立教女学院中学校 入試対策
2019年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
出題分析
立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさにあった。しかしそれも今では過去のものとなり,ここ数年間は難問・標準ラインを下に突破してかなり基礎的な設問を並べる学校に変化してしまった。
合格点は高めではあるものの,ほとんどの受験生にとっては手をつけやすいレベルである。もはや「立女の理科だから」と気合を入れる必要はない。
理科を苦手とする生徒にとっては福音であり,理科が得意な生徒はここで大幅に点数を稼ぐことが出来る。満点を取れる可能性もある。
では,大きく変わった理科に関してはどのように対策をしていけばよいかだが,それでも対策法に大きな変化はない。
基本的な知識を身につける
やはり、受験勉強の王道を貫くべし。
「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。
塾などで与えられる教材のうち,基本的な部分を厚く勉強し,誰もが正解できる知識をしっかりと自分のものにすること。そして知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。知識が正確かどうかは,まぎらわしい選択肢の問題で試されることになる。
さらに苦手な内容を作らないこと。オールラウンドにこたえられる力が必要だ。ただし,計算問題は出ない傾向にあるので暗記中心の勉強でよい。
総合的な問題への変化
2016年度からは,大問の傾向にも変化が見られ,テーマを絞った問題から総合的なものに変わっている。その分問われることもオーソドックスなものになっていて,とりたてて立女対策をする必要はなくなった。入試問題を扱う側としてはさびしい気持ちもするのだが受験生の負担は大幅に減ったといえるだろう。
ただし,学校自体の水準が下がったわけではないので高得点が要求される。
時間配分
30分で30問に当たるので,単純に1分で1問。問題文が長めの学校なのでスピードが要求されるのは間違いない。時間と解くスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。
その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていかなくてはならない。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。
速読即解の場合,こわいのは知識不足と言うよりは問題文を十分に読まないで答えてしまうといういわゆるケアレスミスだ。平易な分だけ基本で落とすわけにはいかない。最後まで集中力を切らさず持っているエネルギーを出し尽くして解ききるパワーが必要だ。
合格点が取れるようがんばってもらいたい。
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2019年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は4、小問は30前後(組んで正解のものを分けている)と、時間に対し多めの分量になっているものの,その大半は基本的な設問になっている。したがって,全問に目を通す余裕は十分にあると思われる。
数年前までは対策が必要であった「立教女学院の理科はてごわい」という事実はすでに存在せず、基本的な知識をしっかりと身につけていれば合格点までは十分に得点できる。
【大問1】生物(人体・生物の分類)
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1から問4までが「人体」(拍動・呼吸など)に関するもの、最後の問5だけが「生物のグループ分け」問題になっている。
問1・2・4は選択肢が多めで紛らわしい文が並ぶが聞かれていることは基本的なこと。
問3は基礎レベルの選択問題。
問5ではあまり知らない生物が入っているかもしれず迷うところもあるが知ってる生物からその特徴をつかんで選べば難しくはない。
できれば全問正解したい。
【大問2】化学(むし焼き)
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1から問3は「むし焼き」についての基本的な事がらを確認するレベル。
問4は選択肢が紛らわしく正解を選ぶのは少し苦労する。
問5はそれまでの実験の結果をふまえて正しいものを選びたい。
問6はおおまかにはわかるもののすべて選ぶとなると苦戦することになるか。ここでの1・2問の失点はやむを得まい。
【大問3】物理(光・熱)
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
受験生が不得意となりがちな「光」に関する大問であるが本年度のものに関しては標準レベルがほとんどで作図も難しいものではなかった。
問1は「みずから光を発しないもの」を選ぶ。
問2の作図では、算数並みの細かい作業が必要になるが、ていねいに等しい角度を見つけて書いていこう。ななめになっている「鏡」のところをうまくクリアできれば最後まで行き着くことだろう。
問3では、Rさんを窓の向こう側に移して作図するという問題集などではおなじみのもの。しかし「光」の作図は敬遠される節があるので普段の練習の成果の差がつきそうなところではある。
問4は「ある日の夕方」(太陽は西の空にある)というところを読み落とさないように。
問5・6は本当に基本中の基本だ。「あたたまり方」についてこれほどぬるい問題はないだろう、と思えるほど…
【大問4】地学(天体-火星)
- 難度:標準
- 時間配分:8分
本年度の大問の中ではこの大問4が最もレベルが高く頭も使う問題になっている。特に問2から問4までは合否の差を分ける可能性が高い。
問1・問5はそれぞれ知識だけを問われている。理科の時事問題をかじっていれば答えられるはず。
問2は地球が反時計回りに4分の3進んだ地点を選ぶ。
問3は火星の公転周期(約23ヶ月)のうち、13ヶ月分進んだところ、「半分強」の⑤を選べれば良い。
問4は問題の水準としては本年度屈指ではあるが塾のテキストや問題集などで取り上げられることのある問題なので解いたことのある生徒にはちょうど良い難問となっただろう。正しい計算を行うと「25.09ヶ月後」となり、エの「26ヶ月後」が最も近くなる。ただしウの「24ヶ月後」との真ん中あたりの数値になるのでテストの選択肢としてはどうだろうか。
攻略のポイント
テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「42.54点」とここ数年間では低い方であるがそれほどの難易度を持つ問題とは思えない。目標とすべき合格点は「38~40点(65%)」。
この3年間で「立教女学院の理科は易化した」という傾向は顕著なものになり、今後もこのレベルで推移していくこととなるだろう。
本年度の大問で計算が難しい設問は1つだけであり、あとの知識問題も基本的な知識だけで対応できる。できれば40点と言わず、50点台を目指したい問題だ。
ただしそれには理科の基本的知識を全分野で身につけていることが最低条件である。
4科目で合格を勝ち得るには、科目ごとの勉強量に偏りをもたず、まんべんなく知識を定着させていることが大切だ。
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