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立教女学院中学校 入試対策

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2022年度「立教女学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

[正確さとスピード]

45分の時間の中で、中程度レベル以上の問いを20問はこなさなければならない。また、本年度のように突然分量が増え、25問になることもある。
しかも、60%程度、年度によっては70%の正答率が要求される。つまり、スピードも正確さも要求されるというわけだ。
かつてはテスト時間が40分で同量をこなしていたわけだから、それに比べればいくぶん楽になったが、相変わらず厳しいと言える。
しかも、前半の得点源、一行問題がいわゆる「典型的な問題」に見えないことが多い。
解いてみれば「いつもの問題」であっても、一見その姿がわかりにくくなっている。それを試験会場で解きほぐしていかなければならないわけだから、よほどの準備が必要であることが分かる。
正しく解くことは当たり前という前提のもと、ここでは解くスピードについてまとめた。
問題を解く速さを先天的なものと思ってはいないだろうか?性格がせっかちだから急いで解こうとする、おだやかなのでのんびり解いてしまう、というような。
これは違う。
解くスピードは各自が作り上げていけるものであり、作り上げなくてはいけないものなのだ。
つまり、自覚的に、問題を解く時間をコントロールして欲しいということだ。
また、速さと正確さは相反しない。算数が得意な生徒は、速く、しかも正確だ。

[解き方のムダをなくす]

さて、2分で1問をこなしていくにはどうすればよいか。
ある問題を解く場合、解き方が複数あったとしよう。そのとき、できるだけムダのない解き方を身につけてもらいたい。
例として、「角度の問題」を挙げてみる。内角を1つ1つ求めて答えを出した。正しい答えだった。しかし先生は外角の定理を用いて一行で答えを出した。いや、合っていたんだからいいんじゃないか、では終わらせない。
もう一つ、「表面積を求める問題」。円周率の計算を3つも4つもやって、ようやく答えを出した。所要時間15分。「努力のたまもの!しかも正解!」。しかし、先生は分配法則を使って式をまとめ、円周率の計算を1回だけ使ってさらっと答えを出した。ここも、でも解けたんだからいいじゃないか、では終わらせない。
いつもの勉強の中でムダのない解き方に関心を持ち、それを身につけるための努力をおしまない姿勢が必要なのである
同じ正解であっても、要する時間がそのまま合否に関係してくると言うことを肝に銘じよう。
ただ解いて答えが合っていればよいという段階は早く脱しよう。解き方にこだわりたい。

[スピード練習をする]

教材などの一行問題を「1問1分、10問を10分で解く」と目標を定めて、解く時間を作ろう
はじめのうちは間に合わなくても、だんだんと速さが増してくるものだ。マイペースなどというのんびりムードでは、いつまでたっても速く解くことはできない。
ただし、解き方が雑になったり、正答率が下がってしまっては意味がない。あくまでも全問正解を目指す。

[見直しをしない]

立教女学院の場合、算数のテストにおいては、まず見直しをしている時間はほとんどないと考えておいて良い
つまり、一発で正解を出さないといけない。したがって、スピード練習ともかぶるが、普段から「見直しをしない」練習をする必要がある。
これは、見直しという作業を軽んじてよい、と言っているわけではない。
「あとで見直しをすればいいや」という安直な気持ちが、安直なミスを招きやすいのは確か。したがって、やり直しのきかない状況を普段から作り、その中で解くことになれておくこと、と考えてもらえれば納得いくことと思う。
「今日は、(算数の問題を解く際)時間内に終わっても見直さないでおこう」というように心に決めて取り組んでみよう
公開模試などでも、「今日は見直しをしない(回)」を作ってもよいだろう。

[過去問演習]

過去問に取りかかるのは、上記の心構えのもと、秋頃からでよい。
1回目は、時間との戦いになる。まず間に合わないのが普通であり、がっかりすることはない。問題が持つ質・量を身を以て浴び、覚えること。2回目は、多少余裕が持てているはず。時間配分に注意しながらスマートな答案を心がけること。
3回目は、受験直前に解いてみて、合格できる力を確認してから本番に臨もう。
以上、立教女学院に合格するための学習法をまとめると、
・過去問を解きながら本校の時間配分をしっかりと把握し、時間内に合格点がとれるよう準備する
・苦手な範囲は作らず、どの内容においても中レベルの問題までは対応できるよう仕上げる
・タフな精神力を持って最後まで合格を目指す
となる。

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2022年度「立教女学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

45分で大問が4,解答らんが27。ここ3年間か続いていた合格者平均点70点以上が途切れ、本年度は昨年度より算数の合格点が9点ほど下がり、正解数にして2・3問分は難化したようだ。時間は45分と短めなので、設問の選び方次第では時間に余裕が持てなくなる年もある。本年度の場合【大問4で時間を使ってしまい、比較的容易だった【大問5で得点できなかった生徒が苦汁を飲んだことと思われる。前半のほとんどの設問は標準レベルの域を出ず、ここでいかに時間に有意義に使えるかがポイントだ。以前は平均点が60点程度だった年もあるので難易度には変化があると確認した上で過去問に取り組んでいきたい。

【大問1】計算・魔方陣・つるかめ算・回転体・三角形の相似・食塩水・流水算

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

この数年間、小問集である【大問1は「易」~「標準」レベルの問題に終始している。一番ミスをしやすいとしたらはじめに並んでいる計算問題であるかもしれない。
(1)~(3)計算問題はどれも工夫を凝らして解かないと時間ばかり食うことになる。特に(3)( )内分数の通分をしてしまうと分母が大きくなってしまうので124×125のように積の形にして残し、前半の整数による約分に期待したい。
(4)はA+4+15=A+B+7からBが容易に求まる。次にCと7の間に入る数を○とすると、4+B+○=C+○+7になって、Bはもう求まっているのでCもあてられるという算段。
(5)はとても美しいつるかめ算で面積図を用いるなど普通の手段であっさりと解けてしまう。
(6)は回転体の体積を求める問題で、立体の形は上から「円すい」「半径4cn、高さ1cmの円柱」「半径7cm、高さ3cmの円柱」となる。3.14の計算はまとめて1回だけ使用するにとどめよう。

(7)は長方形ABCDの辺ADを折り返したときに出来る三角形ABEと三角形ECFが相似な関係にあることを使えば良い。対応する辺に気をつければ、辺の長さも面積も簡単に求まるだろう。
(8)は食塩水の問題でここまででは一番の難易度を保っている。まず食塩水Aと食塩水Bを全て混ぜ合わせると0.05×300÷(300+700)=0.015で食塩水Bよりも濃度が高い食塩水C(①)が求まる。今度はC400gと4%の食塩水200gを混ぜ合わせると7%の食塩水600gが出来るとあるのでここで実際のCの濃度を求めると、自然にBも食塩水Aの濃さ()が求められる。面積図を駆使して手際よく解いておきたい。
(9)は流水算で、流水算の公式、速さと時間の比などを使うことから(8)を超えて最も難しい問題となっている。この船が20m上る時間と30m下る時間が等しいことから船の上りと下りの速さの比、さらに上りと下りにかかった時間の比も求まるので48分を比例配分してからこの船の実際の上りの分速と下りの分速が求められる。その差を2でわってまずが答えられる。さらにこの船がエンジンを止めたりしながら上ったときの時間も1時間4分から下りにかかった時間をひけば求まるので、エンジンが故障したことでよけいにかかった時間が分かり、重複して進むことになった距離を流水の速さと上りの速さの比を用いて解くことが出来る。
本年度も比較的易しい【大問1】だったが(9)があったのでここはつまずいた可能性が売るかもしれない。しかし他の設問はすべて正解したいところだ。

【大問2】約束記号(あまりの問題)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

昨年度も「約束記号」の大問があってあれは「倍数」の問題だった。記号の意味を理解し、(1)(2)などの計算問題を解きながら(3)に進む。[A,64]=0となるには64は6で割って4あまる数なのでAも6で割って4あまれば良いことになる。並んでいる10個の整数を6でわったときのあまりを調べていくと、562に白羽の矢が立った。
(4)は[[B,64],723]=0になるようなBを探せば良い。723は6でわったあまりが3で、64は4なので、Bは6でわってあまりが1になれば計算の結果が0になる。これも調べていくと、325に白羽の矢が立った。
ここはあまり時間をかけずにしかも正解しておきたいところだ。

【大問3】仕事算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

ある仕事をするのに、大人と子どもが共同で作業するときと、子どもたちだけで仕事をするときにその仕事量に違いが生じるという問題は今までも何回かお目にかかったことがある。しかしながら(1)(2)はまだしも(3)以降は慎重に事を進めたい。
(3)では全体の仕事量から大人3人分×3時間をひいて、子どもたちだけで行った仕事理容を求める。子どもたちだけだと仕事をする速さが25%減少するのでここは注意したいところだ。
(4)では、大人3人と子ども5人の仕事量、子ども4人だけでやった仕事量の比(比でなく分でも良いが)あとは5時間を横の長さとするつるかめ算の考え方を用いる。本年度はこの(4)が一番の難問であった。と言ってもそんなにすごいレベルではない。(3)までは正解しておきたい。

【大問4】立体図形(容器に入る水量)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

問題自体よりも問題文を正しく理解する方が難しい。直方体の透明な容器に物体A,B,Cを入れたものである、ということだ。この種の問題では直方体に入れたA,B,Cなどもまた容器であることが多く、それによって水がここまでたまったらこっちへ流れ込み、そしてそこもいっぱいになったら今度はここに水がたまり…とやっかい極まりないところになりそうだがこの問題は物体なのでそこに水はたまらず入らず、ただ直方体の容器にたまる水量を減らすだけの存在なのだ。だから深読みするとかえって負けてしまい、容器の中に石が入っている程度の問題としてとらえると正しい答えが手に入ったという類いのものであった。
容器と勘違いしても(1)は出来てしまうわけで、底面が1辺6cmの正方形なのでAの底面積はその半分、Bはさらにその半分、Cはさらにその半分の底面積となる。(2)は直方体の容器の容積からA,B,Cの体積をひけばよい。(3)は297cm3の水を入れたときに水の高さがどこまで来るかの見当をつけ、底面積の変化に気をつけながら水の高さを求めたい。(3)もまた調べる手間がかかるものの難しい問題ではない。3問とも解けていることに期待したい。

攻略のポイント

テスト時間45分で90点満点,合格者平均点は65.3点(73%)ということで,目標点を70点とすればよい。この合格者平均点はこの4年間では最も低いが以前には合格者平均点が50.6点、51.2点などという年度もあり、長い目で見るととりたてて問題が難しかったわけではないことがわかる。

本年度の問題は標準的なものが多く、あえて言えば【大問4】(4)が難しいかな、と思われるくらいなので、この設問以外はすべて正解できるくらいに腕を磨いておきたい。あとは【大問2の様な問題での処理にあまり時間をかけすぎないこと。立教女学院の問題は難易度が意外と安定せず、2015年度・2018年度のように「超難」の年の問題や、2017年度のような「難」の年、本年度のような「やや難」そして2016年度・2019年度・2020年度・2021年度のような「標準」の年それぞれのレベルに対応できるよう対策を十分にたてて臨もう。
最後に例年通りではあるが、立女算数を攻略するためのポイントとして

・過去問に多く触れ,立女独特のスピードを要求される問題になれる(ここ数年のレベルで推移すればあまり神経質にならなくてもよいだろう)。

テキストに頻出の標準問題の解法を1問でも多く身につける

前半に時間を要する問いが出るときがあるので,時間配分に気をつけてテストの終わりまで手が届くよう心がける

をあげておきたい。

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