示されている｢国土地理院発行の『室戸岬付近』の地形図｣(原寸の75%)に関連する出題。｢地理｣の多様な分野からの設問だが、先ずはこの｢地形図｣の｢都道府県｣を判別しないと始まらない。｢室戸岬｣及び｢地形図の右端｣に記されている｢室戸市｣から、｢高知県｣だと判断したい。｢地形図の読み取り｣については、｢地図記号｣｢等高線｣等の知識や実際の｢写真｣との照合などで正確さが求められている。また、｢見慣れない雨温図｣や｢統計資料｣について､｢深い知識｣が必要なものもある。以下、ここで図示できない｢地形図の読み取り｣以外のいくつかを確認してみる。

[問６]　｢統計資料についての選択肢設問｣(４択)｡
示されている｢日本のある都市の月別平均降水量と平均気温を表したグラフ｣(ア)～(エ)について、本問の｢地形図の地域がふくまれる都道府県の都市｣のものを答える。見たこともないような｢雨温図｣にとまどうことは必至だ。が、そこは冷静になること。｢横軸が降水量｣で｢縦軸が気温｣を示すと記されているので、そこから判別していく。｢地形図｣は｢高知県｣だと判断できていれば、｢月別平均気温｣が｢０℃以下｣や｢０℃付近｣がある選択肢(ア)(エ)､そして全て｢15℃以上｣の(ウ)はあり得ないと判別できるはずだ。よって、｢答え｣は｢(イ)｣ということだ。｢知らない｣と悩むのではなく、｢知っていることで解ける｣と考えることが重要だ。
＜時間配分目安：１分＞

[問７(１)]　｢統計資料についての組み合わせ選択肢設問｣(６択)｡
示されている｢本問の地形図の地域がふくまれる都道府県の農業出荷額｣に占める｢米｣｢野菜｣｢畜産｣の割合を①～③のいずれかで表したグラフについて、それぞれに｢あてはまるもの｣の｢組み合わせ｣を答える。①が｢60%弱｣で以下､②③の順だ。｢地形図｣は｢高知県｣⇒｢促成栽培｣の｢野菜｣と結びつく。よって、｢答え｣は①＝｢野菜｣･②＝｢米｣･③＝｢畜産｣となっている選択肢(ウ)だと分かるはずだ。これは基本的問題なので､しっかりと正解したい。
＜時間配分目安：１分以内＞

[問７(２)]　｢統計資料に関する条件付き理由説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢60字ほど｣の解答欄)｡
[問７(１)]で答えた｢グラフ中の①｣(＝｢野菜｣)の｢割合が多い理由｣を説明する。｢条件｣は｢この都道府県の農業の特徴にふれる｣こと。前問でも確認したように、｢高知県｣といえば｢促成栽培｣､それが｢特徴｣だ。なぜ、｢高知県で促成栽培なのか｣ということも含めて、しっかりとまとめたい。たとえば、｢温暖な気候を利用して促成栽培を行い出荷することにより大きな利益を上げられるので、多くの農家が野菜を栽培しているから。｣といった｢答え｣になる。｢解答欄｣に応じて、しっかりと説明することが求められる。
＜時間配分目安：２分以内＞

[問11]　｢地形図に関する不適切選択肢設問｣(４択)｡
｢本問の地形図の地域がふくまれる都道府県の馬路村｣と同様に｢ブランド化された商品と都道府県の組み合わせ｣で｢あやまっているもの｣を答える。各選択肢は(ア)｢大間まぐろ―青森県｣､(イ)｢松坂牛―三重県｣､(ウ)｢越前がに―福井県｣､(エ)｢関さば―佐賀県｣｡(イ)(ウ)は｢適切｣ということは誰にでも分かるはず。残りの(ア)(エ)の判別、これは難問だ。知らなくても不思議ない。｢捨て問｣でも構わない。｢答え｣は｢(エ)｣。｢ブランド品｣の｢関さば｣は､｢佐賀関(さがのせき)港｣などに水揚げされる｢さば｣だが、｢佐賀関｣は｢大分県｣だ。尚、いわゆる｢地域ブランド｣は､｢地方再生｣の切り札の一つとして再び注目されているので、｢時事問題｣としても要注意だ。
＜時間配分目安：１分以内＞

示されている｢西暦574～1950年までの年表｣から出題。｢歴史｣の多様な分野からの設問が並ぶ。｢正誤判別の組み合わせ｣や｢年代整序｣､珍しい｢位置整序｣などに、本校ならではの｢意地悪さ｣が表れている。｢事実関係｣｢背景｣｢人物｣｢年代｣など、細部まで十分に注意しないと正解できない。以下、いくつか検討してみよう。

[問３]　｢年表についての正誤判別組み合わせ選択肢設問｣(４択)。
年表中の(Ｃ)｢都が平安京に移される｣について、示されている①～④の｢平安時代の文化に関する説明文｣で｢正しいものの組み合わせ｣を答える。｢正誤判別組み合わせ選択肢｣では、明らかに｢適切｣あるいは｢不適切｣と判別できるものから特定し､｢消去｣していくことがポイントだ。ここでは先ず、｢かな文字が男性を中心に使われた｣⇒｢かな文字｣は｢男性｣ではなく｢女性｣だとすぐ分かる＝明らかに｢不適切｣⇒選択肢(イ)(エ)(カ)は｢消去｣⇒残りでは②の｢寝殿造｣｢大和絵｣は明らかに｢適切｣なので、｢答え｣は｢(オ)＝②と④｣となる。尚、①の｢浄土教は、源信が説いた後、空也が『往生要集』をあらわしてさかんになった｣は、｢源信｣と｢空也｣が逆なので｢不適切｣だ。いずれにしても、｢細部｣へのこだわりが正誤を分ける。
＜時間配分目安：１分＞

[問４]　｢年表についての年代整序選択肢設問｣(複数完全解答/５択)。
年表中の(Ｄ)｢794～1167年｣の期間におこった｢できごと｣として示されている(ア)～(オ)を､古い順に並べかえ｢２番目｣と｢４番目｣を答える。｢年代整序｣では、覚えているであろう｢年代｣で無理やり｢整序｣しようとすると、｢数字｣を取り違えて誤ってしまう可能性があるので、必ず｢背景｣や｢流れ｣で整理しつないでいくこと。ここでは、｢平安時代初期｣の選択肢(ウ)｢坂上田村麻呂の征夷大将軍就任｣→｢摂関政治初期｣の(エ)｢藤原基経の関白就任｣→｢平安時代中期｣の(ア)｢藤原純友の乱｣→｢摂関政治全盛期｣の(イ)｢藤原道長の摂政就任｣→｢平安時代後期｣の(オ)｢白河上皇の院政｣という｢流れ｣だ。従って、｢答え｣は｢２番目｣＝(エ)、｢４番目｣＝(イ)となる。｢できごと｣と｢時代の流れ｣を結びつけること。
＜時間配分目安：１分半＞

[問９]　｢年表についての位置整序選択肢設問｣(５択)。
年表中の(Ｉ)｢本能寺の変｣について、示されている｢織田信長に関するできごと｣(ア)～(オ)が｢おこった場所｣を､｢東から順｣に並べかえ｢３番目｣を答える。｢位置整序｣という新傾向の設問で興味深い。ここでは、｢できごとの場所｣を｢都道府県｣でとらえていただけでは特定できないのでやっかいな難問だ。選択肢(ア)｢比叡山延暦寺の焼き討ち｣＝｢滋賀県｣､(イ)｢安土城の建設｣＝｢滋賀県｣､(ウ)｢桶狭間の戦い｣＝｢愛知県｣､(エ)｢本能寺の変｣＝｢京都府｣､(オ)｢長篠の戦い｣＝｢愛知県｣｡｢都道府県｣での｢整序｣は､｢愛知県｣→｢滋賀県｣→｢京都府｣となるので、｢３番目｣は(ア)か(イ)だ。琵琶湖をはさんで、｢比叡山｣が｢西岸｣で｢安土城｣は｢東岸｣となる。従って、｢答え｣は｢(イ)｣だが、確かに難しい。ちなみに、｢桶狭間｣＝｢尾張｣＝｢愛知県西部の名古屋市付近｣､｢長篠｣＝｢三河｣＝｢愛知県東部の新城市付近｣｡｢歴史上のできごと｣は｢地図上での位置｣を特定できるようにしておくこと｡
＜時間配分目安：１分半＞

[問12]　｢年表に関する空所補充事項記述設問｣(｢漢字｣指定)。
年表中の(Ｌ)｢平塚らいてうが青鞜社をつくる｣に関して示されている､｢元始､女性は実に太陽であった。……今､女性は   　  である｣の｢空所｣に｢あてはまる語句｣を｢漢字｣で答える。雑誌｢青鞜｣の冒頭部分、誰でも知っているはず。が、｢太陽であった｣だけを覚えていてもダメだ。｢答え｣は｢月｣｡やはり、本校は一筋縄でいかない。｢深知り知識｣が求められていると心得よ。
＜時間配分目安：30秒＞

[問13]　｢年表についての年代整序選択肢設問｣(複数完全解答/５択)。
年表中の(Ｍ)｢1911～1945年｣の期間におこった｢できごと｣として示されている(ア)～(オ)を､古い順に並べかえ｢２番目｣と｢４番目｣を答える。ここも｢流れ｣で｢整序｣していきたい。整理する。｢日中戦争｣の長期化に備えて選択肢(イ)｢国家総動員法制定｣→｢第二次世界大戦勃発(ぼっぱつ)｣→(ウ)｢日独伊三国同盟締結｣→(ア)｢日ソ中立条約締結｣→｢南部仏印進駐｣→｢日米関係の決定的決裂｣→(エ)｢太平洋戦争勃発｣→(オ)｢沖縄での地上戦｣という｢流れ｣。従って、｢答え｣は｢２番目｣＝(ウ)、｢４番目｣＝(エ)だ。昭和初期の｢戦前｣～｢戦中｣は毎年のように｢重要なできごと｣が連なっているので、しっかりと整理しておくこと。
＜時間配分目安：１分半＞

[問14]　｢年表についての内容説明記述設問｣(｢50～70字以内｣指定)。
年表中の(Ｎ)｢朝鮮戦争｣について、｢朝鮮戦争が日本に与えた影響｣を説明する。易しいじゃん。｢朝鮮戦争｣⇒｢警察予備隊｣｢特需景気｣でしょ。確かにそうだ。だが、それだけで｢50～70字｣の説明ができるか？　｢冷戦の深刻化｣⇒｢朝鮮戦争｣⇒｢日本駐留の米軍が朝鮮へ出撃｣⇒｢日本国内の治安維持を名目に警察予備隊創設｣⇒｢軍需品の特別需要(特需)で戦後復興加速｣⇒｢『東側諸国に対する防波堤』として『日本の独立』が早まる｣といった｢背景｣｢流れ｣を踏まえて､｢影響｣をまとめる必要がある。たとえば、｢日本駐留の米軍が朝鮮へ出撃し､治安維持を名目に警察予備隊が創設され、軍需品の特需で戦後復興は加速、冷戦の深刻化で日本の独立が早まった。｣といった｢答え｣になる。｢歴史的事項｣は､単に｢点｣として覚えるだけでなく、｢線｣として｢流れ｣をつなぎ､｢面｣としての｢背景｣をも理解しておく必要がある。
＜時間配分目安：３分半＞

｢選挙権年齢の引き下げ｣という｢時事ネタ｣を切り口とした｢国会と内閣の役割についての会話文｣から出題。｢公民｣の｢政治･経済･国際｣分野に関する｢基礎的な問題｣がほとんどだが、やや分かりづらいものもある。以下、いくつか検証する。

[問２]　｢下線部に関しての不適切選択肢設問｣(４択)。
下線部②｢国会｣に関して、｢衆議院と参議院が異なった議決をした｣場合、｢衆議院の議決がそのまま国会の議決になるもの｣として示されている(ア)～(エ)の中で､｢あやまっているもの｣を答える。頻出の｢衆議院の優越｣に関する問題だが、｢優越｣しているかどうかではなく､｢優越内容の相違｣を問われているのでやや紛らわしい。各選択肢は、(ア)｢法律案の議決｣､(イ)｢予算の議決｣､(ウ)｢条約の承認｣､(エ)｢内閣総理大臣の指名｣｡さあ、どうか？　判別できるか？　(イ)(ウ)(エ)は｢両院協議会の開催｣｢参議院が一定期間内に議決しない｣などの条件はあるが、基本的には｢衆議院の議決がそのまま国会の議決になる｣が、(ア)に関しては｢衆議院｣で｢出席議員の３分の２以上の賛成で再可決｣しなければ成立しない。よって、｢答え｣は｢(ア)｣だ。尚、｢国会の仕事｣で｢衆議院の優越｣が適用されないのは、｢憲法改正の発議｣｢弾劾裁判所の設置｣｢国政調査権の発動｣だ。確認しておきたい。
＜時間配分目安：１分以内＞

[問７]　｢下線部に関しての正誤判別選択肢設問｣(複数完全解答/４択)。
下線部⑦｢物価｣に関して、示されている｢物価や物価対策についての説明文｣(ア)～(エ)の中で､｢一般的に正しいもの｣を｢すべて｣答える。｢インフレ｣と｢デフレ｣についての説明だ。単なる｢定義｣だけではなく、｢状況｣や｢影響｣も正確にとらえる必要がある。選択肢(ア)｢インフレとは物価が下がりつづける状況｣⇒｢物価｣が｢上がる｣のが｢インフレ｣なので｢誤り｣､(イ)｢インフレになると通貨価値が下がる｣⇒｢物価が上がる｣ので｢正しい｣､(ウ)｢デフレの時は、消費者の購買意欲を高める政策をおこなう｣⇒｢デフレ｣では｢所得が減少する｣ので｢正しい｣､(エ)｢デフレになると、好景気になりやすい｣⇒｢デフレ｣＝｢不景気｣なので｢誤り｣｡なので、｢答え｣は｢(イ)(ウ)｣。｢経済分野｣については抜けている人も多いので、注意すること｡
＜時間配分目安：１分以内＞

[問８]　｢下線部に関しての事項記述設問｣(｢アルファベット｣指定)。
下線部⑧｢国際問題｣に関して、｢国際連合｣にある｢難民の救済をおこなう機関｣の｢名前｣を｢アルファベット｣で答える。無論、｢国連難民高等弁務官事務所｣のことだが、｢日本名｣ですら長くて覚えづらいのに、ましてや｢アルファベット｣ではとうか？　｢答え｣は｢ＵＮＨＣＲ｣だ。｢国際機関｣などの｢アルファベット略称｣は｢日本名｣とセットで正確に定着させておく必要がある。特に、似通っているものには要注意だ。たとえば、｢ＧＮＰ｣(＝国民総生産)と｢ＧＤＰ｣(＝国内総生産)､｢ＮＧＯ｣(＝非政府組織)と｢ＮＰＯ｣(＝非営利組織)､｢ＰＫＯ｣(＝国連平和維持活動)と｢ＰＫＦ｣(＝国連平和維持軍)などだ。
＜時間配分目安：１分以内＞