立教女学院中学校 入試対策
2018年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
出題分析
立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさにあった。しかしそれも今では過去のものとなり,ここ数年間は難問・標準ラインを下に突破してかなり基礎的な設問を並べる学校に変化してしまった。
合格点は高めではあるものの,ほとんどの受験生にとっては手をつけやすいレベルである。もはや「立女の理科だから」と気合を入れる必要はない。
理科を苦手とする生徒にとっては福音であり,理科が得意な生徒はここで大幅に点数を稼ぐことが出来る。満点を取れる可能性もある。
では,大きく変わった理科に関してはどのように対策をしていけばよいかだが,それでも対策法に大きな変化はない。
基本的な知識を身につける
やはり、受験勉強の王道を貫くべし。
「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。
塾などで与えられる教材のうち,基本的な部分を厚く勉強し,誰もが正解できる知識をしっかりと自分のものにすること。そして知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。知識が正確かどうかは,まぎらわしい選択肢の問題で試されることになる。
さらに苦手な内容を作らないこと。オールラウンドにこたえられる力が必要だ。ただし,計算問題は出ない傾向にあるので暗記中心の勉強でよい。
総合的な問題への変化
一昨年度(平成28年度)からは,大問の傾向にも変化が見られ,テーマを絞った問題から総合的なものに変わっている。その分問われることもオーソドックスなものになっていて,とりたてて立女対策をする必要はなくなった。入試問題を扱う側としてはさびしい気持ちもするのだが受験生の負担は大幅に減ったといえるだろう。
ただし,学校自体の水準が下がったわけではないので高得点が要求される。
時間配分
30分で30問に当たるので,単純に1分で1問。問題文が長めの学校なのでスピードが要求されるのは間違いない。時間と解くスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。
その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていかなくてはならない。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。
速読即解の場合,こわいのは知識不足と言うよりは問題文を十分に読まないで答えてしまうといういわゆるケアレスミスだ。平易な分だけ基本で落とすわけにはいかない。最後まで集中力を切らさず持っているエネルギーを出し尽くして解ききるパワーが必要だ。
合格点が取れるようがんばってもらいたい。
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2018年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は4、小問は30前後(組んで正解のものを分けている)と、時間に対し多めの分量になっているものの,その大半は基本的な設問になっている。したがって,全問に目をとする余裕は十分にあると思われる。
以前の問題に比べ「立教女学院の理科は易化した」という事実は確実なものになっているが、本年度は物理分野に得点しにくい内容が出たことで合格点がやや下がっている。
【大問1】化学分野…水溶液の分類
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
5種類の水溶液に対して、いろいろな実験結果を踏まえた上で分類していくという典型的な問題。また、実験もよく見るものばかりであり全問正解が必須。逆に間違えたところはしっかり復習しておいてもらいたい。
<時間配分目安:5分>
【大問2】地学分野…地球環境と水
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
地球規模での水に関する問いが並んでいるが、理科の勉強と言うより常識問題という感じで、かえってやや答えにくい設問もあったかもしれない。
問1・2では、地峡は水の惑星と呼ばれているのになぜ水不足になるかその原因を聞かれている。日本のように水に恵まれていると実感できないが、水をめぐる争いというのは食べ物をめぐるそれと同じくらいに歴史の中で行われてきた。
問3はテキストや問題集などで解いたことがあるかもしれない。「蒸発する量」と「降る量」が同じになることを使って計算を正解したい。
問4はそれに対する付け足し。
問5は、水力発電が水の落下するエネルギーを用いて発電していることがわかっていればあっさりと求まる。ただ最上流をイメージすると水量が少ないので間違えてしまうかもしれない
問6は聞かれたことがないものの常識で判断しよう。日本海側の流れの速い川には、川底で削られた堆積物を食い止める砂防ダムが多く見られる。
<時間配分目安:5分>
【大問3】物理分野…光・電気
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
本年度理科の問題の白眉はこの大問。受験生の苦手な内容を二つ並べに来た上に質問の中身がわかりにくくここでの失点はやむを得ない。が、どこまで失点を最小限にとどめることが出来るかがカギ。
問1・2は、実験の結果を読んだりするとかえって混乱してしまいそう。複数の光をあてるもののそれぞれ1種類の光しか当たらない、ということから答えはいたってシンプルになる。ただ問題文がわかりにくく初っぱなから「黄色」などを選んでしまいそう。
問3は本年度の最難関問題で、複数の光か当たるところもできるので答えの選択肢が広がる。捨て問の類い、と考えられても仕方がない。
問4・5は豆電球の回路に関する問題で、問4は平易、問5はひとつひとつの回路をじっくりと調べていきスイッチの切り替えによって電流の流れが逆向きになるものを探していけば良い。とはいうものの回路は複雑なので時間をかける必要がありそうだ。
<時間配分目安:8分>
【大問4】地学分野…食物連鎖
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
日本の生態系-食物連鎖に関する大問で、問1・2はテキストでも基本的事項として出てくる正解必須の設問だが、問3以降は常識も踏まえた上で少し頭をひねらないと正解が導き出せまい。
問3は、社会などで習う明治時代以降日本人の食生活が変化してことを知っているとかえって間違えそうだが、ウシやブタは普通にあっても、シカの肉を食べたことがある生徒はあまりいないだろう。シカは食用ではなく毛皮目的で乱獲されたことで激減した。
問4では問1同様、生物ピラミッドを知っていれば簡単に解答できる。
問5は最も関係がないものと言うことで消去法を用い、問6は共存は難しいという現実認識から求めることが出来そうだ。
<時間配分目安:6分>
攻略のポイント
テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「41.1点」と3年前なみに低下したので合格点は「36点(60%)」前後と考えられる。
立教女学院の理科はたいへん変わった問題が多く、生徒を楽しませかつ悩ませてきたという事実はもはや過去の遺物であり、一昨年度あたりから続いてきた問題の易化・標準化傾向は概ね定着し、今後もこのレベルで推移していくこととなるだろう。本年度が昨年度ほど合格点が高くないのはひとえに大問3の存在であり、その他の大問は基本的な問題にほぼ終始している。
本校に関して対策を述べておくと,オーソドックスではあるが、まずは理科の基本的知識を身につけ、この3年間の問題水準に慣れておけばなんら問題はあるまい。ただし、理科の基本的知識を身につける、という最低条件は必ずクリアしておくこと。
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