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立教新座中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「立教新座中学校の算数」
攻略のための学習方法

1月下旬に実施される立教新座の入試は、1月男子校最後の1校として、2月の受験合否を占うという意味でも非常に大きな意味を持ち、第一志望とする生徒にも、2月校への力試しという位置づけの生徒にとっても失敗したくない・負けられないテストであることは間違いない。

 受験生は多いものの合格者を多数出し(補欠も多く出す)、倍率は2倍前後と安定しているにもかかわらず合格するのは容易ではない。
 それは受験生自体の水準が高いからである。中でも、算数は受験生にとって受験生活最後に屹立する大いなる壁と言っても過言ではない。

 立教新座中学が開校したころの問題に比べるといくぶん内容も薄味になり、条件の複雑さも山を越えた感はあるが、それでも受験生にとって解きやすい問題とはとても言えない。それは例年の合格点の低さからよく分る。新座合格を勝ち得るためには、基本レベルを超え、応用力にまで踏み込んだ力がどうしても必要になる。

 そのためには、早い時期に「解き方のベース」となるテキストに出題されている「例題・典型的問題」の解法に用いられる公式や解き方はすべてマスターしてしまうこと。
 中堅校までの算数はこの段階でもはや完了していると言ってもよいが、新座の難問突破にはまだ入口に過ぎない。

 その上で、頻出度は高くないが、さらに水準の高い公式・解き方などをひとつでも多く身につけておきたい。

 「円の面積の求め方」=「半径×半径×円周率」が出てこない生徒はいないだろう。では、「円の面積=半径×弧の長さ÷2」はどうか?

 また、「整数aと整数bの積は、(a・bの最小公倍数)×(a・bの最大公約数)と等しい」は?

 他にもいくつもあるだろう。ただ一通りの解き方を手に入れただけでは学力としてはまだ十分とは言えないので、新しく登場した公式・解き方はどん欲に覚えておこう。

応用・発展問題

さらなる難題は、難問が解けるようになる、と言うことである。
 「基本的な問題なら解けるのだが、少し応用が入ると解けなくなってしまう」という悩みは多くの受験生が抱えていることと思われる。

 新座の難問というのは突然新しい考え方を生み出さなければ解けない、というものではなく、以前より知っているはずの解き方・公式を使って解けるのだが、それが条件の複雑さなどによって発見しにくくなっているものが多い。

 なんとか解き終るなり模範解答を見ると「なんだそういうことか」と分るけれどもなかなかそこに行き着かない場合である。これは同程度の問題を分量こなしていくことによって慣れてくるところがあるので、問題演習量によって克服したい。

分野別の対策

次は分野別に対策を施したい。
この3年間で特にフューチャーされているのは「図形」分野である。もちろん以前から出題されてはいるものの、本年度もまたその半分が図形の問題であった。昨年度ほどの難易度はないものの、図形の出来いかんで合否が決まったことは間違いない。来年度もその傾向にあることが強いと考えられ、典型的問題はもちろんのこと、もう一つ二つ上のレベルの問題にも手が出るように仕上げておきたい。

 逆に、「数の性質」と「速さの問題」は下火になった。本年度は「速さの問題」は【大問3】のみ、数の性質は【大問1】(4)に見られただけで、しかもかなり基本的な問いだった。
 問題傾向に大きな変化が生じてきている可能性があるので注意を要したい。

しかしいずれの分野も大切な内容であることはもちろんなので、やることはしっかりとやっておくこと。

まとめ

 合格するための学習法をまとめると

 ・「図形」全般など、出やすい分野に関しては徹底的に時間をかけ、得意とは言わずとも恐れることなく問題にあたれるようにしっかりとした準備をしておくこと。

 ・合格点の低いテストである。どれもこれも手をつけ、難易度の高い設問を深追いせずに自分の力にあった問題を見つけ、それで合格ラインを超えられるような確実性を身につけよう。

 ・基本的な力だけで満足することなく、少なくとも年内は難問にチャレンジする意欲を見せよう。決して無理な注文ではないはず!

2月校の併願として同校を受験する生徒が多数と思われるが、2月校と同じ程度の対策時間を作っておこう。2月校への訓練にも十分になる。
過去問に取りかかるのは秋からでよい。合格点を見据えて大いに奮闘してもらいたい。

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2018年度「立教新座中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問5は昨年と変わらず、設問数は26とやや増加した。
本年度は近年の問題では最も標準的な問題が多く並ぶ年となり、難易度の高い問題に苦手意識を持つ生徒には大変喜ばしい問題群だったろう。また、算数の得意な生徒は過去問に取り組んだときよりもかなり「手応え」を感じられたのではないか。

その代わり本年度の合格点は55~60点と少し高めで、標準レベルの問題をそつなく解いた受験生の勝利となった。ただまだ単年だけのレベル変化なので、来年度もまた標準レベルの問題となるかどうかは不明である。
本年度に関しては言えば、時間不足と言うこともなく、余裕を持って取り組めたと思う。

【大問1】計算と小問集

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

(1)は小数を分数に直しての四則計算。分母もさほど大きくならず、やりやすいという印象だ。

(2)は多角形を組み合わせ、角度を求めるという問題。いずれも五角形と六角形の内角の大きさがわかれば解ける問題で、工夫の必要性も感じない平凡なもの。

(3)は平均算の標準的な問いで、ていねいに合計点を出していけば解ける問題。では、各科目の平均点の和と4人の平均点の和が等しくなることを使う。

(4)では、3×5など、具体的に数値をあてはめれば簡単に求まる。は8番目だから作業が面倒なだけで立教新座を受ける生徒であれば基本中の基本といえよう。

(5)は三角柱から立方体を作るという、やや古典的な問題で、三角柱を2つ(または4つ)組み合わせて直方体を作り、ではさらに立方体を作るというもの。は唯一【大問1】で失点の可能性がある問題。三角柱を4つ組み合わせて直方体を作る作業を忘れずに、注意して取り組みたい。

本年度の【大問1】は標準レベルの問題。間違えても1・2問程度にとどめたい。

【大問2】平面図形(長さと面積、規則性)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

図2をじょうずに分割できればあとは簡単な規則性に沿って問題を解いていけば良い。おうぎ形の中心角などをていねいにまとめられればそれほど苦にする問題ではない。

(2)(1)の流れで、7段目までになったときの弧と面積をうまく求める。

(3)は影のついた部分の面積を1つ0.57cm2と求め、和の41.04cm2を割って答えにつなげていく。

できれば確実に得点しておきたい問題だ。

【大問3】速さの問題(速さと比、旅人算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

3人の走者が出てくるが、旅人算として処理するのは(4)だけで、あとは速さの3公式に沿って問題を解く。標準的なレベルであり、(3)までは正解しておきたい。

(1)は花子さんの速さを求め、それが太郎くんの2周目と同じであるところから求めることが出来る。基本的な問い。

(2)は速さを求めた上でていねいにかかった時間を加えていく。

(3)では、次郎くんが1周目にかかった時間を1として時間の割合を求め、7分37.5秒をその和で割ると1周目にかかった時間が求まる。まだまだいける。

(4)のみ難易度がアップし、旅人算の考え方を用いる。2周目終了時点では次郎くんのほうが先行しているのでそこまでの距離を求め、3周目の速さの差で割って求めるというもの。

【大問4】数表(平方数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

まさかまさかの典型的な数表の問題。
(1)(2)は堅実にあてた上で(3)に時間を割きたい。ただし、(1)(2)ですべての数を書き出しているようでは正解しても心許ない。もっと算数的に解けるよう訓練を積もう。1列目の数に注目して、平方数をうまく利用すれば短時間で求めることが出来る。
(3)も少し書き出してみると意外に単純な決まりが見つかる。

この位置にこの問題ではあまり差はつかないだろう。また、普通に算数の力がある生徒はこの時点で合格点にあたる60点は優に突破できているはずだ。

【大問5】立体図形(体積)

  • 難度:
  • 時間配分:8分

(2)(3)と難度の高い設問が並んだので、(1)だけは確実に正解して冒頭からの答え合わせに戻りたい。

昨年度もラストに立体図形の難問が出題された。立教新座の算数で大きく差をつけるためには必須の内容となっている。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
3年連続で「図形」分野重視の問題構成となった。しかし,昨年度復活した重厚さを感じさせる問題群ではなく、【大問4】までは標準またはそれを下回る水準の問題となった。
この学校の倍率は2倍強なので、平均点を上回れば合格ラインに乗る。

本年度のテストだと最低でも60点は取りたい。新座対策として難問に挑み続けた生徒にはやや拍子抜けのテストとなったことだろう。
できれば【大問4】までは無傷で、失点しても2問程度のミスにとどめたい。算数の自信がある生徒はなおさらのこと、【大問5】だけに力を注げるように。

立教新座の算数を解けるようになるためには,
・塾の教材や市販の問題集などで、中~高程度の難易度を持つ問題に多く触れ、ねばり強く問題を解くこと。
・分野的には「平面・立体図形」を特に強化しておこう。

本年度の問題は質量ともに近年では最も易しいものとなった。来年度もこの傾向が続くかどうかはわからない。難度の高い年のものもしっかり解き、多少の難度変更にはついていけるよう備えておこう。

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