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立教新座中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「立教新座中学校の算数」
攻略のための学習方法

1月下旬に実施される立教新座の入試は、1月男子校最後の1校として、2月の受験合否を占うという意味でも非常に大きな意味を持ち、第一志望とする生徒にも、2月校への力試しという位置づけの生徒にとっても失敗したくない・負けられないテストであることは間違いない。
 受験生は多いものの合格者を多数出し(補欠も多く出す)、倍率は2倍前後と安定しているにもかかわらず合格するのは容易ではない。
 それは受験生自体の水準が高いからである。中でも、算数は受験生にとって受験生活最後に屹立する大いなる壁と言っても過言ではない。
 立教新座中学が開校したころの問題に比べるといくぶん内容も薄味になり、条件の複雑さも山を越えた感はあるが、それでも受験生にとって解きやすい問題とはとても言えない。それは例年の合格点の低さからよく分る。新座合格を勝ち得るためには、基本レベルを超え、応用力にまで踏み込んだ力がどうしても必要になる
 そのためには、早い時期に「解き方のベース」となるテキストに出題されている「例題・典型的問題」の解法に用いられる公式や解き方はすべてマスターしてしまうこと
 中堅校までの算数はこの段階でもはや完了していると言ってもよいが、新座の難問突破にはまだ入口に過ぎない。
 その上で、頻出度は高くないが、さらに水準の高い公式・解き方などをひとつでも多く身につけておきたい。
 「円の面積の求め方」=「半径×半径×円周率」が出てこない生徒はいないだろう。では、「円の面積=半径×弧の長さ÷2」はどうか?
 また、「整数aと整数bの積は、(a・bの最小公倍数)×(a・bの最大公約数)と等しい」は?
 他にもいくつもあるだろう。ただ一通りの解き方を手に入れただけでは学力としてはまだ十分とは言えないので、新しく登場した公式・解き方はどん欲に覚えておこう。

[応用・発展問題]

 さらなる難題は、難問が解けるようになる、と言うことである。
 「基本的な問題なら解けるのだが、少し応用が入ると解けなくなってしまう」という悩みは多くの受験生が抱えていることと思われる。
 新座の難問というのは突然新しい考え方を生み出さなければ解けない、というものではなく、以前より知っているはずの解き方・公式を使って解けるのだが、それが条件の複雑さなどによって発見しにくくなっているものが多い
 なんとか解き終るなり模範解答を見ると「なんだそういうことか」と分るけれどもなかなかそこに行き着かない場合である。これは同程度の問題を分量こなしていくことによって慣れてくるところがあるので、問題演習量によって克服したい。

[分野別の対策]

 次は分野別に対策を施したい。

この7年間で特に採り上げられているのは「図形」分野である。本年度もテスト問題の半分が図形の問題であった。難易度はそれほど高くないものの、図形の出来いかんで合否が決まったことは間違いない。この傾向は固まったとみて良いので、図形における典型的問題はもちろんのこと、難易度のやや高い問題にも手が出るように仕上げておきたい。
 また、本年度は影を潜めたものの「速さの問題」にも復活の兆しが見られる。複雑な条件を与えられ考えさせられる問題ではないものの、こちらも標準的なものを中心に十分に力をつけておきたい。
 ただし、この2分野以外のいずれの分野も大切な内容であることは当然なので、どこから出されても対応できるような学力は必要である。

[まとめ]

 合格するための学習法をまとめると
 ・「図形」全般など、出やすい分野に関しては徹底的に時間をかけ、得意とは言わずとも恐れることなく問題にあたれるようにしっかりとした準備をしておくこと
 ・合格点の低いテストである。どれもこれも手をつけ、難易度の高い設問を深追いせずに自分の力にあった問題を見つけ、それで合格ラインを超えられるような確実性を身につけよう
 ・基本的な力だけで満足することなく、少なくとも年内は難問にチャレンジする意欲を見せよう。決して無理な注文ではないはず!
 2月校の併願として同校を受験する生徒が多数と思われるが、2月校と同じ程度の対策時間を作っておこう。2月校への訓練にも十分になる。
 過去問に取りかかるのは秋からでよい。合格点を見据えて大いに奮闘してもらいたい。

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2022年度「立教新座中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問数5は5年連続で変わらず,設問数は23と昨年度より1問減っただけで、分量的には非常に安定している。
受験者平均点(38.3点)から予測される本年度の合格確実ラインは45~50点くらいなのでそれほどの高いハードルとは感じられず、標準レベルの設問をそつなくこなせた受験生は合格を勝ち得たことだろう。
本年度は格別に質の高い設問が少なかったものの、例年は後半の大問に難易度が高い設問がいくつか含まれる場合が多いので、自分の力に合わせて取捨選択し、そつなく点数をかせぐという姿勢が大切である。

【大問1】計算・比・数の性質・平面図形の面積・回転体

  • 難度:標準
  • 時間配分:18分
  • ★必答問題

(1)はお定まりの小数・分数混合の四則計算で、「小数を分数に直す・計算の順番に注意する」ことに気をつけて取りかかろう。

(2)はかつて、立教新座中算数の中核をしめていた問題の1つで、比がいくつも出てくるので倍数算かそれとも表にまとめて比1あたりを統一するか、と頭が働くわけであるがこれは「整数問題」で、問題文の条件から比1つあたりのメダルの個数を決めていくという問題。これは当然メダルの個数が整数であるがもとにある。例えば、Aオリンピックでは銅メダルの個数が14個で最もおおく、とあるのでAオリンピックの金メダルの個数はA:B=5:3より、金メダルの個数は5個か10個に決まる。とそれぞれに対応するB

オリンピックの金メダルの個数も限られていく、その中でちょうど条件にあてはまる数値を探していくという進め方で、ずいぶん前の過去問には頻出だった分野である。ここを倍数算的アプローチを試みた生徒は時間を食ってしまったかもしれない。いずれにしても(2)は時間を使う問題ではある。
(3)は数の性質の典型題でほとんど問題らしきところは見当たらない。この手の問題に受験当日まで遭遇したことのなかった生徒ははっきり言って演習不足。3つの数の差をとって(2つとればよいが)、その差の最大公約数が整数Aとなる。
(4)はまだしもは苦労したかもしれない。
は正方形の面積から円の面積をひけば良い。正方形はななめに傾いているものの、円の半径が5cmと読み取れれば正方形の1辺はその2倍の10cmとわかる。
はどのように図形を分割できるか、で勝負が決まる。下半分は直線だけの図形なので問題はない。上半分の「R」の曲線部を含む箇所を「半円(半径5cm)+直角三角形-小さな半円(半径2cm)」と分けられたかどうか、である。あとは円周率の計算をまとめてするなど無駄に時間を費やさないようにすれば良い。ここは失点した生徒が多かったと思われる。
(5)は等積移動と回転体の問題。
ここもは平易に一言に尽きる。影のついた部分を直角二等辺三角形にまとめれば良い。
ポイントはで、で等積移動した形のまま回転しても体積はもとの図形と変わらないのでそのまままわして「円すい-2つの小さな円すい」で体積は決まる。等積移動した後だと変わってしまうのは表面積の方であり、ここは気づいたもの勝ちという設問だった。
いくつか平易なものが見られたもののレベルは例年並みなので、ミスは1つか2つにとどめよう。

【大問2】平面図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

この問題は設問の質がどうのこうの、と言う前に平面図形と比の問題として良問なので、解けた生徒はよいとして解けなかった生徒は特にしっかりと復習しておきたい。
【大問1】に引き続き辺比が「3:4:5」の直角三角形が問題にからんでいる。
(1)は全体の面積が与えられているので、四角形EFHIが三角形ABCの何分のいくつという分数か比にまとめて求めれば良い。いずれにしても、三角形AFIの割合から三角形AEHの割合をひくことで分数なり比なりが求められる。
(2)もその延長線上の設問で、三角形DEHの割合(三角形AEHの2分の1)と三角形FGI(三角形AGIの4分の1)を割合の状態でたすかまたはそれぞれ面積を求めれば良い。
(3)ではFMMIを補助線で結んだ上で、今度は三角形FMIの割合を求めていく。こちらは三角形ABC(全体)から、三角形AFI、三角形BMF、三角形CMIの割合をひくことでFMIの正体が分かる。これも解き方としては身についていると思われるものである。
(4)FHを結びPを確定した上で、AP:PMを求めていく。AMの長さは12cmである。ここでは三角形AFHと三角形FMHの面積比がそのままAP:PMになることを使う(高さが等しいので、面積比=底辺比)。
(1)(2)は似ているが(3)(4)と解き方が異なるなど相似形ではない、平面図形と比の問題としてはちょうど具合の良い難易度を持った良問であると感じられた。

【大問3】水そうの問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

引き続き図形の問題で、直方体の水そうが使われるので立体図形の問題である。グラフなどは与えられていないので、与えられた見取り図をもとに横から見た水そうの図を自分で書き、問題の進度に合わせてその状態を可視的に把握できるかが大切な問題。問われていることは標準レベルの域を出ないものの作図が苦手な生徒は最後まで問題を追い切れなかったのではないかと思う。
(1)は「易」レベルで、アの水が入っていなかった体積(1cm分)とイの水が入ってきた体積(2cm分)を加えれば良い。
(2)(1)の石をいれたまま設問が続いていくところが面白い。今度はの方のみに注目で、水の深さよりも確実に長いおもりを沈めてその体積を求めるという問題。(1)から上手い具合に難易度がスライドしている。今度はおもり全体が水に沈むことはないので、深さ6cmの水の深さがおもりを入れることで8cmになったことから、変わらない水の体積を使い、おもりの底面積を求めていけば良い。
(3)は石もおもりも入った状態から水を入れていくと25分で満水になったという展開。水そうの水の入っていない部分を求めて25で割ればよいのだが、仕切りの高さ10cmを超えたところでもおもりの底面積が全体をせばめていることに注意しなくてはならない。
(4)は今までの条件をクリアした上で、満水にした水そうを45°傾けて残った水の体積を求めるという問題。この問いも聞いたことがあるだろう。過去問などの模範解答を見るときれいに45°傾いた水そうの図などが提示してあるはずだがそんなにきれいな図は書けるものではない。ここでは、水そうはそのままベタッと下につけたまま、水面だけを45°傾けた図を書けば良い。底面が直角二等辺三角形の三角柱が1つと直角二等辺三角形+長方形の四角柱が1つ、それこそきれいに残るはずである。
(4)の是非で点差がついた気がする。(3)までは確実に正解したい。

【大問4】仕事算

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

仕事算とは言うものの、いわゆる典型的な出題ではなくて、消去算をまじえた仕事算になっているので本年度の平均点の低さはひとえにこの問題の不出来っぷりに負うものではないかと思われる。(1)を誤るとすべて不正解になってしまう。
(1)~(3)仕事の全体量をたとえば60(60分と30分と20分の最小公倍数)として、与えられた条件をそれぞれ3つの式にまとめると、1年・2年・3年の仕事量が式の加減などで求められるはずである。あとは設問の指示に合わせて解答欄に書き込んでいけば良い。
(4)はここまでで求められたものをすべて駆使した上で、3つのわからないものを面積図で表し、「いもづる算」「不定方程式」などと言われている解き方に持ち込む必要がある。1年生の人数が奇数というのが最後に答えをしぼりこむときの決め手となるが、時間を要する問いなので(3)までで「良し」とするのも現実的な選択である。

【大問5】場合の数

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

最後は書かれている条件に合わせて整数の式を作り、その値や式の数を調べるという場合の数になっている。(4)まで設問は続くが深追いはせずに(2)(3)でとどめておくのも良い。ただし、他の問題に自信があれば…の話になるが。
(1)は最も大きくなる数なので符号は「×」を選び、あとは2桁の十の位か1桁の一の位どちらに「9」をおけば大きくなるだろうか、という基礎的な問いである。
(2)は「97」が素数であるところから「×」や「÷」は使わないだろう、と先走ると思わずひっかかってしまう問題。「×1」、「÷1」を忘れないように。
(3)「48」は約数が豊富にある数なので(2)よりは場合の数が多そうである。が、1から9を一度しか使えないので慎重に調べていくと十分に数え上げられる答えであることが分かる。
(4)「3桁で5の倍数」ということから、作り出す2つの整数のうち、いずれかの1の位は5できまる(0はないから)。ただし、2×5=0など、計算式の結果には0もあり得るので(3)以上に事細かな場合分けが必要となる。「-」と「÷」はないものの(3桁だから)時間がかかることだけは覚悟しておいた方が良い。覚悟が決まらない生徒は【大問1】にもどって答えの見直しにかかろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
これで7年連続「図形」分野重視の問題構成となった。また、こちらは5年連続、問題は「全体に標準的」であり、特に本年度は【大問5】(3)(4)に難度が感じられた程度だった。
その割には受験者平均点は38.3点と昨年度を下回り、標準的には見えても受験生にとっては解きにくい問題が多かったのだろう。
それとは別に合格と言うことを一義に考えると、この学校の倍率は2倍強なので,平均点をやや上回れば合格ラインに乗る。これは例年をやや下回り45点くらいというところ。
しかし本年度クラスのテストなら最低でも60~70点台は取れる力をつけて本番に臨みたい。

立教新座の算数を解けるようになるためには,
・塾の教材や市販の問題集などで,中~高程度の難易度を持つ問題に多く触れ,ねばり強く問題を解くこと。
分野的には「平面・立体図形」を特に強化しておこう。
ここ数年間は標準的な問題を中心とした構成となっていて、来年度もこの傾向は続くだろう。しかし、オーソドックスな問題だけでなく、まさかの時のためにも「難問対策」も平行して行っておきたい。

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