大問１の10問で約40点という配点であると推定される。また、4科合格最低点×算数の受験者平均÷4科受験者平均によって求まる得点が40点であることと、全体を通じて比較的解き易い問題が大問１に集結していることを考えると、本大問でいかに失点を防ぐか、ということが合格を得る上でとても重要と思われる。見直しを入念に行い、是非高得点を狙いたいところだ。　

(1) 整数・小数・分数、（　）・{　}の入り混じった四則混合計算。計算順序を正しく適用したい。また、0.125 = という変換を即座に行えるようにしておきたい。

(2) 仕事算2問。標準的な難易度だから確実に正答したい。②は定番の鶴亀算との融合題。時間の単位変換ミスに注意したい。

(3) 和と差に関する文章題。文章の内容を式の形に整理できると良い。消去算に関する解法も使いこなせる必要がある。

(4) 角度に関する問題。定番ではあるが同様の問題を解いた経験が無いと厳しいかもしれない。29と16の和の値に着目すると良い。

(5) 回転体に関する求積問題。円錐台の体積、表面積を求められれば良い。相似比と体積比の関係、母線と底面の半径を使って円錐の側面積を求める方法を理解していれば正答しやすい。

(6) 公倍数に関する問題。ベン図に整理できると良い。②は解法が思いつかない場合は後に回すかパスするのが得策だろう。①を、ベン図を用いて解いた人であれば、②の解法の指針が見つけやすいと思われる。

計3問の出題。全体を通じて売り上げや利益と言った用語が表すものを正確に把握することが重要。国語的能力が大きく関わると言っても良い内容だろう。

(1) 確実に得点したい。基本的な鶴亀算と言ったところだろう。

(2)(3) この問題で正答を得るためには次の２点が重要だろう。１点目は、「一個当たりの利益」と「1000個の製品が全て売れた、または一部を不良品として扱われ他はすべて売れた後の、全体の利益」の区別だ。２点目は、一個の製品が不良品として扱われた場合に下がる利益を正しく把握することだ。同様の問題を通じて、納得できるまで思考する経験が欲しいところだ。

三角形を三つの頂点それぞれを中心として回転させたときにできる図形についての問題。件の図を自分で紙に描ける、または脳内に想起できることが正答するための条件と言えるだろう。

(1) 確実に得点したい。序文に書かれた内容をもとに正しく作図または想起することが重要。

(2) こちらも是非得点したい。本問の文に書かれた内容を正しく作図しておけば、定番の内容であることに気づき易いだろう。なお、(1)が解けていなくても正解できる。

(3) 定番ではあるが、経験が無いと厳しいかもしれない。中心から最も離れた点と最も近い点に着目できれば良い。(1)で求めた面積を活用する。

三角錐に光を当てたときにできる影についての問題。大問３同様、作図の能力が問われる内容と言って良い。

(1) 確実に正解したい。

(2)(3) この2問も是非正解したい。どの角度から見た様子を考えると良いか、正しく見極めることが重要。それさえできれば、相似の基本問題だろう。

(4) 中級者以上向け。前の2問と同様の見極めを行う必要があるが、複数の視点からの様子および壁にできる影について検討しなければならない。その一つ一つは決して難解という訳ではないが、順序良く正確に検討する必要がある。経験値がものを言うだろう。少し作図を行ってみて、解けそうと思えなければ長居しない方が得策。

整数および割り算に関する問題。図に表すことが難しく、考え辛く感じる人が多いと思われる内容。普段、整数に関する問題に積極的に対峙してきた人に有利かと思われる。与えられた条件をもとに、考えるべき対象の量を少なくすることがコツである。また、あまり考えすぎずに、書かれている内容をいくつかの数字を使って実験してみることも重要である。中～上級者向けと思われる内容であるから、何も思い浮かばなければ他に時間を回した方が良い。

(1) 実験してみた人はあっさり正解できるかもしれない。Aが1000以下にしかならないすなわち1001以上のAは作りようがないことに気づけると良い。割る数について言えることを考えると良い。

(2) やや上級者向けだろう。(1)同様、割る数をもとに調べていくのが得策。

(3)～(5) (2)より解き易いかもしれないが中級者以上向けであることにかわりはない。割る数の範囲を絞れると良い。(4)(5)はある程度の調べ作業が必要。道筋が見えた人なら、さほどの労力ではないはず。