立教池袋中学校 入試対策
2020年度「立教池袋中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
例年、大問3つにそれぞれ地理・歴史・政治分野が割り当てられ、3分野がほぼ等分に出題されている。
総解答数25~30で試験時間は30分なので、問題量とのバランスは良いが、2~3行ほどの短文記述が4~5問出されるので、そこで多少、時間を必要とする。それ以外は、記号選択と用語記述の問題ばかりである。
内容は幅広い分野から万遍なく出題され、中学入試の基本的な事項が問われる問題がほとんどである。
また、例えば前年度が水産業と武家政治の問題だったら、今年度は伝統工芸品と平安時代について・・・というように、年度ごとに別の分野から出題されることが多くなっている。
地理分野
地形図の読み取り・気候・地勢・産業など、各単元から広く出題されている。
あるテーマに沿って関連した事項を訊くスタイルが多い。地図や統計グラフを使った問題も毎年、見られる。
この分野で、記述問題が1問出されるのが通例である。駅伝のコースの特徴(2019年度)や世界遺産認定の理念に反する現実の問題点(2020年度)など、さまざまな内容・形式の記述問題となっている。
全体としては基本事項を問う問題がほとんどなので、テキストと地図・資料集で基礎をしっかりと固めておく。
歴史分野
各時代から、政治・文化・外国との関係など、幅広く出題されている。
古代の日本の生活や住居など(2019年度)や古代~近世の外交について(2020年)というように、ある時代に範囲を絞った問題が多い。
文章による説明資料がよく使われるが、資料集でよく見るような図版が使われた年度もあるので、要注意。
時代順の並べ替えの問題もあるので、年表による整理が有効である。
歴史分野でも、あまりに細かい難解な知識は問われないので、人物・出来事・年代などの基本的事項を丁寧に学習しておく。
また、この分野で記述問題が出される年度(2017年度など)もある。2020年度でも出題されている。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組み・国際関係などの問題が出されている。
同時に、環境その他の社会的な問題・時事問題も合わせて出題される。
そして本校の特徴である、記述問題が2~3問、最後に出されるという形式が近年は続いている。
記述問題の内容としては、
①.グラフや統計から読み取れる事実を指摘する
②.前問①で答えた内容をふまえて、その解決策やそれに対する意見を述べさせる
というパターンが多く見られる。
社会科の学習のしかたとして、時事問題に関心を持ち、その背景や影響・結果を考えてみるということがよく言われるが、まさにそのような練習が生きる問題であろう。
統計のデータに素早く目を通し特徴をつかまえるスピードと、解答を字数にまとめる構成力も必要となる。
幸い、字数はそれほど多くないので、一般的な記述対策問題集で練習するのも有効であろう。
さいごに
選択問題や用語記入の問題は、中学受験の基本的な事項を問われるものが多いので、まずは基礎力の充実に努めるべきである。
さらに副教材で知識を補っていけばよい。難問集などに時間を割く必要はない。
そして、やはり差がつくポイントであろう記述問題は、用語や出来事を説明させる単純なもの、資料の特徴を読み取らせるもの、自分で考えさせる論述問題…といったパターンで出題されるので、それぞれに慣れておかなければならない。
記述対策問題集・資料集で多くの問題やデータに触れる。
ニュースや新聞で社会的な問題についてよく考えてみる。
50~60字程度で考えを文章にしてみる。
そのような練習を繰り返して、本校の記述問題のパターンに対応できるようにしておくことが大切である。
また、全体として言葉で書かせる問題が多く、記入する分量が多くなってしまうので、書くスピードをつけ、誤字・脱字をしないように意識して練習しておくことも忘れないようにしていただきたい。
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2020年度「立教池袋中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つがそれぞれ地理・歴史・現代社会に割り当てられ、総解答数は23問と、例年通りの構成である。
今年度は3分野がほぼ均等に出題されているが、政治経済分野で記述問題が多めなのでやや難しい。その他の問題も言葉で答える問題が多くなっている。記述問題を含む最後の大問はやや時間がかかるので、その他の問題はテンポよく進めて記述問題に時間を残しておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
世界遺産や伝統工芸・伝統行事などについて。
問1 (1) 日本最古の歌集・万葉集。
(2) 世界遺産は国連教育科学文化機関(ユネスコ)により選定・登録される。
(3) 日本では「能楽・歌舞伎など」「和紙」「和食」などが無形文化遺産に登録されている。
問2 ア・ウ・エ・オは自然遺産、イ・カは文化遺産として登録されている。
問3 美濃和紙は岐阜県、輪島塗は石川県の伝統工芸なので、地図の範囲から外れている。
問4 Zは秋田県。「なまはげ」は仮面をつけて藁をまとった神の使いが家々を訪れ災いを祓う行事。「竿灯まつり」は提灯をつるした長大な竹竿を稲穂と米俵に見立てて豊作を祈る祭りである。
問5 資料Aから、世界遺産登録に経済効果が期待されている側面が見て取れる。資料Bでは、観光客などの心ない行動・マナー違反が地域住民の迷惑になったり、景観や施設に害を与えたりといった場面が描かれている。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
平安時代~江戸時代の外交について。
問1 平清盛は大輪田泊(神戸港付近)を整備して日宋貿易の拠点とした。
問2 (1) 日明貿易では正式な貿易船の証明として勘合という割り札が用いられた。
(2) ① 2019年の火災による首里城の崩落が記憶に新しい。
② 琉球は「中国へのみつぎ物に恵まれない」のでシャム国から「胡椒・蘇木」を輸入して
「中国への献上品にしたい」というのが手紙の主旨のようである。
(3)その地理的な優位を利用して日本・中国・東南アジアとの交易の中継点として機能していたことが わかる。日本からは特に刀剣などを輸入し、それを中国・東南アジアに輸出していた流れが示されている。
問3 鎖国中には中国・オランダや琉球・アイヌ民族などとの交易が行われていた。(ウ)がアイヌ民族、(エ)がオランダについての記述である。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
食品ロスについての現状や解決策など。
問1 (1) 文中の会社では廃棄物を処理して豚の飼料に変えていることが紹介されており、これは廃棄物を 「リサイクル」して飼料にしているということである。
(2) 「自治体が一部の費用を負担する」のだから「税金」が使われているということである。
(3) 賞味期限前・消費期限前の食品を寄付してもらい保護施設などに届ける「フードバンク」という 取り組みである。低所得世帯などの助けにもなっている。
問2 (1) 2017年度では、家庭系46%・事業系54%(外食産業21%・食品製造20%・小売10%・卸3%)と なっている(農林水産省ホームページ)。
(2) 正月のおせち料理・節分の恵方巻・クリスマスのケーキなど、大量に作られて売れ残ることで廃棄 が生じる。
(3) 必要な量をよく考えて余分に買わない・賞味期限や消費期限を確認して買い期限内に使用する・食 べられる部分を捨てずに使う、などが考えられる。
問3 (1) 2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標」が採択された。
(2) 食品ロスを減らすには作る側と買う側の努力が必要であるので、選択肢エが合う。
問4 発展途上国での大幅な人口増加の傾向を考えると、将来的に食料生産が追いつかなくなる恐れがある。また、昨今の地球規模での気候変動により、深刻な不作や飢饉が発生する可能性もある。
攻略のポイント
用語記入・記号選択は基礎的な問題が多いので、ここを取りこぼすようだと厳しい戦いになる。まずは基本事項の徹底を図る。
記述問題は統計や文書資料を読み取り、そこから考えられることを答えさせるというパターンが多いので、資料が示している先を推理できる思考力が身につくよう、訓練を積んでおきたい。
また、今回は記述問題が3問出題されているが、時間との兼ね合いも考え、自分の苦手な分野や特に難しいと感じる問題は諦めるというのも、現実的な選択かもしれない。
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