立教新座中学校 入試対策
2024年度「立教新座中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題形式]
2016年度に解答の形式が大きく変わって以降、選択式問題と適語記入問題が大半を占める形式となった。ここに1~2問の短文記述が加わることが多い。
2016年度では選択式28問・語句記入13問、2021年度では選択式16問・語句記入27問といったように、年度により構成の割合を変えてきているようである。地名などはやはり適語記入が多くなっている。
このように、ここ数年は意図的に形式を変えているようなので、この点についてあまり気にしてもしかたないかもしれない。
なお、2017年度では出題されなかった1行程度の説明記述は、2022~2024年度では出されて、2020・2021年度では出されなかった。30分という試験時間はやはり少ないので、速さも必要である。
[地理分野]
大問は2~3つで、それぞれ地理・歴史・政治と分かれているが、過去にはそれらが融合した問題も出されている。
例年、地理分野は地図や図表を用いて地名・地形・気候・産業について幅広く出題されているが、2017年度のように資料が用いられなかった年度もある。いずれにしても訊かれている内容に大きな変化はなく、日本地理全体の基礎的内容が問われている。
新幹線の路線別輸送量の表など、普段見慣れない表が使われ多年度もあったが、細部に踏み込んだマニアックな設問はほぼ見られない。
したがって対策は今まで通り、まずは基本事項を覚える、そして地図やグラフを常に参照しながら白地図等でまとめて確認し、資料集で新しい統計を頭に入れて全体を結びつけていく……という地理の勉強の王道となろう。
特に日本地図は飽きるくらい眺めて脳に取り込んでしまいたい。選択式になったとはいえ、これまで同様、正確な知識が必要であることは当然である。
[歴史分野]
歴史分野はあるテーマをもとに様々な時代の政治・文化について訊かれている。ここも地理と同様、極端な難問は出されていない。
ただし、時代や年号があやふやだと答えられない問題が多いので、人物・出来事の基本事項とその関連事項について年表などを使って時代・年代ごとに統合して覚えるのが肝要である。記述は当然、漢字で書けるようにしておく。
[政治分野]
政治分野は例年、憲法・三権の仕組み・国際連合などについて出題されているが、日本国憲法や政治のしくみに関する問題が頻出傾向なので、特に力を入れて理解しておいた方がよい。
[過去問演習]
前年と少し出題の形が変わることが多いが、戸惑わないようにしたい。形は変わっても、内容や難易度が大きく変わるわけではない。選択肢の細部によく注意してヒントや問題点を見逃さないように、用語を漢字で書けるように、例年通りに意識して練習しよう。
似た形式の問題が出る、例えば城北中学校などは受験難易度を考えても併願校として考えやすいので、城北の過去問で練習するのもいいかもしれない。とは言うものの……。
過去問を遡って見てみると、立教新座という学校は、試験がワンパターンにならないように毎年工夫している。地図の読み取りが集中して出されたり、リード文が会話形式になっている年度があったりと、バラエティに富んでいる。しかし、出題の範囲や難易度はほぼ一定で推移しているので、あまり問題の形式に神経質にならない方が良いかも知れない。来年度はまた元に戻してくる可能性だってゼロではないのである。
中学入試の典型的な問題も多いので、ミスの無いよう、問題集で練習を重ねて確実に得点できるようにしておく。その上で、テキスト以外の教材も活用して、断片的な知識をまとめて、すらすら思い出せるようにしておく。例年はよく出題されている1~2行で答える記述問題なども、覚えた知識を利用してその一歩先を自分で考えなければならない問題になっていることもある。しっかり身につけた知識でないととっさに活用できない。
自分が勉強してきた範囲全般にわたっての確実な知識を持つ。環境問題・時事問題にも対応できるように、新聞やニュースにも興味を持って目を向ける。そのようにして偏りのない総合的な実力を持たないと、合格ラインにはなかなか届かないであろう。
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2024年度「立教新座中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は36問。2024年度は全体的に適語記入が多かった。記述問題は1行のものが2問出された。試験時間は30分。知識があれば答えられる問題が多いので、テンポよく解いていける。ただし、設問の文が詳しく長い傾向にあるので、全体の文量は多めになっている。読むスピードは速い方が良い。
できる問題を確実に取るために、ひととおりすべての問題に目を通せるようにペース配分を掴んでおきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
県境を題材に、各地の地形や特徴について訊かれている。
問1 北海道と青森県の間の海峡は津軽海峡。
問2 信濃川は長野県の東部と新潟県のほぼ中心付近を通るように流れており、県境からは離れている。
問3 北上高地は岩手県のほぼ中央を南北に走っており、県境にはなっていない。
問4 十和田湖の中央やや西よりに青森県と秋田県の県境が通っている。
問5 ロッキー山脈はカナダとアメリカの国境を南北に横切るように走っており、国境とはなっていない。
問6 河川は洪水や長年の浸食などでその流路が変わってしまうことがある。
問7 ア・イでは接する県が多いイが群馬県、アが栃木県。ウ・エでは8つの県に接しているエが長野県、ウが山梨県。オは滋賀県である。
(1) 群馬県・長野県と接するもう一つの県は新潟県。
(2) 新潟県の特徴なので②が当てはまる。
(3) 岐阜県・滋賀県・奈良県と接するのは三重県
(4) 三重県四日市市では工場から排出された亜硫酸ガスによりぜんそくの公害病が発生した(四日市ぜんそく)。
(5) 冒頭参照。
問8 エクアドルは南米大陸の西端に位置し、西側が海に面している。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
東日本の歴史を中心に、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 ブナ科の植物からはドングリやトチの実などが取れ、縄文時代には貴重な食物となっていた。
問2 (1) 大海人皇子(天武天皇)の皇后で、のちに即位したのは持統天皇。
(2) 防人
問3 (1) シャクシャイン・コシャマイン・オニビシはずっと後の時代の人物である。
(2) 前九年の役
問4 新皇
問5 (1) ④源義仲の入京(1183年)→③平氏滅亡(1185年3月)→①守護・地頭の設置(1185年11月)→②源頼朝が征夷大将軍に(1192年)
(2) 第三代執権 北条泰時
問6 (1) 日本橋
(2) 昌平坂学問所
問7 足尾と別子は銅山、生野と石見は銀山である。
問8 (1) 江戸城
(2) 日本初の鉄道開通は新橋――横浜間。
問9 (1) ラクスマン
(2) 樺太(サハリン)
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
男女平等な社会を話題に、国際関係や政治のしくみについて訊かれている。
問1 インタビューは、取材相手に取材の意図や発表の仕方などを説明し、対話の内容に一切の改変を加えず、双方のチェックの下で合意が得られた場合だけ公開されるのが原則である。①・②・③の対応はふさわしくない。
問2 1973年には消費税が導入されていないことから、④のグラフを選べる。
問3 (1) 女子差別撤廃条約は1979年の国連総会で採択された。
(2) 憲法第24条では「家庭生活における個人の尊厳と両性の平等」について規定されている。
問4 (1) 両議院で採決が異なった場合は各議院の代表者で話し合う両院協議会が開かれ、意見の調整が行われる。
(2) X. 地方裁判所 Y. 三審制度 Z. 控訴
問5 下線部では、会社の規模の大小による取得率の違いが言及されているので、グラフ①が役に立つ。
攻略のポイント
年度により出題傾向が多少変化する。なるべく多くの過去問をこなして、いろいろなパターンの年度を経験しておこう。文章量も多めである点、意識しておく。内容については、中学入試の社会で出される典型的な問題が多いので、まずは基本事項を着実に覚える。そこから、テキスト以外の教材も活用し、その事項に関連した細かい部分まで一緒にまとめておく。
全く見たこともないような問題は少ないので、難問の練習に時間をまわす必要はない。うろ覚えでない、確実な知識を身につけておきたい。
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