立教池袋中学校 入試対策
2022年度「立教池袋中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問5つで問題数は33問。長文読解・詩(短歌・俳句)・漢字という組合せがここ数年のだいたいの定形となっている。
読解問題
物語文・論説(説明)文・随筆文、あるいはこのうちの2種類で3問ほど出題されるのが通例である。
物語文4000~5000字・その他2000~2500字と、全体の文字数は8000~10000字にもなる。読解のスピードをつける練習が必要である。
形式は選択問題と書き抜き問題が主で、自分で考えて書く問題も数問含まれる。
書き抜き問題は注意が必要である。通常、書き抜きの答えを探す範囲を指定する(~行目より後から・・・など)試験も多いのだが、本校ではそうした指示は無い。漫然と探すと本文全体を読み返すはめになる。特に物語文は文量が多めなので、探すのに手間取ると大きく時間を失う。設問と傍線部を最初に確認しておき、読み進めながら使えそうな箇所をチェックしておくという進め方で過去問に慣れておきたい。
自分の言葉で書く問題は、テーマとも関係する部分が多いので、素材文全体をよく考えて傍線部周辺だけにとらわれないように気をつける。
また、第二回試験では、長文の記述問題が出題される場合がある。第二回での受験を考えている人は、長文記述の練習にも取り組んでおくことが肝要である。
漢字・言語事項
大問1つに漢字が割り当てられるのが通例である。合わせて慣用句などの言語事項が出される年度もある。
それほどの難問は見られない。一般的な漢字練習帳やことわざ・慣用句問題集を丁寧に覚えてあれば足りるだろう。問題数は少ないが、あまり差がつかない分野なので確実に得点したい。
詩・短歌・俳句
韻文については生徒の作による詩や俳句を用いた問題が多く見られる。年齢が近い分、内容が理解しやすいものが多い。普段の学習でも、中高生くらいの作者による詩・短歌などに多く触れておくとよい対策になるだろう。
《まとめ》
男子校の国語の問題としてはやりごたえのある試験である。文字数も多く、言葉で記述する問題も多い。50分で終えるには、速さが必要である。
ただ、合格者平均点はさほど高くなさそうでもある(60~65点?)ので、書き抜き問題で答えを探すのに時間がかかりそうなものは諦めるのも一つの方法である。
・文字数が多いので読むスピードをつける。
・書き抜き問題で時間をロスしないように試験の解き進め方を工夫する。
・詩・短歌・俳句などの問題を多くこなし、韻文に対する感覚を磨く。
例年、試験問題の形がほぼ一定なので、できるだけ多くの過去問をこなして慣れておくことが特に有効な試験である。
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2022年度「立教池袋中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年の傾向通り、解答数は33問。大問5つは随筆文・物語文2題と詩と漢字という構成になっている。2022年度の素材文は合わせて7000字ほどになっている。
抜き出し問題と文中の内容を自分でまとめるような問題が多く探すのに手間取ると時間が足りなくなるので、まず傍線と設問を確認して読みながら抜き出せる部分の目星をつけるなど、手際よく解き進む必要がある。
【大問一】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
女なので漁師になれないことで父親から期待されていないと思っていた主人公だったが、母親から自分が生まれた経緯を知り、両親から愛されていたのだと気づく。
(一) 漁師たちは小さな船で「数百キロの怪物」と戦う、とマグロを「怪物」と表現している。
(二) 兄たちにならって、主人公も剣道を習い始めたことが語られている。
(三) 卒業後の進路という話題になったが、漁師になりたいと思っていても女である自分は継がせもらえないため、どうしようか考えあぐねている。「どうして女に生まれてしまったのか」と、このあと本音を口にしているが、母の気持ちを煩わせないように、あまり深刻にならない感じでそっけない言い方をしたのである。
(四) 子どもはヒーローに憧れ将来自分もヒーローになりたいと本気で思うが、所詮はつくり話である、そういう「憧れ方」だということである。
(五) この「ロマン」とはでかいマグロを仕留めるという漁師としての夢ということであろうから、あとは「じいちゃん」が含まれているはずである。
(六) 自分は女で漁師を継ぐことはできないという意味で、兄たちとは違って父親から期待されていないと主人公は感じていた。それが「なして私、女に生まれでまったかなぁ」という嘆きになっているのである。
(七) 父っちゃと母っちゃの強い願いであんたは生まれてきたのだ、と母親は娘に伝えている。望まれて生まれてきたのだということを「愛でしょ」の言葉で表現しているのである。
(八) 漁師としての父親へのあこがれが過去のものになったことが、「かつてのヒーロー」という言葉で示されている。
【大問二】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
筆者がインタビューを通してわかった、優れた校閲者であるための姿勢が紹介されている。
(一) 著者(A)が出来上がった原稿を編集者(B)に渡し、それを校閲者(C)に依頼してチェックしてもらう、という流れである。
(二) どうしてもその字を使いたいという著者の思いを、文章の後半で「こだわり」と表現している部分がある。
(三) 直接「手紙」でやり取りしたことも紹介されている。
(四) 著者の言葉を受けて、優れた校閲者として真実を確かめたいというプロ意識がわいたのだと考えられる。
(五) 「何かの本でこの字が使われているのを見た」という著者の言葉に応えて、校閲者である矢彦さんが詳しく調べた結果が、傍線部の返事の手紙だったのである。
(六) 「相手の立場に立って」という内容であろうが、校閲者にとっての相手とは「著者」である。
(七) よい校閲者であるには著者の立場に立つために、なるべく見聞を広めて人と話をする日々を送ることが大事だと、矢彦さんは考えている。そのための一つの手段が「飲みに行くこと」なのである。
(八) 塩野七生氏の校閲者として指名されているという事実で、矢彦さんが信頼される校閲者であることがわかる。
【大問三】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
(一) 絶賛 (二) 包装 (三) 衛星 (四) 支柱 (五) (人)混(み) (六) 退(ける)
【大問四】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
人付き合いを苦手としながらも喫茶店を営む主人公。ひかりさんの計らいで、かつて好きだったマンガを描くことで人と打ち解けるきっかけになるのではないかと気づかされる。
(一) 主人公の発言として、「店をたたむことになりそうだ」と告げたことが示されており
経営側の物の言い方になっている。
(二) 筆記用具に筆を使いそうな「先生」であるから「書道」が考えられる。「画家」では筆記にまで筆を使うとは考えにくい。
(三) ひかりさんからマンガを描いていた時のことを聞かれた場面で、「ホラーものをよく描いて…」から始まる部分で詳しく昔のことを話している。
(四) 最後の部分で、マンガが人と触れ合うきっかけになるとひかりさんが気づかせてくれたことを受け、母親のおせっかいが「ナイスパス」だったと、感謝する気持ちになっている。
(五) A. 以前、ひかりさんには自分が不登校だったことや「人づきあいが苦手」なことを打ち明けている。
B. 似顔絵がうまいのだから、それを「きっかけ・糸口」として会話が弾むのではないか、とひかりさんはヒントをくれたのである。
(六) 光さんが店を出る前に見せた「ちょっといたずらっ子のような笑い方」が、一連のやりとりがひかりさんのちょっとしたたくらみだったのではないかと思わせるところである。
【大問五】詩の鑑賞
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
リスの巣作りを描いた詩である。
(一) 人間の手がとどかない、安心して自由に暮らせる場所という意味で「楽園」が合う。
(二) おそらくは五メートルほどの樹上に作られた巣であるが、「手を伸ばしてもとどかない」とその遠さを表現している。
(三) 口に「小さな枝をくわえて」いるのは巣作りの材料にするためであろう。その様子を、人が家を作ることになぞらえて「建築家」に例えたのである。
(四) 小さな枝で巣をつくる生き物で「走り出した」とあるので、ツバメではなくリスが合う。
攻略のポイント
書き抜き問題では探す範囲が指定してある試験が多いものだが、本校はそれが無い問題が多い。うっかりすると全文を何度も読み返すはめになる。
本文を読む前にまず設問にざっと目を通し、書き抜き問題で使えそうな箇所をチェックしながら読み進むのが良いだろう。詩や短歌・俳句が好んで出される傾向にあるので、類似問題を多くこなして、慣れておきたい。
また、第二回の試験では長く記述する問題が出されることが多いので、第二回での受験を考えている人は対策を怠らないようにしたい。
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