立教池袋中学校 入試対策
2015年度「立教池袋中学校の社会」
攻略のための学習方法
[分析]
例年、大問3つにそれぞれ地理・歴史・政治分野が割り当てられ、3分野がほぼ等分に出題されている。
総解答数25~30で試験時間は30分なので、問題量とのバランスは良いが、2~3行ほどの短文記述が4~5問出されるので、そこで多少、時間を必要とする。それ以外は、記号選択と用語記述の問題ばかりである。
内容は幅広い分野から万遍なく出題され、中学入試の基本的な事項が問われる問題がほとんどである。
また、例えば前年度が水産業と武家政治の問題だったら、今年度は伝統工芸品と平安時代について・・・というように、年度ごとに別の分野から出題されることが多くなっている。
[地理分野]
地形図の読み取り・気候・地勢・産業など、各単元から広く出題されている。
あるテーマに沿って関連した事項を訊くスタイルが多い。地図や統計グラフを使った問題も毎年、見られる。
この分野で、記述問題が1問出されるのが通例である。地形図を読み取って説明するもの(平成20年度・21年度)・漁獲量推移のグラフを読み取るもの(平成22年度)・伝統工芸品産業の抱える問題点(平成23年度)など、さまざまな内容・形式の記述問題となっている。
全体としては基本事項を問う問題がほとんどなので、テキストと地図・資料集で基礎をしっかりと固めておく。
[歴史分野]
各時代から、政治・文化・外国との関係など、幅広く出題されている。
明治時代の資料をもとにした問題(平成21年度)や3世紀~5世紀の日本について(平成24年度)というように、ある時代に範囲を絞った問題が多い。
文章による説明資料がよく使われるが、資料集でよく見るような図版が使われた年度もあるので、要注意。
時代順の並べ替えの問題もあるので、年表による整理が有効である。
歴史分野でも、あまりに細かい難解な知識は問われないので、人物・出来事・年代などの基本的事項を丁寧に学習しておく。また、この分野で記述問題が出される年度(平成24年度など)もある。
[政治分野]
日本国憲法・政治の仕組み・国際関係などの問題が出されている。
同時に、環境その他の社会的な問題・時事問題も合わせて出題される。
そして本校の特徴である、記述問題が2~3問、最後に出されるという形式が近年は続いている。
記述問題の内容としては、
①.グラフや統計から読み取れる事実を指摘する
②.前問①で答えた内容をふまえて、その解決策やそれに対する意見を述べさせる
というパターンが多く見られる。
社会科の学習のしかたとして、時事問題に関心を持ち、その背景や影響・結果を考えてみるということがよく言われるが、まさにそのような練習が生きる問題であろう。
統計のデータに素早く目を通し特徴をつかまえるスピードと、解答を字数にまとめる構成力も必要となる。
幸い、字数はそれほど多くないので、一般的な記述対策問題集で練習するのも有効であろう。
[さいごに]
選択問題や用語記入の問題は、中学受験の基本的な事項を問われるものが多いので、まずは基礎力の充実に努めるべきである。
さらに副教材で知識を補っていけばよい。難問集などに時間を割く必要はない。
そして、やはり差がつくポイントであろう記述問題は、用語や出来事を説明させる単純なもの、資料の特徴を読み取らせるもの、自分で考えさせる論述問題・・・といったパターンで出題されるので、それぞれに慣れておかなければならない。
記述対策問題集・資料集で多くの問題やデータに触れる。
ニュースや新聞で社会的な問題についてよく考えてみる。
50~60字程度で考えを文章にしてみる。
そのような練習を繰り返して、本校の記述問題のパターンに対応できるようにしておくことが大切である。
また、全体として言葉で書かせる問題が多く、記入する分量が多くなってしまうので、書くスピードをつけ、誤字・脱字をしないように意識して練習しておくことも忘れないようにしていただきたい。
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2015年度「立教池袋中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つがそれぞれ地理・歴史・現代社会に割り当てられ、総解答数は29問と、例年通りの構成である。
大問2で記号選択が多めになっているが、その他は記述問題を含めて言葉で答える問題が多くなっている。
1~2行程度の記述問題が計5問出されている以外は時間のかかる問題はないので、テンポよく進めて記述問題に時間を残しておきたい。
[大問1] 地理分野
- 時間配分:記述3分・その他5分 計8分
気候を中心として各地の産業その他・特徴を問う地理の問題。
雨温図を用いて問題が出されている。
日本の6つの特徴的な気候・雨温図のポイントをよく覚えて見分けられるようにしておきたい。
問1~3は基本的なレベルの問題が並んでいる。
問4の記述問題は、魚付林についての知識があれば答えられる問題。
沿岸・近海の資源確保の一つの方法として漁師が森林を保護・育成する活動について聞いたことがあるだろう。
[大問2]歴史分野
- 時間配分:9分
仏教に関連して、各時代の出来事や建造物などについて訊かれている。
問1は人物や用語を漢字で答える問題。いずれも基本レベルの問題だが、問4はやや難しかったかもしれない。
当時は寺院が大きな力を持ち、自前の兵力(僧兵)を有して時に朝廷にも圧力をかけていたという事実が思い浮かんだかであろうか。
問2の下線部②については、その寺社がどの宗教・宗派の下に建てられたのかがわかり、その宗教の基本的な教えが分かっていないと答えられないので少し難しい。
問3はテキストや資料集でお馴染みの写真なので、ミスしたくない問題である。
[大問3] 政治経済分野
- 時間配分:記述 問4 2分・問2と問6の(1)(2) 3分×2・その他 5分 計13分
地域の活性化や人口問題などの現代社会に関する問題が出されている。
問1などは、答える内容としてはなんとなくわかっていても、ニュースや新聞でその「4文字の言葉」に実際に触れておかないと、とっさに出てこない場合もあるかもしれない。
この分野はテキストだけでなく、普段から社会の出来事に目を配っておくことが大事である。
問2の記述問題はグラフから読み取れることを答えるのだが、図表2で推計値が用いられている点を見逃さず、今後の動向についても述べる必要がある点、注意が行き届いたであろうか。
問4の記述は「過疎化」だけでなく「働き手の不足による」と範囲が限定される分、書けることが限られて少し難しい。
そして問6の記述がやはり差がつくところだったであろう。
まずは(1)で示された4つの地域を代表する第一次産業(生産)がわかった上で、第二次産業(加工)と結びつけ、どう販売・サービスしていくか(第三次産業)という自分なりのアイディアを2行ほどでまとめなければならず、それが地方活性化につながる理由は(2)で示すという二段階になっている。
内容は、やはりこれまでに見聞きした他の地域の同じような取り組みを参考に書くということになろうか。ここもニュースや新聞からの見聞が生きる問題である。
攻略のポイント
用語記入・記号選択は基礎的な問題が多いので、ここを取りこぼすようだと厳しい戦いになる。まずは基本事項の徹底を図る。
記述問題は統計や文書資料を読み取り、そこから考えられることを答えさせるというパターンが多いので、資料が示している先を推理できる思考力が身につくよう、訓練を積んでおきたい。
また、今回は記述問題が5問出題されているが、時間との兼ね合いも考え、自分の苦手な分野や特に難しいと感じる1~2問を諦めるというのも、現実的な選択かもしれない。
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