立教女学院中学校 入試対策
2017年度「立教女学院中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
論説文(随筆)と物語文の2題が定形となっている。文量は計6000~8000字ほど。解答数は20問前後と少なめである。
記号選択・書き抜き・記述とバランスよく出題されている。記述問題は字数指定の無い、100字超の字数のものが、論説文・物語文で各1題ずつ出されるのが特徴的である。
その他、漢字の読み書きが7~8問、ことばの知識が数問出題されている。
長文読解
論説文・物語文ともに、無理に難解な素材文は使われていない。小・中学生を対象とした説明や年齢の近い主人公の話など、小学六年生が理解・共感しやすい文章が多い。
難問集などをこなす必要はないので、読解問題の基本的な技術を身につけていけば良い。
つまり……論説文であれば、段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかにとらえておく。各段落の最初と最後に注意して、要点をマークする。傍線や矢印などで目立つようにしておき、関連する箇所を結んでおく。全体を見渡して要旨を読み取る。最後の結論部分は特に大事である。
物語文であれば、場面分け。時間・場所・登場人物の移動などに着目し、場面の変わり目を確認しておく。人物の言動や情景などに注意し心情を考える。性格が違えば物事に対する反応も異なるので、どんな人柄なのかは大事である。最終的に、だれのどんな気持ちを描いた話なのか、主題を考える……といったことである。
書き抜き・記述
書き抜き問題は親切に作られている。「何のためですか」・「どのような考え方ですか」と訊かれたら、「~ため」・「~考え方」と書かれた部分が文中にあるので、答えを見つけやすい場合が多くなっているのである。
また、「文章をふまえて自分で考えて書きなさい」という問いもあるが、その場合は文中に適切な箇所があるものの、そのまま使ってはいけないので自分の言葉で言い換えたりすればよいということになる。
得点源にしやすい問題なので、書き抜き問題を多くこなして得意になっておくと良い。
記述問題は字数指定が無い。解答欄の大きさから考えて100字超ほどでまとめることを想定しているようである。字数の多さに腰が引けそうにもなるが、設問で「文章中の表現を用いて」と指定される場合が多い。つまり、文中の適切な部分を抜き出して使って良いのである。
ただし100字超ともなると抜き出す要素は4~5つほども必要になり、まとめるのにも時間がかかる。難易度自体はさほど高くはないので、類似問題で100字超という字数のまとめ方に十分慣れておきたい。
普段から、読んだ文章を100字程度で要約する練習をしておけば、対策にもなるし読解力アップにもつながるので、ぜひ実行してみることをお薦めする。
漢字・その他
漢字はそれほど難しい問題は出ていない。標準~中級レベルの漢字をしっかり練習しておこう。ことばの知識も数問出されることがある。
語彙は読解力にもつながるので少しでも増やす努力を。
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2017年度「立教女学院中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
最新年度では論説文3000字・物語文5500字の計8500字になっている。
総解答数は20問と少ないが、長文記述2題はやはり時間がかかる。記述で使えそうな部分をマークしておいてとにかく最後まで解き進め、残りの時間で落ち着いて記述問題に取り組もう。記述2問に10~12分程度は使えるようにペース配分を考えたい。
【大問1】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
- ★必答問題
自分に向いた楽しくてやりがいのある仕事がきっとある、などという空虚な思い込みの危険性を13歳の少年少女に説く形で書かれている。一方で、そうした望みが叶わないことにも意義があるとも述べている。
問二 「何のために」と訊かれているので、「~のため」と書かれている部分を探す。本校の書き抜き問題は文中にある同じ形・まとめ方で訊かれるものが多いのでわかりやすい。
問三 「あやかし」は人を惑わす妖怪変化の類。
問四 ここも問二と同様、「どのような考え方」かが訊かれているので、「~な考え方」となっている部分を探せば見つかる。近くにある。
問五 空欄Bは、少し後に「与えられた役割」という良い内容の言葉があるのだが、ここは自分で考えて書かなければならないので、別の言葉で表現する。ここでいう「役割」とは? 職業について述べている文章であるから、使える言葉はいくつかある。
問六 解答欄の大きさから、100字程度でまとめたら良さそうである。この少し後に「つまり、……職場の善し悪しや不向きが、仕事の評価をかえることもある」と端的にまとめた箇所がある。しかしここでは字数が少な過ぎるし、「わかりやすく」という条件もあるので、さらに少し後に具体的に2点に分けて説明した部分があるので、そこを使えばわかりやすいし字数も整えられる。
問七 「気のおけない」は勘違いしている人も多い慣用句なので、この際しっかり覚えてしまおう。
【大問2】物語文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:21分
- ★必答問題
根は優しいが偏屈なところがあるおじいさん。詠子たちは犬を渡そうとしたが、考えが行き違い帰ろうとしたところ、詠子の持っていた不思議なガラス玉がおじいさんと犬の気持ちを結びつける。
問二 怖いと噂されるおじいさんに会いに行く途中で足の裏に汗をかいている。一般には手に汗をかく場面が多いだろう。すぐ近くに答えがある。
問三 おじいさんの目の表情から犬を心待ちにしていた様子に見えた。詠子たちは犬をかわいがる動きを予想しただろうが、実際はそうではなかったのである。
問五 選択肢の中で一つだけ、おじいさんの側の事情になっているものがある。
問六 ここは120字くらいまで書けそうである。考えの行き違いはあったが、おじいさんは犬の事情を理解し、飼おうと言ってくれている。詠子もそれがいいと思っている。しかし、須崎は意地になっていて互いに歩み寄れない。そこで、詠子は持っている不思議なガラス玉で犬の気持ちを聴いて、おじいさんと気持ちをつなげられないかと思ったのである。
文中の詠子の独白部分から、犬(について詠子が考えていること)とおじいさんと、詠子の気持ちというように3点に分けて考えればまとめやすいだろう。
攻略ポイント
高い偏差値からすると問題自体の難易度はさほど高くはなく、合格者平均点も90点満点中、約7割と非常に高くなっている。年度によりばらつきがあるので、毎年この難易度であると思ってはいけない。
できるだけ多くの過去問をこなし、難しい問題にも慣れておくこと。
100字超の記述問題には対策が必要だが、全体的に意地悪な難しさの試験ではないので、無理に難問で練習しなくても良い。得点しやすい問題も多いので、とにかく最後まで一通り手を付けるスピードをつけ、記述問題をまったくの空欄にせず、必要最低限の字数(できれば9割)まで書いて部分点を取れるよう、こつをつかんでおきたい。
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