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サレジオ学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「サレジオ学院中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題の構成

【大問1・2】に漢字の読み書き、【大問3・4】に説明的文章と文学的文章の読解がそれぞれ割り当てられている。ことばの知識はほぼ出題が無く、接続詞が出るくらいである。総解答数は30~35問程度
素材文は計10000字ほどになり、読むスピードが必要である。設問は選択肢と記述問題が主で、書き抜き問題はあまり見られない。2020年度以降では選択肢が4択になった。内容の違いがはっきりしているので微妙な差異に悩むような選択肢にはなっていない。

説明的文章の読解

自然科学・社会科学分野の論説文がよく用いられている。字数は3500字ほど。文章は平易だが、分野によってはやや専門的な内容になり難しい場合もある。
要点・要旨に関わる部分が解答となることが多いので、論説文の読解の技術を高めておこう。

段落の整理

形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

要点

各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

要旨 

要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。

文学的文章の読解

小説が多く使われている。字数は6500~7500字程度。
受験生と年齢の近い人物を主人公にした話が多く、その舞台や状況も馴染みのあるものなので、理解しやすいだろう。問われるのはやはり、人物の心情が中心になる。小説の読解の基本をしっかり身に付けておこう。

人物の整理

人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

場面の変化

時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

心情の把握

人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

主題の理解

作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

記述問題

文中の適切な部分をまとめるか、手がかりをもとに考えて答えられる問題が多い。「自分の意見を述べなさい」といった論述タイプの問題にはなっていない。字数は30~80字程度でまとめるようになっている。
論説文・小説ともに読解がしっかりできていれば答えられる問題になっているので、まずは読解力

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2024年度「サレジオ学院中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は25問。素材文は計10000字ほど、2020年度以降では選択肢は4択となっている。ともあれ、読む分量は多い。本文を素早く読み終えて、問題を解く時間をなるべく多く確保したい。記述問題は自分で意見を考えて書く論説タイプではないので、本文を読み取れていれば規定の字数を埋められるだろう。

【大問一】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

① 物議   昨今   降板   参集   痛快   君臨  

 無下   むら(がる)   まぐち   ていさい

【大問二】論説的随筆文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:21分

チンパンジーなどと同様に魚類にも「鏡像自己認知」能力があると実験で証明され、大きな発見であると述べられている。

問一 「ヒトだけが自己意識を持ち、自己やこころをもっている」とする考えである。動物は「自己を振り返ること」ができないので、自己意識はないとデカルトはみなした。

問二 (十分鏡を見せる)→額などに印をつける→鏡がないと気づかず、触らないと確認してから鏡を見せる→鏡を見て初めて印に気づき、鏡ではなく直接自分の印を触ったら、自分を認識できていることになる→この認識なしでは、鏡を見て自分の額を触ることはできないからである

問三 イ. 与えられた二つの前提から「私は就職できる」かどうかは決定されない。

問四 「印が気になり擦り落そうとする」性質が重要だったと述べられている。自分の体についた印に対して行動を起こすかどうかが、自己認識の証拠になるのである。

問五 鏡がない状態とある状態を比べることで、鏡を見たうえで行動したのかどうかを確かめようとした→選択肢

問六 これまで鏡像自己認識が確認されたのはチンパンジー・イルカ・ゾウ・カラスの仲間など、脳が大きく社会性の発達した賢い動物であった。しかし、もし魚類に鏡像自己認識があればさらにほぼすべての脊椎動物にも可能性があることになり、従来の西洋的価値観の土台をひっくり返しかねない発見ともなるのである。

問七 印ならば何でもよいわけではなく、寄生虫に似た茶色の模様やシミにだけ反応することを確かめたかったのである。

【大問三】随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:26分
  • ★必答問題

陰謀論を信じて病的に疫病を警戒する父親とともに三年間世の中と隔絶されて生きてきた主人公は、疫病が治まった後もその影響から抜け出せずに社会に絶望する。

問一 他の「安全」ではない人たちが無神経に触ったモノが周囲にあふれており、それまで父親と暮らしていた疫病から隔絶された家ではないことに恐れを抱いている。

問二 太ってきたので糖分を控えようとしていたジェイが、当たり前のようにお菓子を取ろうとしたので、エマがたしなめた。

問三 三年間世の中と隔絶して生きてきた主人公がもとの生活に戻るのは大変だと考え、急かすのはよくないとヴァルは考えている。それに対してジェイはどうせすぐわかるのだから教えた方がよいという考えである。

問四 「矛盾」は「矛(やり)」と「盾」という「対」になる語の組み合わせである→東西

問五 主人公がかつて流行った疫病をいまだに警戒し、他人が触ったもの触れられない状態であることを自分はわかっていると、目線を合わせることで伝えている。

問六 根拠のない陰謀論にとらわれ疫病を病的に恐れている父親のせいで、3年間社会から隔絶した生活を送り自分たち以外の人々を遮断していた。

問七 それまで極度に恐れていた他人の触れたものを食べ、手も洗わなくなってしまうなど「どうでもいい」と自暴自棄になっている。自分ももう汚染された世界にいて身を守ることができないと思ったのである。

問八 疫病がもう終わったという政府の発表を信じ、以前と同じような生活を送ろうとしているエマを、何もわかっていないのだとあわれに思っている。

攻略のポイント

本文を速く読み終えれば考える時間に余裕ができ、記述問題にも落ち着いて取り組める。1分650~700字くらいを目標に文を読めるようになっておきたい

ここ数年はことばの知識はほぼ出題が無いが、語彙の多さは長文読解の基礎を支える部分でもあるので、問題に出ないからとおろそかにしてはいけない。漢字も配点が大きいので、おざなりの練習で済まさないでがっちり取り組んでほしい。記述問題は、要旨・要約をまとめてみたり、人物の気持ちや物語のテーマを書き出してみたりといった練習が役にたつだろう。

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