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立教池袋中学校 入試対策

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2021年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2021年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10,小問が20。毎年計ったように同じ分量で出題されている(1つの設問で2つの数値を答えるものもある)。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない。
 3年続けて標準レベルの問題が中心のテストとなったが、特に本年度は難問に値する問題は一つもなかった。しかしそれでも時間的余裕はあまりもてないので、問題文をしっかり読んで素早く取りかかるという姿勢がつねに必要だ。合格点(75点以上)をとるにはオールラウンドな力が要求される。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

 (1)は小数の四則混合計算で(2)は分数の四則混合計算。それぞれ小数・分数のみで構成されているので例年よりもやさしめ。

【大問2】角度

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

半円の中に三角形がいくつか書いてあり、その1つの内角を求める問題で、小5初級クラス。こういう易しめの問題で、むやみに角の大きさを書き込んでいくのではなく必要最小限の角を求めるだけで解けるようにしておくと、いざ角度の難問のときにその工夫が生きる。たとえば、○あ・○いとも二等辺三角形の中にある角なので、1つ求めれば残りも求まろうというもの。

【大問3】割合と比

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

「比の使い方」初心者コースのような問題。(1)で連比を作り、(2)ではそれを使って5月の降水量を求めるという胸のすくような平易な問いである。ポイントは計算が少し面倒くさいというところか…

【大問4】数の性質

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

 最大公約数と最小公倍数を使ったユニークな問題であり、そちらを覚えたての生徒には解かせてみたいと思う。○あが少しやっかいで、126では最小公倍数がうまくいかないので注意する。○あが求まればあとは公式通りの解き方でいける。

【大問5】速さと規則性

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

この問題でようやく立教池袋らしい水準に出会うことが出来る。速さの3公式と信号の規則性をかみ合わせた問題で、いくらでも難問に出来るがここでは標準クラスに落ち着いている。

(1)では、150mを時速15kmで走ると何秒間かかるかという、単位変換の本場、立教池袋らしい設問である。最初の赤・青では届かないので次の赤で何秒待たされるかとなる。
(2)では、まず150mを最初の赤が終わる15秒後に通過すれば良いのだがそれだと速さが時速20kmを超えてしまう。そこで、赤・青・赤の終了時に信号を通過するような速さを求めれば良い。ここではじめて点数に差がつくか?

【大問6】割合と比

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

 食塩の問題も出尽くしている感があるが、ここでは(2)で面積図を用いた(またはてんびん)解法が問われている。今では基本と言っても良い解法である。
(2)で面白いのは食塩水A、Bを何分何秒入れようとその濃さは(1)と同じになることに気づけるかどうか、であろう。あとは食塩を100%の食塩水として面積図。

【大問7】立体図形(表面積と体積)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)の表面積は典型の中の典型で、上・右・正面から見た正方形の個数を2倍して表面にある面の数を求めれば良い。1辺3cmのところだけ注意する。
(2)は正否が分かれる問題であろう。5個の立方体はそのままで、それに加えて三角柱と三角すいがいくつずつ増えたかを慎重に調べよう。三角すいの体積の公式なども覚えているかどうかが問われている。

【大問8】規則性(数表)

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

奇数と偶数の行で、数が伸びていく方向が異なるところにのみ面白みがある。

(1)は奇数行の問題なので、8行20列に書かれた数に13を加えれば良い。
(2)は235を20でわると商が11となるので、235は12行にあることが分かる。偶数行なので右が数が大きくなっていく。その点だけ注意する。

【大問9】立体図形と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

【大問7】とはまた異なり、ここでは立体図形の公式に比を用いる分だけ難度が上がっている。

(1)では、体積の比を底面積の比で割って答えを求めるわけだが、底面積の比は(半径)×(半径)で表されるのでそれを使う。
(2)はここまでで最も手のこんだ設問になっている。(1)で求めた高さの比を用いるわけだが、立体の表面積には底面積も含まれているのでそれをひいた上で、側面積の比を求めることになる。側面積の場合は、今度は(半径)×(高さ)で比が求まるので(1)と違う点に注意する。さらに計算もやや複雑である。しかしこの程度の問題に負けてはいけない。

【大問10】場合の数(道順)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)が「易」、(2)が「やや難」という難度設定である。「やや難」問題は最初で最後だ。

(1)は小5のころを思い出させてくれる問題で、左はしの道の数に気をつけるくらい。
(2)は3方向からの道が設定されているのでたし間違えないようにしたい。Aをはじめ、一番下の道はすべて「1」でよいが、あとは2方向のときと3方向の時があるのでやっかいである。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均点が63.5点(昨年度は60.8点)と、連続して60点台の平均点となった。問題の水準はここ数年では最もやさしく、本年度は難問と言える大問は一つもなかった。平均点プラス10点を合格ラインとして目標点は75点と置きたい。
全部で15問以上正解すれば良い。
本年度の問題だと、【大問7】(2)【大問10】(2)以外はすべて解いて正解して欲しいというのが望みだ。それだと90点になってしまうので、あと2問程度の失点(【大問5】(2)・【大問9】(2)あたり?)は大目に見よう。ただしそれ以外の失点は「本番ではやむを得ない」難問だからスルー、ではなくて基本レベルでのミスである。
立教池袋の算数の場合、決して新傾向の問題が出されるわけではないので,ふだん塾で使用している教材や市販されているものでよいから全分野をしっかりと行い、典型題の解き方や円周率のまとめ方など基本的なテクニックをしっかり身につけよう。さらに問題を早く解ける技術も体得しておきたい。3年続いている問題の易化が来年度も継続する可能性が高いので、難問にアタックするのはほどほどにして中級レベルの問題に多くあたるのが合格への早道だ

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