栄東中学校 入試対策
2016年度「栄東中学校の理科」
攻略のための学習方法
科学法則の理解
科学法則は、暗記するのではなく、きちんと理解しよう。暗記と理解は、似て非なるものだ。教科書に書いてある公式を暗記したら、そこから、どのような物事にその科学法則が活用できるのか、理解を深めておきたい。
例えば、【大問1】の(3)は、科学法則の暗記からでは、正答できない。法則がどのように導き出されたのかを、理解しておかないと、間違えてしまうように、設問が用意されている。
現代社会は、何気ない暮らしのなかに、いくつもの科学法則がそれとなく潜んでいるので、観察する機会には困らないだろう。実験授業や理科教室も、各地で開催されている。それでも、もし実験の経験が不足していると感じたら、担当の家庭教師に、おすすめの理科の実験教材を紹介してもらってもいいだろう。授業を提供して終わりではなく、子どもの学習状況に合わせて、学習全体を支援できる点に、家庭教師の強みがある。
資料の読解力
資料を読み取る能力は、合否を左右する。中学受験においては(12歳の段階では)、知識の量に、大きな差があるわけではない。そこで、栄東では、志望者を選定するために、「知識の量」だけではなく、「知識の活用」を、試験していると考えられる。資料問題の比重を高くして、「ただ覚えているだけの子ども」と「覚えたことが活用できる子ども」を、判断しようとしているのだろう。
例えば、【大問4】は、天体の知識を暗記しているだけでは、得点できない。どの式を用いればよいのか、あるいは、計算の数値はどこにあるのか、資料から必要な情報を読み解いていく能力が、正答には欠かせなくなっている。
計算の工夫
計算力には、いくつか確認しておきたい点がある。
まずは、試験時間40分の間、細かな数字を扱い続けても、息切れしないだけの持久力が求められる。設問数が多いので、単純に手を素早く動かしていかなければならない。一問一問を解く速度を上げながら、試験の後半になっても速度が落ちないことが求められる。
また、細かい小数点以下の計算になった場合でも、計算の精度が落ちないかも気になる。この点は、小学校5年生の段階から、計算練習を積んでおけば、準備がしやすい。
最後に、試験時間内に、迅速に見直しができるように、式を整理して書き残しておく習慣が欲しい。もし、間違った解答を見つけても、あらたまって計算式を書き直している時間は、本番にはないはずだ。
志望者に求められる計算力としては、本校において、【大問2】の計算問題が、基準になるだろう。過去問の演習において、時間が足りなくなってしまったり、計算式が立てられても計算結果を間違えてしまった場合は、計算力を改善しておきたい。
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2016年度「栄東中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は40分で、得点は75点満点だ。大問数は4問で、分野ごとに整理して出題される。設問数は25問。解答は、すべて一問一答の形式で、記述は出題されていない。資料読解に慣れ、計算の速い受験者が、有利となる試験構成だ。
【大問1】物理
- 難度:難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
単元:てんびん、てこ
内容:初めて見た資料を理解し、物理分野の法則を当てはめることができるかが、問われている。
形式:一問一答形式だ。
(1)中学受験の典型である「てんびん」の設問に、手を加えて、「上皿さおはかり」が、登場している。「上皿さおはかり」は、どの受験者も、初めて見るはずだ。資料を読んでいくうちに、「てこの原理」が用いられていることに、気づければよい。
【大問2】化学
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
単元:水溶液
内容:水溶液と飽和量の関係を理解し、資料から必要な情報を探す力が、求められている。
形式:一問一答形式だ。
(1)と(2)基本的な設問なので、必ず得点したい。もし間違えてしまったら、水溶液の基礎から、やり直そう。
(4)まず80℃の水に、溶けているホウ酸の量を、求めよう。水溶液は、溶質に注目すると、攻略しやすい。
(6)と(7)差がつく設問だ。小数点第2位までの、細かな計算を、正確に処理できることが求められる。受験者が、演習教材を選ぶ基準になるだろう。
【大問3】生物
- 難度:易
- 時間配分:8分
単元:動物
内容:身近な生物を題材にして、基本的な知識が身についているかが、問われている。物理・化学分野と比較すると、難易度は易しい。
形式:一問一答形式だ。
(3)差がつく設問だ。資料と設問文を、よく読み、条件を整理しよう。間違えてしまった受験者は、資料問題の演習量を、増やそう。
(5)と(6)理科の実験について、理解しているかが問われている。理科の実験では、条件を変えることで、法則を導こうとする。
【大問4】地学
- 難度:標準
- 時間配分:9分
単元:天体
内容:天体の知識を確認し、資料から必要な情報を探す力が、求められている。
形式:一問一答形式だ。
(2)知識量の目安となる設問だ。間違えてしまった受験者は、天体の知識を、暗記し直そう。
(4)計算問題のように見えるが、計算問題ではない。求められているのは、資料から必要な数値を探す力だ。
攻略ポイント
傾向が明確な学校であり、自分の頭で物事を思考できる受験者を求める傾向にある。
合否を分けるのは、資料読解力と計算力の、2点となる。過去問に目を通せば、どのような資料読解や計算が要求されているのかは、理解しやすいだろう。
いずれの能力も、標準の教材では対応しにくい。また、記述力の対策はまったく必要ない。
したがって、演習教材は、あらかじめ精選して、解いていきたい。教材の精選が必要な場合は、家庭教師に依頼すれば、必要か不要かの判断してくれるだろう。
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