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立教新座中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「立教新座中学校の算数」
攻略のための学習方法

1月下旬に実施される立教新座の入試は、1月男子校最後の1校として、2月の受験合否を占うという意味でも非常に大きな意味を持ち、第一志望とする生徒にも、2月校への力試しという位置づけの生徒にとっても失敗したくない・負けられないテストであることは間違いない。
受験生は多いものの合格者を多数出し(補欠も多く出す)、倍率は2倍前後と安定しているにもかかわらず合格するのは容易ではない。
それは受験生自体の水準が高いからである。中でも、算数は受験生にとって受験生活最後に屹立する大いなる壁と言っても過言ではない。
立教新座中学が開校したころの問題に比べるといくぶん内容も薄味になり、条件の複雑さも山を越えた感はあるが、それでも受験生にとって解きやすい問題とはとても言えない。それは例年の合格点の低さからよく分る。新座合格を勝ち得るためには、基本レベルを超え、応用力にまで踏み込んだ力がどうしても必要になる。
そのためには、早い時期に「解き方のベース」となるテキストに出題されている「例題・典型的問題」の解法に用いられる公式や解き方はすべてマスターしてしまうこと。
中堅校までの算数はこの段階でもはや完了していると言ってもよいが、新座の難問突破にはまだ入口に過ぎない。
その上で、頻出度は高くないが、さらに水準の高い公式・解き方などをひとつでも多く身につけておきたい。
「円の面積の求め方」=「半径×半径×円周率」が出てこない生徒はいないだろう。では、「円の面積=半径×弧の長さ÷2」はどうか?
また、「整数aと整数bの積は、(a・bの最小公倍数)×(a・bの最大公約数)と等しい」は?
他にもいくつもあるだろう。ただ一通りの解き方を手に入れただけでは学力としてはまだ十分とは言えないので、新しく登場した公式・解き方はどん欲に覚えておこう。

応用・発展問題

さらなる難題は、難問が解けるようになる、と言うことである。「基本的な問題なら解けるのだが、少し応用が入ると解けなくなってしまう」という悩みは多くの受験生が抱えていることと思われる。
新座の難問というのは突然新しい考え方を生み出さなければ解けない、というものではなく、以前より知っているはずの解き方・公式を使って解けるのだが、それが条件の複雑さなどによって発見しにくくなっているものが多い。
なんとか解き終るなり模範解答を見ると「なんだそういうことか」と分るけれどもなかなかそこに行き着かない場合である。これは同程度の問題を分量こなしていくことによって慣れてくるところがあるので、問題演習量によって克服したい。

分野別の対策

次は分野別に対策を施したい。
この5年間で特に採り上げられているのは「図形」分野である。本年度もテスト問題の半分が図形の問題であった。難易度はそれほど高くない(ただし【大問2】(3)・【大問3】(4)(5)は難問と言っても差し支えない)ものの、図形の出来いかんで合否が決まったことは間違いない。この傾向は固まったとみて良いので、図形における典型的問題はもちろんのこと、難易度のやや高い問題にも手が出るように仕上げておきたい。
また、本年度は影を潜めたものの「速さの問題」にも復活の兆しが見られる。複雑な条件を与えられ考えさせられる問題ではないものの、こちらも標準的なものを中心に十分に力をつけておきたい。
ただし、この2分野以外のいずれの分野も大切な内容であることは当然なので、どこから出されても対応できるような学力は必要である。

まとめ

合格するための学習法をまとめると
・「図形」全般など、出やすい分野に関しては徹底的に時間をかけ、得意とは言わずとも恐れることなく問題にあたれるようにしっかりとした準備をしておくこと。
・合格点の低いテストである。どれもこれも手をつけ、難易度の高い設問を深追いせずに自分の力にあった問題を見つけ、それで合格ラインを超えられるような確実性を身につけよう。
・基本的な力だけで満足することなく、少なくとも年内は難問にチャレンジする意欲を見せよう。決して無理な注文ではないはず!
2月校の併願として同校を受験する生徒が多数と思われるが、2月校と同じ程度の対策時間を作っておこう。2月校への訓練にも十分になる。
過去問に取りかかるのは秋からでよい。合格点を見据えて大いに奮闘してもらいたい。

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2020年度「立教新座中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問数5は4年連続で変わらず,設問数は25と昨年度と同じで、分量的には非常に安定している。
受験者平均点から予測される本年度の合格点は50点くらいなのでそれほどの高いハードルとは感じられず、標準レベルの設問をそつなくこなせた受験生は合格を勝ち得たことだろう。
この水準であれば50分という時間の中で消化することも十分可能であり、あわてずにじっくりと問題と対峙していけるものと思われる。

【大問1】計算と小問集

  • 難度:標準
  • 時間配分:16分
  • ★必答問題

(1)は小数・分数・整数混合の四則計算で、とりたてて解き方に工夫が要るものではない。
(2)は計算問題と言ってしまえばそれまでなのだが、例えば割る数の「2020」を素因数分解して倍数の問題としてとらえようとしても手間が省けるわけでもなく、結局は□に0~9の数字を当てはめて愚直に割り切れるものを探していくほかはない。これほど解き方は単純明快で、しかも手間がかかるという問題はそうないだろう。「9」から当てはめていった生徒は勝ち組になれた。
(3)は、「4日目に解いた問題数」を割合で表したときに、問題数が整数になるように工夫すると答えが求まるという、一昔前の立教新座中の算数に頻出した整数問題としてとらえることが出来る。もちろん解けなくてはいけない水準なのだがかつてはこういった問題がメインだったころもある。
(4)はおうぎ形のまわりを求める典型的な問題なので、正答はもちろんのこと手際の良さが要求される。直線になる部分はまとめて計算、弧の箇所も分配法則を使って円周率の計算は1度だけにとどめたい。こういうところで一つ一つ別個に計算し、あとになってテスト時間が不足したという受験生はひとえに努力不足である。
(5)【大問1】の中では最も難しく、最も面白い問題である。また、断面図をていねいに作成できるという作図力も求められる。
を解くためには、このおもりを入れることによって高くなった0.5cm分の水の体積と、水中にあるおもり体積が等しいという関係を使わなければならない。さいわい水の体積は簡単に求められるので、おもり全体の体積からその値をひけばの答えは求められる。こちらは必ず当てておきたい。
で求めたおもりの底面(直角三角形)と、おもり全体の底面が相似形になっていることから水面の高さを出していくことになる。そのとき、相似比ではなく、面積比を利用するので解き方には注意したい。が正解できるとテストのアドバンテージが取れる。

【大問2】平面図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

【大問1】の図形問題に続き、ここでも作図能力が求められ、ちゃんとした図(円Oの中心の軌跡)が書けないと1つの正解も得られなくなる。
(1)「2段」では、3つの円の中心を結んで正三角形をつくり、さらにその線を延長して「中心角120度の弧×3」になっていることをつかもう。作図する分だけ難易度は高くなっているがぜひ解けておきたいところ。
(2)「3段」では、円の数が6つになっていることから作図も複雑になり、結果として「中心角120度の弧×3+中心角60度の弧×3」となっていることがわかる。
(3)を読むと思わずのけぞる。いきなり「50段」ですと!かといって円を1275個書き出す生徒はいないと思うので、もう一つ図として与えられている「4段」を作図することによって、段が1つ増えると「中心角60度の弧」がいくつ増えるかという規則性をしっかりと捕まえよう。
「2段」のときは「3×0=0」、「3段」のときは「3×1=3」、「4段」のときは「3×2=6」となっているので、「50段」のときは「3×48=144」となることがわかる。残った計算の手間は(1)(2)とそう変わらない。
(3)のように、考えに考えたあげく正解できたときは実に気持ちの良いものだ。

【大問3】立体図形

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

【大問2】で行ったような図形の規則性を今度は立体図形でやってみようというのが【大問3】である。そして、全体の難易度としては「やや難」としたものの、設問によって難易度はかなり異なる。(1)(2)は「易」、(3)は「標準」、(4)は「やや難」、(5)は「難」で、(3)までは正解しておきたい。
受験生のころに立体を切り抜いた図形の体積や表面積は山ほど演習しているだろうから解き方では苦労しないだろう。立方体を三角柱や円柱でくりぬいた立体よりはよほど簡単である。ただし(4)(5)のような問われ方はあまりされないので苦労するところ。イヤだな、と強く感じたときは後回しにしても良い。

【大問4】ニュートン算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

本年度最も差が開いたと考えられるのはこのニュートン算である。いわゆる型にはまったニュートン算とはやや異なるタイプだし、ニュートン算の特徴である、はじめの(1)が解けるまでが勝負で、ここが求まればあとはすんなり解けていくという、「全か無か」的な点数になりがちな問題なのだ。
ここでは線分図や面積図を使った典型的な解法よりも、一人1日の作業量と入荷されるおもちゃの個数を□またはなどとして立式による解法がもっとスマートであった。
ニュートン算が大問として出題されるのは立教新座中としては珍しい。対策の隙間を突かれたようなところがあったが、やはりどの分野もまんべんなくという教訓を得ることも出来る。

【大問5】つるかめ算・条件整理

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

最後の大問は既視感が強く、個性的な問題とは言えないものの(2)の条件整理はかなり作業が細かく、1カ所数値を誤ると連鎖的に答えが違ってくると言うこわい問題になっている。
(1)は2年くらい前から何度も解いてきたつるかめ算の応用で、計算もさほど面倒くさくない。
(2)(1)に付随してくる設問だが、テストの問題数が4問あり、配点も異なるのでありがちな「テストの問題数が3問」に比べると段違いに表の分析が複雑になる。得点の取り方が複数になるところが5カ所あり、それを問題文を読みながらていねいに1つずつまとめたり、減らしていかなくてはならない。しかし、まで解き終えたときの爽快感は格別のものがある。すっきりした気持ちで見直しを始めよう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
これで5年連続、「図形」分野重視の問題構成となった。また、こちらも3年連続、問題は全体に標準的であり、【大問3】・【大問5】の後半以外は「標準」で、超難問は1つもなかった。
その割には受検者平均点は43.3点と昨年度を下回り、少しふがいなさを感じる次第だ。受験生はおおいに奮闘してもらいたい。
それとは別に合格と言うことを一義に考えると、この学校の倍率は2倍強なので,平均点をやや上回れば合格ラインに乗る。50点くらいというところ。
しかし本年度のテストなら最低でも60~70点は取れる力をつけて本番に臨みたい。
立教新座の算数を解けるようになるためには,
・塾の教材や市販の問題集などで,中~高程度の難易度を持つ問題に多く触れ,ねばり強く問題を解くこと。
・分野的には「平面・立体図形」を特に強化しておこう。
ここ数年間は標準的な問題を中心とした構成となっていて、来年度もこの傾向が続くかわからないが、オーソドックスな問題だけでなく、まさかの時のためにも「難問対策」も欠かさないようにしたい。

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