立教新座中学校 入試対策
2024年度「立教新座中学校の国語」
攻略のための学習方法
【長文読解】
物語文1題・説明的文章1題の大問2つという構成がほぼ定形となっている。字数は7000~10000字ほど。総解答数は25~30問前後。
設問は記号選択・書き抜きが中心で、適語補充や30字ほどの記述問題1~2問と漢字・接続詞・慣用句などが加わる。形としてはオーソドックスな試験である。
選択肢問題は答えやすい問題が多い。無理に迷わせるような紛らわしい選択肢にはなっていないので、着実に答えて得点したい部分である。
他方、書き抜き問題は難しいものが見られる。本文が長いことに加えて、探す範囲を指定されていない問題が多数あるので、下手をすると全体を読み返すハメになる。読むスピードとともに、本文を読みながら重要点をチェックし目印をつけておき、解答・手がかりを探しやすくしておく手際の良さが求められる。
説明的文章であれば、まず段落の整理。形式段落と意味段落をまとめ、おおまかな内容をタイトルとしてつけておけば、答えを探す範囲をしぼり込める。各段落の最初と最後に特に注意しながら要点をマーク。求められる解答は要点やその近くにある場合が多い。そして全体の要約。要点と合わせて記述問題で使える箇所が多く含まれているだろう。
文学的文章ならば、まず時間・場所・登場人物の変化などで場面を分けておく。これも書き抜きの答えを探す範囲を考える手がかりになる。人物の言動・情景などを見落とさないようにしながら、気持ちを把握する。文学的文章の問題はやはり心情把握が中心となる。
以上のような長文読解問題の基本的な取り組み方を練習しておきたい。
また、本校の試験は比較的易しい問題と難しめの問題とが混ざっているので、どうしても解けそうにない問題はとりあえず諦める潔さも必要である。探すのに時間がかかりそうな書き抜き問題やまとめるのが大変そうな記述問題は後回しにして、自信のある問題を選んでとにかく最後まで目を通す。
残りの時間をうまく利用して、最後まであきらめずに解答を探る。賢い時間配分をするためにも、可能な限り多くの過去問を、一度だけでなく二度・三度と繰り返し、出題のパターンに慣れておくことが大切である。
【漢字・その他】
漢字は大問それぞれで8~10問程度出題される。中学入試の標準的な問題に、2~3問難しいものが混ざっている印象である。標準レベルの漢字問題集を丁寧に仕上げればよいだろう。
その他、接続詞の問題はよく出されているので、要注意。ことわざ・慣用句・熟語などの言語事項については、知識問題だけでなく長文読解の問題でも、言葉を知らないと答えられない問題が見られるので、語彙を増やす努力は惜しまないようにしたい。
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2024年度「立教新座中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年8000から9000字ほどの文量で、2024年度は約8700字であった。
まずは本文を読むスピードをつける。問題数は26問と例年通りで、本文が長いだけに書き抜き問題で手間取ると時間切れの恐れがある。できれば16~18分くらいで本文を読み終え、重要点をマークしておく。
記号選択などの問題を先にこなし、時間のかかる書き抜きと記述問題は残った時間で落ち着いて考えたい。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
- ★必答問題
「よく生きる」ということについて、ソクラテスの思想を手掛かりに考察している。
問一 イ. 発揮――高貴・旗手・機転・指揮
ロ. 過程――仮設・超過・課題・一家
問二 A. 「よく生きる」とは自分自身について気づかうことである。「それでは」、自分自身について気づかう」とはどういう意味でしょうか。
B. ソクラテスは結論へ急ぎません。「むしろ」私も見失っているという答えを投げ返してきます。
C. 自然なまま生きること、「つまり」欲望を抑えずその充足をはかること。
問三 ソクラテスの言う「付属物」とは「身体や金銭」、「自分自身」とは「プシュケー(感情や知性)」であると考えられるので、選択肢エが合わない。
問四 直前に書かれている。「たとえ答えが~求められるような(四十二字)」、そういう問いである。
問五 人間の欲望はキリがない・果てがないという意味であろうから「孔のあいた甕」が合う。選択肢イも悪くないが「見えない」だけで底はあるとも取れるので、ウのほうがよい。
問六 「端的」な答えとしては、「プシュケーがよくあるように気をつかうこと(二十二字)、つまりよく生きること」……の部分が抜き出せる。
問七 選択肢イの「健康」は「身体」に含まれてソクラテスの考える「付属物」にあたり、「自己自身(プシュケー)を大切にすること」にはならないので、×。他の選択肢は本文の内容と一致する。
【大問二】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
ツネが学校でうまくいかないのは目が悪いせいであったことを家族に示した幸八たちは、末吉の宮大工の技術を活かしてめがね作りに協力してもらえないかと持ち掛ける。
問一 ロ. 舞(い)
ハ. 腕組(み)
ニ. 手招(き)
ホ. 凝(らし)
問二 幸八はツネの父である末吉の「宮大工」としての技術や経験をめがね作りに活かしてほしいと考えている。
問三 目が悪いとは想像もしていなかった家族たちはめがねをかけたツネを見て、初めて見るその様子・言動に驚いている。
問四 読本を読むツネの様子を見て幸八は、彼女が学校でうまくできなったのはかねて予想していた通り「生まれつき目が悪かっただけ(十三字)」なのだと確信した。
問五 医者に見せても「頭が足りない」などと言われ辛い思いをしてきた末吉だったが、目が悪かっただけだと気づかされて、喜びと安堵で打ち震えているのである。
問六 Ⅰ. 「めがねみたいな『おかしなもん』掛けて学校へ行ったら……」という末吉の発言がある。まだめがねが一般的ではない時代である。
Ⅱ. めがねが奇異に見られる時代に眼鏡工場を作ろうという増永兄弟の提案を、末吉は「突拍子もないこと」と考えている。
問七 めがねを「おかしなもん」と考えている末吉にとって、自分がめがね作りに協力するなどということはすぐには考えられず「渋い」顔になっている。
問八 末吉がめがね作りに協力してくれる運びになり、願いが実現して高揚感を味わっている。
攻略のポイント
選択肢問題は無理にミスを誘うような意地悪なものではなく、読解がしっかりできていれば得点できる問題である。記述問題も「自分の意見を述べよ」といった論説タイプではないし、字数も多くないので取り組みやすい。
一方、書き抜き問題は要領よく考えないと全体を読み返す事態になり、時間を取られる恐れがある。文中での手がかりのマークのしかたなど、過去問で十分に慣れておきたい。また、本文を読むスピードも養って、すべての問題に一通り目を通す時間を確保したい。
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