立教新座中学校 入試対策
2019年度「立教新座中学校の算数」
攻略のための学習方法
1月下旬に実施される立教新座の入試は、1月男子校最後の1校として、2月の受験合否を占うという意味でも非常に大きな意味を持ち、第一志望とする生徒にも、2月校への力試しという位置づけの生徒にとっても失敗したくない・負けられないテストであることは間違いない。
受験生は多いものの合格者を多数出し(補欠も多く出す)、倍率は2倍前後と安定しているにもかかわらず合格するのは容易ではない。
それは受験生自体の水準が高いからである。中でも、算数は受験生にとって受験生活最後に屹立する大いなる壁と言っても過言ではない。
立教新座中学が開校したころの問題に比べるといくぶん内容も薄味になり、条件の複雑さも山を越えた感はあるが、それでも受験生にとって解きやすい問題とはとても言えない。それは例年の合格点の低さからよく分る。新座合格を勝ち得るためには、基本レベルを超え、応用力にまで踏み込んだ力がどうしても必要になる。
そのためには、早い時期に「解き方のベース」となるテキストに出題されている「例題・典型的問題」の解法に用いられる公式や解き方はすべてマスターしてしまうこと。
中堅校までの算数はこの段階でもはや完了していると言ってもよいが、新座の難問突破にはまだ入口に過ぎない。
その上で、頻出度は高くないが、さらに水準の高い公式・解き方などをひとつでも多く身につけておきたい。
「円の面積の求め方」=「半径×半径×円周率」が出てこない生徒はいないだろう。では、「円の面積=半径×弧の長さ÷2」はどうか?
また、「整数aと整数bの積は、(a・bの最小公倍数)×(a・bの最大公約数)と等しい」は?
他にもいくつもあるだろう。ただ一通りの解き方を手に入れただけでは学力としてはまだ十分とは言えないので、新しく登場した公式・解き方はどん欲に覚えておこう。
応用・発展問題
さらなる難題は、難問が解けるようになる、と言うことである。
「基本的な問題なら解けるのだが、少し応用が入ると解けなくなってしまう」という悩みは多くの受験生が抱えていることと思われる。
新座の難問というのは突然新しい考え方を生み出さなければ解けない、というものではなく、以前より知っているはずの解き方・公式を使って解けるのだが、それが条件の複雑さなどによって発見しにくくなっているものが多い。
なんとか解き終るなり模範解答を見ると「なんだそういうことか」と分るけれどもなかなかそこに行き着かない場合である。これは同程度の問題を分量こなしていくことによって慣れてくるところがあるので、問題演習量によって克服したい。
分野別の対策
次は分野別に対策を施したい。
この4年間で特に採り上げられているのは「図形」分野である。本年度もテスト問題の半分が図形の問題であった。難易度はそれほど高くない(せいぜい【大問1】(5)・【大問3】(3)のみ難問と言えよう)ものの、図形の出来いかんで合否が決まったことは間違いない。
この傾向は固まったとみて良いので、図形における典型的問題はもちろんのこと、難易度のやや高い問題にも手が出るように仕上げておきたい。
また、「速さの問題」にも復活の兆しが見られる。本年度は「速さの問題」は【大問5】で、勝負を決めるトリの問題として出された。複雑な条件を与えられ考えさせられる問題ではないものの、こちらも標準的なものを中心に十分に力をつけておきたい。
ただし、この2分野以外のいずれの分野も大切な内容であることは当然なので、どこから出されても対応できるような学力は必要である。
まとめ
合格するための学習法をまとめると
・「図形」全般など、出やすい分野に関しては徹底的に時間をかけ、得意とは言わずとも恐れることなく問題にあたれるようにしっかりとした準備をしておくこと。
・合格点の低いテストである。どれもこれも手をつけ、難易度の高い設問を深追いせずに自分の力にあった問題を見つけ、それで合格ラインを超えられるような確実性を身につけよう。
・基本的な力だけで満足することなく、少なくとも年内は難問にチャレンジする意欲を見せよう。決して無理な注文ではないはず!
2月校の併願として同校を受験する生徒が多数と思われるが、2月校と同じ程度の対策時間を作っておこう。2月校への訓練にも十分になる。
過去問に取りかかるのは秋からでよい。合格点を見据えて大いに奮闘してもらいたい。
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2019年度「立教新座中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
50分で大問数5は3年連続でと変わらず,設問数は25と1問だけ減った。
昨年度に引き続き、本年度の問題もその大半は標準的な難易度であり、かつてのような「難問が並ぶ立教新座」のイメージはさらに薄らいだと言える。算数の得意な生徒はかなりの高得点が望めることだろう。
受検者平均点から予測される本年度の合格点は50点くらいなのでそれほどの高いハードルとは感じられず、標準レベルの問題をそつなくこなせた受験生は合格を勝ち得たことだろう。
この水準であれば50分という時間の中で消化することも十分可能であり、しっかりと考えながら取り組めるものと思われる。
【大問1】計算・分数・食塩水・面積・立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
計算と小問集:
(1)は小数・分数・整数混合の四則計算で、とりたてて解き方に工夫が要るものではない。当節の受験生ならばすぐに「小数→分数」に直した上で「通分」さらに「約分」を駆使して解答に向かうと思うし、それが普通なのはもちろんだが、いつもその固定した解き方にこだわってしまうとときに回り道をしてしまうこともある。
たとえば、小数を分数にする、という作業一つでも時間を費やすものである。模試や本番ではあまり余裕はないかもしれないが自宅などで計算問題に取り組むときには「はたしてこの小数は分数に直して良いものかどうか」を検討してみるのも応用力をつける手かがりになると思う。
この問題で言えば、「0.05」は分数に直すともちろん 1/20 だしそれでよいのだが、その前の分数の和が「分母60」になることが見えているのであれば 3/60 とあえて既約分数ではない分数で表した方が作業の省略化につながる。
流れ作業的・機械的に計算を行っていると思考がなくなりかえって時間を要する作業を残すことがあることもある。余裕があるときには少し柔軟性を持って計算問題にも取り組むこと。
(2)は計算問題の延長線上にあるもので、①はそれこそ「分数のたし算→小数」しか手はないし、②は長い受験勉強の中で何度も何度も解いたことがある問題だろう。手際よくこなしたい。
(3)の食塩水も基本というよりは基礎的なもの。①は面積図(またはてんびん)を使って解く典型題。②は残った食塩の重さに着目して解くこれもおなじみの問題だ。
(4)は補助線をそれぞれ用いて解く面積の問題なのでほんの少し難易度が増す。
①は、影のついた部分の四角形を2等分して「底辺1.5cm、高さ6cm」の三角形2つとして求める。②もまた問題集などで見かけるタイプのもので、影のついた部分を等分して「底辺の比=面積比」の考え方を使う。答えが分数になるが迷うことはなかろう。
(5)は突然難度が飛躍的に上がる。本年度の問題中では1・2を争う設問だ。さいころの面にある「目」を丹念に追求していかなくてはいけない。これは作業が面倒だな、と思えば抜かしても良い。
【大問1】(1)~(4)は標準レベルなのでここは全問正解しておきたい。
【大問2】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
辺比と面積比
三角形において、高さが等しい図形ならば「底辺比=面積比」になる、ということを最後まで使って解いていけば(3)までは終わってしまうと言う典型的な問題でこれも学習した経験がほとんどの生徒にあるだろう。
設問の内容も標準的で差がつくとしたら(4)のみ。
(4)では分割した三角形を組み合わせて今度は底辺が等しい図形ならば「面積比=高さの比」を使う。しかしこの設問もまた多くの生徒が経験済みと思われる。
ここの設問はすべて正解としたい。ミスした生徒は即座に復習してマスターしてしまおう。
【大問3】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:8分
切断と体積・表面積
新座算数の中で最後の牙城とも言える「立体図形」の大問。問題が平易となった一昨年度・昨年度でも難度の高い問題が出題され、多くの受験生は解法することを避けて通った。しかるに今年の問題は…「難」から「やや難」「標準」を通り越して「易」の設問まで含むきわめて平凡な問題となっている。切断するとはいっても「切断」の「セ」程度の問題である。
(1)はB,M,Nを通る平面で切断するとDも通ることになるので切り口は「等脚台形」になる。
(2)は切り口を等脚台形とする「角すい台」の体積と表面積を求める内容がメインである。ただし、求めるのは角すい台を除いた方の体積・表面積なので作業はやや厄介だ。
角すい台の体積を求めるときはBM,DNを延長して大きな角すいを作りそれを利用する、という「昭和」の頃なら難問と呼ばれたかもしれない。しかし「昭和」も「平成」も終わり、「令和」の世では標準問題の域をまったく出ない典型題である。
(3)は2回目の切断が行われ、残った立体は複雑な形になる。残った立体の体積を切断面を底面として高さを求めればよいので聞かれたいることはそう難しくはない。ただ、出来不出来の差が分かれたことは確かだ。
【大問4】周期算
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
(1)の設問は時間をかけて書き込んでいけば求まるものの、この設問を解きながら次につながる規則性を見つけられるかどうかが後半の設問を解くカギとなる。
そういう意味では本年度の大問の中ではもっとも頭を使う問題になっている。
(1)では、 1 から 13 の和を12で割り、あまり7からGと求める。大変にスマートなとき方でまったく文句はない。しかし(2)のことを考えると、実は 1 ~ 13 のカードは図に書き込んでどの位置に置かれるか調べておいたほうが良いことがわかる。
(2)(1)で求めた 13 のカードより1つ手前の 12 ともう1つ前の 11 のカードの位置を考えると、12までを1つの周期としてカードが規則的に置かれていくことがわかる。(3)もまたこのきまりを使って解くのだが周期算としてはやや難度が高くなっている。
【大問5】速さと比
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
本来ならばダイヤグラムを書いて解く問題かもしれないが正確なグラフは本番中の時間では期待できない。線分図を使って解けるところまで解いていく方が現実的だ。
(1)では、問題文よりバスAが踏切で止まった時刻は8時4分48秒とわかる。したがって、駅から踏切までの距離③を4分48秒で走ったことになるから踏切から地点Pまでの距離④を走るのにかかる時間も求まり(6分24秒)、それが(1)の答え「8時11分24秒」となる。
(2)では、バスBが11分24秒かかった距離をバスAはどれだけかかるかを求めれば良いので、バスBの速さを3、バスAの速さを4として、3×11.4÷4=8.55より、バスAは8分33秒かかることがわかる。したがって、11分24秒+8分33秒より、8時19分57秒となる。ここまでは「速さと比」の関係を使えば良いだけで解けるのでぜひ正解しておきたい。
(3)はやや難度が上がる。バスBが踏切で待たされるかどうかを調べた上で答えを出していかなければならないからだ。また、踏切が何分から何分まで閉じているかも簡単な規則とはいえ考えておかなければならない。結論から言うと、バスBは踏切で4秒間だけ待たされるのでそこで細かい秒数はなくなり、そこから駅までかかる時間を(2)と同じように求めていく。
(4)は最後の設問らしく、きわめて高い難易度を誇っている。これは明らかに「捨て問」と処理しても良いので、残った時間は解けた問題の見直しにあてよう。
(3)まで解けていれば上出来だ。
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点。
これで4年連続、「図形」分野重視の問題構成となった。また、昨年度に続き,問題は全体に平易であり、【大問4】【大問5】の後半以外は「標準」または「それを下回る水準」の問題となった。
その割には受検者平均点は45.2点とさえない。かつての合格者が泣く。受験生はおおいに奮闘してもらいたい。
それとは別に合格と言うことを一義に考えると、この学校の倍率は2倍強なので,平均点をやや上回れば合格ラインに乗る。50点くらいか。
しかし本年度のテストなら最低でも60~70点は取れる力をつけて本番に臨みたい。
立教新座の算数を解けるようになるためには,
・塾の教材や市販の問題集などで,中~高程度の難易度を持つ問題に多く触れ,ねばり強く問題を解くこと。
・分野的には「平面・立体図形」を特に強化しておこう。
本年度の問題は昨年度に引き続き、難度の点で最も易しいものとなっている。来年度もこの傾向が続くかわからないが、オーソドックスな問題だけでなく、まさかの時のためにも「難問対策」も欠かさないようにしたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
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