いという態度なので、３は「前」で１は「後」と考えられる。
　　　４　苔に対してカビを下に見ているようなので「前」であろう。

日本のヴァレンタインデーの習わしに込められたそもそもの精神が失われないでほしいと筆者は考えている。
(一)　現代からしたら人権侵害も同然の(ニ)「無茶な」理屈である。当時はそれが受け入れられる時代だったのだから(ロ)の「時代錯誤」は当てはまらない。
(二)　当時は女性から愛を告白することなど考えられない時代で今とは異なるので、(ロ)は当たらない。
(三)　もともとのヴァレンタインデーの風習が日本に「輸入」され、「女性から男性にチョコレートを贈る習わし」へと変化し、今ではそれがアメリカに「輸出」されているのである。
(四)　原さんがヴァレンタインデーに込めたもともとの思いと比べて、ホワイトデーは「売り上げや商売」をねらっただけの押し売りのように筆者には感じられている。
(五)　「女性に対する」であるから、原さんの「気の弱い女性の背中をそっと押してあげた」という思いが抜き出せる。
(六)　「自分はよく知らないが」という言い方にすることで、「興味がない・反感を持っている」ことを表明している。
(七)　ヴァレンタインデーがもともとは愛する気持ちを守ることに端を発した祝日であったことから、時代が変わって形式が変容しても「人が人を愛する気持ち」は変わらないでほしいと願っている。

(一)　得体――正体・本性
(五)　備える――供える・具えるなどと区別しよう。

夜の森で感じたことを表現している。
(一)　擬人法で表現されているので、現実には何がどうしたのかを書く。字数に合わせるために使う言葉を吟味する。
(二)　「木」で手のように見えるということから「枝」であろうと推測する。
(三)　お礼を言ってみたが「……」返事が無かった。その間の聞き耳を立てている「間」を表現している。
(四)　「ただの木だ」に対して「いいえ」と答えているので、ありふれていない「立派な」木だと言っている。

怪我をきっかけに水泳を止めてしまった朋美と大人になってから偶然再会し、その変化に主人公は驚く。
(一)　昔のあだ名で呼び止められているので、その頃の知り合いではないかという予想はしているはずである。
(二)　「のけぞってみせる」の時だけ同世代の気安さを感じている。
(三)　あまりに大人びている朋美のようすに覚えた「違和感」が原因と思われる。
(四)　おしゃれに気を使い着飾った朋美を「夢を見ているのかも」と表現しているのに対して、普段通りの飾り気のない自分の姿を「現実的」と言っている。
(五)　朋美が水泳を止め、主人公と距離をおく原因にもなった怪我のことを思い出したのである。
(六)　「精一杯上品ぶってる」「猫を被り続けている」などの表現から、昔との自分のギャップを「(ぜんぜん)らしくないでしょ」と思っていることがわかる。
(七)　「どうして服？」と聞かれてしばらく答えないでいる。水泳を止めてからこれまでを振り返り、出てきた答えが「服には勝ち負けがない」であるから「勝ち負けから逃げた」という意識が感じられ、まだ水泳に対しての思いが完全には消えていないことが見て取れる。