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立教池袋中学校 入試対策

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2018年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2018年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10,小問が20。毎年計ったように同じ分量で出題されている。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がなさそうだ。

 昨年度までのテスト構成と同じくはじめに計算問題があり、文章題は「難易度の低いものから高いものに移っていく」風ではあるものの、【大問5から難易度が高くなっており、例年のものより解きごたえのある分量になっている。
本年度に限って言えば、時間的余裕はもとより、合格点(65点前後)をとるのはさほど容易ではない。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

(1)は分配法則を使って計算をまとめるものだが、最後の5994を2018×3とできたかどうかで所要時間に差が出たはずだ。しっかりと正解しておきたい。

【大問2】割合と比

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

 円グラフを使った標準的な問題。(2)では、全体のゴミ量を100とおくと、総量18000Lを使わずに解けるのでこれも時間短縮に役立つはずで、こういうところに工夫が見られるようになりたい。

【大問3】推理算

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

推理算の典型的問題で、何度も解いた経験があるだろう。A×A=BからA,Bを一気に限定できるのであとはどちらの式も満たす方を選択する。正解必至。

【大問4】分配算・周期算

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)(2)とも基本問題の見本のような問題。同じ曜日が4回の場合は線分図による解法が普通だ。5回の場合は総和を5で割れば真ん中の日付が出るのでもう少し楽。
(2)は生徒によって解き方が異なるかもしれないが、6月1日の曜日を出してあとは最初の金曜日まで数えていけば良い。この問題までは全問正解しておきたい。

【大問5】平面図形(底辺と面積の比)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

問題の水準を上げているのは、下の折り目がAではなく途中のBからである点であり、Bから垂直に線を引くなど工夫がないと答えまでたどり着けない。ここまで順風満帆に来た生徒も少し立ち止まってしまうところだ。また、(1)が解けないと(2)も解けず、どちらも正解か不正解に分かれてしまうので点差がつきやすい大問と言えよう。

【大問6】割合と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

簡単な表をつくって比などをまとめると解きやすくなる。その上で比の大きさをそろえられれば(1)は容易に解けると思われる。(2)(1)の比の大きさを使って具体的な数値を求めれば良いのだが「一人あたりのリフト券代」の予測がつかない生徒は出した答えがあっているかどうか迷うのではないか?一日券だと思えば高くないのかもしれない…。

【大問7】速さ(ダイヤグラム)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

使われている交通手段は列車ではあるものの「通過算」ではなく、純粋にダイヤグラムの問題。しかし安易に解ける問題ではない
(1)はグラフから「特急列車」が西駅から東駅まで(26-2=)24分で走っていることを見抜く。答えの単位が「分速キロメートル」になっているので注意が必要だ。
(2)はこのテスト初めての「捨て問」の可能性がある設問で、かなり手間のかかる問題になっている。グラフの最後の部分から「普通列車の分速」を求め、さらにいくつかの数値を求めた果てに正解が待っている。失点もやむなし、というところか…。

【大問8】図形(直角二等辺三角形の面積・回転体の体積)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)は点線で折り曲げておもに直角二等辺三角形の面積を利用して解答するもの。こちらは基本レベル。
(2)は点線部で回転させた立体を作ると、上半分が円柱から円すいをひいたもの、下半分が円すい台になる。図が正確でなければ答えを当てようがない。作業のていねいさが問われる問題になっている。図さえ書ければ円周率の計算をまとめながら丹念に正解を求める。ここも差がつく問題である。

【大問9】平均・条件の整理

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

この問題も見た目以上に複雑でなかなか作業が多い問題だ。平均値は出ているもののすべて小数第1位を四捨五入したものなので得点の和にはばが出る。男子・女子・全体の得点の和に気をつけながら両問とも解かなくてはならず難問である。(1)ができれば(2)は答えが出ているも同然なので両方とも出来るか出来ないか点差が開きやすい。

【大問10】約束記号

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

いつも目にするものよりは面倒な約束記号の問題だが(1)は約束にそって計算するだけなのでできれば時間を作ってあてておきたい。
(2)はこの時点で時間に5分以上余裕がないとわかってはいても間に合わない。これは大変だ、と思った生徒ははじめに戻って見直しを開始すること。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。

受験者平均点が55.8点と例年の平均並みだが問題自体はやや難化した気がする。平均点プラス5点を合格ラインとすると60点強になるがすべて5点問題なので65点としておく。

全部で13問正解すれば良い。
本年度の問題だと、【大問1から【大問4までと【大問6をとれて50点、あとは【大問7】【大問8のそれぞれ(1)【大問10(1)が解きやすい。これでようやっと65点なので、本年度に関しては意外と手応えがあったと言わねばなるまい。

立教池袋の算数の場合、決して新傾向の問題が出されるわけではないので、平常は塾や市販の教材で問題量をこなしておこう。その中でしっかりと速く解ける技術も体得しておきたい。その上で過去問に取り組み、時間配分と問題の難易度を自分のものにしていきたい。

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