立教女学院中学校 入試対策
2019年度「立教女学院中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
論説文(随筆)と物語文の2題が定形となっている。文量は計6000~8000字ほど。解答数は20問前後と少なめである。
記号選択・書き抜き・記述とバランスよく出題されている。記述問題は字数指定の無い、100字超の字数のものが、論説文・物語文で各1題ずつ出されるのが特徴的である。
その他、漢字の読み書きが7~8問、ことばの知識が数問出題されている。
長文読解
論説文・物語文ともに、無理に難解な素材文は使われていない。小・中学生を対象とした説明や年齢の近い主人公の話など、小学六年生が理解・共感しやすい文章が多い。
難問集などをこなす必要はないので、読解問題の基本的な技術を身につけていけば良い。
つまり……論説文であれば、段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかにとらえておく。各段落の最初と最後に注意して、要点をマークする。傍線や矢印などで目立つようにしておき、関連する箇所を結んでおく。全体を見渡して要旨を読み取る。最後の結論部分は特に大事である。
物語文であれば、場面分け。時間・場所・登場人物の移動などに着目し、場面の変わり目を確認しておく。人物の言動や情景などに注意し心情を考える。性格が違えば物事に対する反応も異なるので、どんな人柄なのかは大事である。最終的に、だれのどんな気持ちを描いた話なのか、主題を考える……といったことである。
書き抜き・記述
書き抜き問題は親切に作られている。「何のためですか」・「どのような考え方ですか」と訊かれたら、「~ため」・「~考え方」と書かれた部分が文中にあるので、答えを見つけやすい場合が多くなっているのである。
また、「文章をふまえて自分で考えて書きなさい」という問いもあるが、その場合は文中に適切な箇所があるものの、そのまま使ってはいけないので自分の言葉で言い換えたりすればよいということになる。
得点源にしやすい問題なので、書き抜き問題を多くこなして得意になっておくと良い。
記述問題は字数指定が無い。解答欄の大きさから考えて100字超ほどでまとめることを想定しているようである。字数の多さに腰が引けそうにもなるが、設問で「文章中の表現を用いて」と指定される場合が多い。つまり、文中の適切な部分を抜き出して使って良いのである。
ただし100字超ともなると抜き出す要素は4~5つほども必要になり、まとめるのにも時間がかかる。難易度自体はさほど高くはないので、類似問題で100字超という字数のまとめ方に十分慣れておきたい。
普段から、読んだ文章を100字程度で要約する練習をしておけば、対策にもなるし読解力アップにもつながるので、ぜひ実行してみることをお薦めする。
漢字・その他
漢字はそれほど難しい問題は出ていない。標準~中級レベルの漢字をしっかり練習しておこう。ことばの知識も数問出されることがある。
語彙は読解力にもつながるので少しでも増やす努力を。
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2019年度「立教女学院中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
最新年度では論説文2500字・物語文5200字の計7700字ほどになっている。
総解答数は19問と少ないが、長文記述2題はやはり時間がかかる。
記述で使えそうな部分をマークしておいてとにかく最後まで解き進め、残りの時間で落ち着いて記述問題に取り組もう。
記述2問に10~12分程度は使えるようにペース配分を考えたい。
【大問1】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
知識を頭に入れることの意味を考えている。
問一 ①重宝(ちょうほう)。重複・貴重・尊重など、「ちょう」と読む場合を見ておこう。
問二 「歩く辞書」の他に「生き字引」などという表現もある。物ではなく「生きていて動く辞書」という言い方で、物事に詳しい人を表現している。
問三 まず、2段落後で「知識を頭の中に入れる意味は」「頭の中で考えるときに、知識が用いられる」ことだと言っている。それは「一人で頭を使う=発想する」時に特に重要であり、「発想」は「自分の知識、あるいはその知識から自信が構築した理屈」から生まれるので、その点で「頭の中にいれてやることは意味がある」とまとめている。
問四 直前まで「思いつき=発想」には「知識を頭に入れてくこと」の重要性を説いている。さらに、「発想」は「連想」から生まれると説を続けている。
問五 最後の段落で「日常から離れたインプットの質と量」だと結論付けている。ただ、ここでは字数が適さないので、2段落前の「知識的・興味的に遠い」(もの)の部分を抜き出す。
問六 ア 好奇心旺盛だから多く読書をするのであり、順番が逆である。
イ 発想を得て、そこからさらに考えを進める時にはコンピューター=外部の知識も使えるのだから、×。
エ ゼロからアイデアが生まれるなどとは述べていない。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:25分
ピアノを弾く意欲を失っていた主人公は、オルゴール店の店員の気遣いで、音楽に向き合う純粋な喜びを思い出す。
問二 傍線の数行後で自ら独白している。
問四 この時、主人公の心の中にはピアノの先生から言われた「いい音ね。」という言葉がこだましている。心の音を聴くことができる店員はそれに気づいて「眉をひそめた」のであり、この時点では選択肢ウが選べる。この後、主人公にはもっとふさわしいオルゴール(バイエル)があると考えて選択肢イの内容になる。
問五 直後の「怒っているというよりも、途方に暮れたような」顔つきや「先生も心配していらしたわよ。」などの言葉から考える。
問六・問七 バイエルを練習していた時に先生から言われた「いい音ね。」という言葉は、コンクールの順位や勝ち負けから離れた、音を奏でる純粋な喜びに向けられた言葉である。店員は、主人公がピアノを弾きたくないのは、純粋に音楽に向き合う喜びを忘れているからだと見抜き、バイエルのオルゴールを聴かせることでその気持ちを思い起こさせたのである。
攻略のポイント
高い偏差値からすると問題自体の難易度はさほど高くはなく、合格者平均点も90点満点中、約8割にも達する。しかし、年度によりばらつきがあるので、毎年この難易度であると思ってはいけない。
できるだけ多くの過去問をこなし、難しい問題にも慣れておくこと。
100字超の記述問題には対策が必要だが、全体的に意地悪な難しさの試験ではないので、無理に難問で練習しなくても良い。
得点しやすい問題も多いので、とにかく最後まで一通り手を付けるスピードをつけ、記述問題をまったくの空欄にせず、必要最低限の字数(できれば9割)まで書いて部分点を取れるよう、こつをつかんでおきたい。
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