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2014年度「立教女学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

[正確さとスピード]
45分の時間の中で、中程度レベル以上の問いを20個はこなさなければならない。
しかも、70%程度の正答率が要求される。つまり、スピードも正確さも要求されるというわけだ。
かつてはテスト時間が40分で同量をこなしていたわけだから、それに比べればいくぶん楽になったが、相変わらず厳しいと言える。
しかも、前半の得点源、一行問題がいわゆる「典型的な問題」に見えないことが多い。
解いてみれば「いつもの問題」であっても、一見その姿がわかりにくくなっている。それを試験会場で解きほぐしていかなければならないわけだから、よほどの準備が必要であることが分る。
正しく解くことは当たり前という前提のもと、ここでは解くスピードについてまとめた。
問題を解く速さを先天的ものと思ってはいないだろうか?性格がせっかちだから急いで解こうとする、おだやかなのでのんびり解いてしまう、というような。
これは違う。
解くスピードは各自が作り上げていけるものであり、作り上げなくてはいけないものなのだ。
つまり、自覚的に、問題を解く時間をコントロールして欲しいということだ。
また、速さと正確さは相反しない。算数が得意な生徒は、速く、しかも正確だ。

[解き方のムダをなくす]
さて、2分で1問をこなしていくにはどうすればよいか。
ある問題を解く場合、解き方が複数あったとしよう。そのとき、できるだけムダのない解き方を身につけてもらいたい。
例として、「角度の問題」を挙げてみる。内角を1つ1つ求めて答えを出した。正しい答えだった。しかし先生は外角の定理を用いて一行で答えを出した。いや、合っていたんだからいいんじゃないか、では終わらせない。
もう一つ、「表面積を求める問題」。円周率の計算を3つも4つもやって、ようやく答えを出した。所要時間15分。「努力のたまもの!しかも正解!」。しかし、先生は分配法則を使って式をまとめ、円周率の計算を1回だけ使ってさらっと答えを出した。ここも、でも解けたんだからいいじゃないか、では終わらせない。
いつもの勉強の中でムダのない解き方に関心を持ち、それを身につけるための努力をおしまない姿勢が必要なのである。
同じ正解であっても、要する時間がそのまま合否に関係してくると言うことを肝に銘じよう。
ただ解いて答えが合っていればよいという段階は早く脱しよう。解き方にこだわりたい。

[スピード練習をする]
教材などの一行問題を「1問1分、10問を10分で解く」と目標を定めて、解く時間を作ろう。
はじめのうちは間に合わなくても、だんだんと速さが増してくるものだ。マイペースなどというのんびりムードでは、いつまでたっても速く解くことはできない。
ただし、解き方が雑になったり、正答率が下がってしまっては意味がない。あくまでも全問正解を目指す。

[見直しをしない]
立教女学院の場合、算数のテストにおいては、まず見直しをしている時間はほとんどないと考えておいて良い。
つまり、一発で正解を出さないといけない。したがって、スピード練習ともかぶるが、普段から「見直しをしない」練習をする必要がある。
これは、見直しという作業を軽んじてよい、と言っているわけではない。
「あとで見直しをすればいいや」という安直な気持ちが、安直なミスを招きやすいのは確か。したがって、やり直しのきかない状況を普段から作り、その中で解くことになれておくこと、と考えてもらえれば納得いくことと思う。
「今日は、(算数の問題を解く際)時間内に終わっても見直さないでおこう」というように心に決めて取り組んでみよう。
公開模試などでも、「今日は見直しをしない(回)」を作ってもよいだろう。

[過去問演習]
過去問に取りかかるのは、上記の心構えのもと、秋頃からでよい。
1回目は、時間との戦いになる。まず間に合わないのが普通であり、がっかりすることはない。問題が持つ質・量を身を以て浴び、覚えること。2回目は、多少余裕が持てているはず。時間配分に注意しながらスマートな答案を心がけること。
3回目は、受験直前に解いてみて、合格できる力を確認してから本番に臨もう。
以上、立教女学院に合格するための学習法をまとめると、
・過去問を解きながら本校の時間配分をしっかりと把握し、時間内に合格点がとれるよう準備する
・苦手な範囲は作らず、どの内容においても中レベルの問題までは対応できるよう仕上げる
・タフな精神力を持って最後まで合格を目指す
となる。

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2014年度「立教女学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

45分で大問が4、小問が20問前後。一行問題の質の高さと量を考えるとかなりのスピードを要求される。
ただし、本年度に限って言えば、【大問2】以降が例年に比べるとやや解きやすかったので多少余裕があったかもしれない。
その分合格点は上がっているので難易度には関係なかったようだ。

[大問Ⅰ]計算問題・一行問題集

  • 時間配分:20分

(1)~(3)は、計算問題。
(3)は、工夫が必要な分数の計算。典型的なものだけでなく、応用がかったものまで手がけておきたい。19/24を除けば、「ああ、いつもの工夫する問題か」とわかるくらいの力を身につけたい。せっせと通分しているようでは時間がいくらあっても足りない。
(4)は、食塩水の基本的問題。これは即答したい。食塩の重さ「ア」の求め方には複数あると思うので、それぞれ試してみよう(面積図・てんびん・「水の重さに目をつける」さて、どれを用いたか?)
(5)は、通過算と割合を合わせたもの。与えられた時間が小数や分数であること、また解法が少々古典的な問題に属するので、あまりできなかったかもしれない。
(6)では、数直線によるアプローチが正しいけれどもかなり緻密な作図が必要になる。「5人」という数を「5m」のように考えてしまうと正解には行き着かない。解き方は倍数算の考え方を用いると良い。
(7)では、集合の問題を線分図にまとめると意外と解きやすい。割合をふくむ集合の問題では、「表」や「ベン図」ではなく線分図を使うと関係がわかりやすい。
(8)は、周期算のやや難問。出てくる時間の単位を「秒」まで代えてしまうとかなり計算に時間を要しそう。解き方は典型的なもの。しかし完答は難しいかもしれない。

【大問Ⅰ】の中では、(5)(6)(8)が難しいところ。
小問集の後半に難題が潜むのは、この学校の特色のひとつと言える。

[大問Ⅱ]立体図形(三角すいの展開図)

  • 時間配分:5分

ここで、まさかの基本問題!合格者はほぼ解けたと思われ。
(2)もふくめて、必ず解けるようにしておきたい。

[大問Ⅲ]約束記号の問題

  • 時間配分:10分

文意を理解すれば、(1)(2)までは難なく解ける。
(3)は、作業に時間がかかるものの理解できないというレベルの問いではない。

[大問Ⅳ]総合問題(場合の数・速さ・条件整理)

  • 時間配分:10分

まず問題文を良く読み、どの問いにはどの部分の条件が必要になるかをつかもう。その上で問題にあたれば、(1)(2)は解ける可能性大である。
(1)は、場合の数。「Aから登りAに戻ってくる」場合をていねいに数えたい。
(2)は、速さと比。適当に書いてもあたりそうだが、その理由はしっかりとつかんでおこう。
(3)は、複雑な速さ・条件整理の問題。無理に手を出す類のものではない。どうみても時間範囲内で解けそうもない問いを出すあたりはこの学校らしいとも言える。

攻略のポイント

テスト時間45分で90点満点。合格者平均点は62.2点(69.1%)ということで、60~70点を目安と考えると良い。
小問を20とすると、12~14問は正解したい。
これはけっこう厳しい数字である。
【大問1】の(5)(6)(8)、【大問4】の(3)はなかなか解けないと思うので、残りは2~3問程度のミスにとどめたい。

そのためのポイントとしては
・過去問に多く触れ、立女独特のスピードを要求される問題になれる。
・そのかたわら、典型的標準問題の解法を1問でも多く身につける。
・時には、合格ラインに直接結びつくことはない難易度の高い問題にあたって免疫をつけておく。

算数に関しては、比較的手強いという感がある。平易な問いが少ないので、基礎力が不十分な生徒は苦戦する。
タフに問題を解き続けられる生徒は、この高き峰に挑戦してみよう。

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