立教新座中学校 入試対策
2023年度「立教新座中学校の国語」
攻略のための学習方法
【長文読解】
物語文1題・説明的文章1題の大問2つという構成がほぼ定形となっている。字数は7000~10000字ほど。総解答数は25~30問前後。
設問は記号選択・書き抜きが中心で、適語補充や30字ほどの記述問題1~2問と漢字・接続詞・慣用句などが加わる。形としてはオーソドックスな試験である。
選択肢問題は答えやすい問題が多い。無理に迷わせるような紛らわしい選択肢にはなっていないので、着実に答えて得点したい部分である。
他方、書き抜き問題は難しいものが見られる。本文が長いことに加えて、探す範囲を指定されていない問題が多数あるので、下手をすると全体を読み返すハメになる。読むスピードとともに、本文を読みながら重要点をチェックし目印をつけておき、解答・手がかりを探しやすくしておく手際の良さが求められる。
説明的文章であれば、まず段落の整理。形式段落と意味段落をまとめ、おおまかな内容をタイトルとしてつけておけば、答えを探す範囲をしぼり込める。各段落の最初と最後に特に注意しながら要点をマーク。求められる解答は要点やその近くにある場合が多い。そして全体の要約。要点と合わせて記述問題で使える箇所が多く含まれているだろう。
文学的文章ならば、まず時間・場所・登場人物の変化などで場面を分けておく。これも書き抜きの答えを探す範囲を考える手がかりになる。人物の言動・情景などを見落とさないようにしながら、気持ちを把握する。文学的文章の問題はやはり心情把握が中心となる。
以上のような長文読解問題の基本的な取り組み方を練習しておきたい。
また、本校の試験は比較的易しい問題と難しめの問題とが混ざっているので、どうしても解けそうにない問題はとりあえず諦める潔さも必要である。探すのに時間がかかりそうな書き抜き問題やまとめるのが大変そうな記述問題は後回しにして、自信のある問題を選んでとにかく最後まで目を通す。
残りの時間をうまく利用して、最後まであきらめずに解答を探る。賢い時間配分をするためにも、可能な限り多くの過去問を、一度だけでなく二度・三度と繰り返し、出題のパターンに慣れておくことが大切である。
【漢字・その他】
漢字は大問それぞれで8~10問程度出題される。中学入試の標準的な問題に、2~3問難しいものが混ざっている印象である。標準レベルの漢字問題集を丁寧に仕上げればよいだろう。
その他、接続詞の問題はよく出されているので、要注意。ことわざ・慣用句・熟語などの言語事項については、知識問題だけでなく長文読解の問題でも、言葉を知らないと答えられない問題が見られるので、語彙を増やす努力は惜しまないようにしたい。
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2023年度「立教新座中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年8000から9000字ほどの文量で、2023年度は約8800字であった。
まずは本文を読むスピードをつける。問題数は25問と例年通りで、本文が長いだけに書き抜き問題で手間取ると時間切れの恐れがある。できれば16~18分くらいで本文を読み終え、重要点をマークしておく。
記号選択などの問題を先にこなし、時間のかかる書き抜きと記述問題は残った時間で落ち着いて考えたい。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:27分
- ★必答問題
「教育」の最もシンプルな一つの定義について、3つの重要なポイントを挙げて論じている。
問一 イ. 圧勝
ロ. 露骨――感情などをかくさずに表すこと。
ニ. 患者
ホ. 達成
問二 Ⅰ. 果てしない論争や対立が生まれてきます。「たとえば」○○という議論もできれば××という議論もできる。
Ⅱ. シンプルな定義では考え方の対立は見えない。「しかし」実際に中身を議論し始めると複雑な対立の中で考えなければならなくなる。
Ⅲ. 教育を受ける側はやり過ごしや離脱ができる。「つまり」本人がその気にならないと、学習は進まない。
問三 ヒマラヤの例は、3つのポイントのうち「意図的に」についての例である。教育には教育する側の意図が存在しなければならないが、この例の場合は誰の意図も存在しないので「教育」ではないのである。
問四 「本人の側」を「個人」(②)と言い換えれば、それに対応する「社会」を(③)に当てはめられる。
問五 「権力性」が生じるのは「他人に押しつけるもの」だからだと述べている。
問六 どちらも「望ましい結果が得られるとは限らない」・「成果が実現する」ということとは違う、と結果の不確実性という意味で共通しているのである。
問七 アクティブラーニングとは「能動的な学び」という意味である。これは文中の「経験主義の考え方」と通じるものがあり、「そういう対立の例」だと考えられるので、《B》にもどせばうまくつながる。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:23分
あるデパートを訪れた夫妻と、デパート店員たちの心温まるエピソードが語られる。
問一 イ. 民芸
ニ. 告(げる)
ホ. 鮮魚
問二 鷹城夫妻は子どものころからデパートを訪れていたよく知られた二人で、店員たちにとって良い思い出のあるお客様としてアイドル扱いされており、今回の久しぶりの訪問は「本物のアイドルの帰還」ともいえるものだった。
問三 夫妻の口ぶりから店員たちの想いをしっかり感じてくれたのだとわかり、具体的なことは伏せながらも嬉しく思っている。
問四 鷹城一家の善良な人柄や、それを見守るデパート店員たちの思いやりなど、心温まる物語となっている。
問五 数段落前に「この店で働くひとびとに密かに愛されていた」とあるので、その繰り返しと捉えられる。
問六 『お利口くん』が口にした「妹と弟が喜ぶようなおもちゃ」について、「何かいいもの」はないかと店員やメーカーなどの多くの人たちが知恵を絞り、「少年の負担にならない方向で、小さな妹と弟が喜びそうな物」を考えて、提案してあげたのである。
問七 父親に先立たたれてしまった『お利口くん』の一家に対して、店員たちはひそかにほんのささやかな贈り物を用意していた。少し量を多くしてあげたり、値段を安くしてあげたりと、一家のために何かしてあげたいという思いで「百パーセントを超えるレベルと熱量」のサービスを提供したのである。
攻略のポイント
選択肢問題は無理にミスを誘うような意地悪なものではなく、読解がしっかりできていれば得点できる問題である。記述問題も「自分の意見を述べよ」といった論説タイプではないし、字数も多くないので取り組みやすい。
一方、書き抜き問題は要領よく考えないと全体を読み返す事態になり、時間を取られる恐れがある。文中での手がかりのマークのしかたなど、過去問で十分に慣れておきたい。
また、本文を読むスピードも養って、すべての問題に一通り目を通す時間を確保したい。
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