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立教女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「立教女学院中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

論説文(随筆)と物語文の2題が定形となっている。文量は計6000~8000字ほど。解答数は20問前後と少なめである。
記号選択・書き抜き・記述とバランスよく出題されている。記述問題は字数指定の無い、100字超の字数のものが、論説文・物語文で各1題ずつ出されるのが特徴的である。
その他、漢字の読み書きが7~8問、ことばの知識が数問出題されている。

長文読解

論説文・物語文ともに、無理に難解な素材文は使われていない。小・中学生を対象とした説明や年齢の近い主人公の話など、小学六年生が理解・共感しやすい文章が多い。
難問集などをこなす必要はないので、読解問題の基本的な技術を身につけていけば良い。

つまり……論説文であれば、段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかにとらえておく。各段落の最初と最後に注意して、要点をマークする。傍線や矢印などで目立つようにしておき、関連する箇所を結んでおく。全体を見渡して要旨を読み取る。最後の結論部分は特に大事である。

物語文であれば、場面分け。時間・場所・登場人物の移動などに着目し、場面の変わり目を確認しておく。人物の言動や情景などに注意し心情を考える。性格が違えば物事に対する反応も異なるので、どんな人柄なのかは大事である。最終的に、だれのどんな気持ちを描いた話なのか、主題を考える……といったことである。

書き抜き・記述

書き抜き問題は親切に作られている。「何のためですか」・「どのような考え方ですか」と訊かれたら、「~ため」・「~考え方」と書かれた部分が文中にあるので、答えを見つけやすい場合が多くなっているのである。
また、「文章をふまえて自分で考えて書きなさい」という問いもあるが、その場合は文中に適切な箇所があるものの、そのまま使ってはいけないので自分の言葉で言い換えたりすればよいということになる。
得点源にしやすい問題なので、書き抜き問題を多くこなして得意になっておくと良い。

記述問題は字数指定が無い。解答欄の大きさから考えて100字超ほどでまとめることを想定しているようである。字数の多さに腰が引けそうにもなるが、設問で「文章中の表現を用いて」と指定される場合が多い。つまり、文中の適切な部分を抜き出して使って良いのである。
ただし100字超ともなると抜き出す要素は4~5つほども必要になり、まとめるのにも時間がかかる。難易度自体はさほど高くはないので、類似問題で100字超という字数のまとめ方に十分慣れておきたい。
普段から、読んだ文章を100字程度で要約する練習をしておけば、対策にもなるし読解力アップにもつながるので、ぜひ実行してみることをお薦めする。

漢字・その他

漢字はそれほど難しい問題は出ていない。標準~中級レベルの漢字をしっかり練習しておこう。ことばの知識も数問出されることがある。
語彙は読解力にもつながるので少しでも増やす努力を。

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2024年度「立教女学院中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

最新年度では論説的随筆文約3000字・物語文約5000字の計800字ほどになっている。

総解答数は19問と少ないが、長文記述2題はやはり時間がかかる。記述で使えそうな部分をマークしておいてとにかく最後まで解き進め、残りの時間で落ち着いて記述問題に取り組もう。記述2問に12~14分程度は使えるようにペース配分を考えたい。

【大問一】論説的随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

集団でいることの危険を指摘し、個人として考え感じることの重要性を説いている。

問一 ① 観光客   防衛策   頂点   急激

問二 集団的思考の行きつく先として、集団の最大の失敗は「戦争と虐殺」だと述べられている。

問三 地球温暖化を例にとって、ある引き返せないポイントを過ぎて、取り返しがつかない事態になってから「なぜあのときにもっと真剣に対処しなかったのか」と後悔することになるという説明がなされている箇所が、傍線部2の具体例になっている。

問四 理由を「集団の一部になっているから・一人称単数の主語を失っているから」と述べている。個人としてはおかしいと感じることも、集団の中にいると周囲に取り込まれておかしいと感じられなくなってしまうという集団心理の恐ろしさがあるのである。

問五 後悔の念を表す動きであるから「天をあお(仰)ぐ」がよい。

問六 集団的意識から逃れて自分自身の感じ方・考え方に立脚した言動をすることで、集団のせいではなく、自分の責任として返ってくるということを「フィードバック」と表現したのだと考えられる。

問七 中国人留学生が言いたかったのは、日本を好きな人もいれば嫌いな人もいて、個人個人にそれぞれの考えがあり、「中国人」や「中国」などと集団でひとまとめに考えないで欲しいということであろう。「私は」「僕は」という一人称単数の主語を主体として考えることで、全体に取り込まれがちな集団意識のようなものから離れて、「世界は単純ではない」「多面で多量で重層的だ」「だからこそ豊かで優しい」のだということに気づけるのだと、筆者は言いたいのである。

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:22分

男子でありながらケーキ作りが好きであることで周囲から勝手なイメージを押しつけられていた主人公。おなじ窮屈さを感じていた祇園寺と触れ合うことで、押さえていた意識が解放され、自分を失わないために強い意志を持って戦おうと決意する。

問一 ① けわ(しさ)    胸    断(り)   吸(いこみ)

問二 「女らしさ」にとらわれたくないと思っていたら、「ボーイッシュな女らしさ」という別の「らしさ」にとらわれてしまい、「本末転倒」な事態になっているわけである。

問三 祇園寺の思いつめた表情での話を主人公は「神聖なもの」と感じている。

問四 女らしさにとらわれたくないと思うあまり、おいしいもののおいしいとも言えず隠れて食べている自分を客観的に見て、自らを腹立たしく(=むかつく)情けなく(=ばかみたい)思っている。

問五 とくにどういう意味でこわいのかということについて、「無理して男子ぶっている女の子」と見られるのがほんとうにいやだと祇園寺は述べている。

問六 自分と同じような経験をしている祇園寺と話をして、主人公は強い共感を覚えた。素のままの自分でいたいのに勝手にイメージを押しつけられて型にはめたような扱いをされることにつらさを感じていたが、帰り道で知り合いの女子たちにからかわれたときに主人公は我慢の限界に達し、はっきり意思表示をしようと決意した。ありのままの自分を守り自分らしく生きていくために、他人からの勝手な押し付けを拒否し、戦うために強くならなければならないと、意を強くしている。

攻略のポイント

高い偏差値からすると問題自体の難易度はさほど高くはなく、合格者平均点も90点満点中、約8割にも達する場合がある。しかし、年度によりばらつきがあるので、毎年この難易度であるとは限らない。

できるだけ多くの過去問をこなし、難しい問題にも慣れておくこと

100字超の記述問題には対策が必要だが、全体的に意地悪な難しさの試験ではないので、無理に難問で練習しなくても良い。得点しやすい問題も多いので、とにかく最後まで一通り手を付けるスピードをつけ、記述問題をまったくの空欄にせず、必要最低限の字数(できれば9割)まで書いて部分点を取れるよう、こつをつかんでおきたい

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