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サレジオ学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「サレジオ学院中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題の構成

【大問1・2】に漢字の読み書き、【大問3・4】に説明的文章と文学的文章の読解がそれぞれ割り当てられている。ことばの知識はほぼ出題が無く、接続詞が出るくらいである。総解答数は30~35問程度
素材文は計10000字ほどになり、読むスピードが必要である。設問は選択肢と記述問題が主で、書き抜き問題はあまり見られない。2020年度以降では選択肢が4択になった。内容の違いがはっきりしているので微妙な差異に悩むような選択肢にはなっていない。

説明的文章の読解

自然科学・社会科学分野の論説文がよく用いられている。字数は3500字ほど。文章は平易だが、分野によってはやや専門的な内容になり難しい場合もある。
要点・要旨に関わる部分が解答となることが多いので、論説文の読解の技術を高めておこう。

段落の整理

形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

要点

各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

要旨 

要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。

文学的文章の読解

小説が多く使われている。字数は6500~7500字程度。
受験生と年齢の近い人物を主人公にした話が多く、その舞台や状況も馴染みのあるものなので、理解しやすいだろう。問われるのはやはり、人物の心情が中心になる。小説の読解の基本をしっかり身に付けておこう。

人物の整理

人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

場面の変化

時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

心情の把握

人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

主題の理解

作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

記述問題

文中の適切な部分をまとめるか、手がかりをもとに考えて答えられる問題が多い。「自分の意見を述べなさい」といった論述タイプの問題にはなっていない。字数は30~80字程度でまとめるようになっている。
論説文・小説ともに読解がしっかりできていれば答えられる問題になっているので、まずは読解力

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2023年度「サレジオ学院中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は27問。素材文は計9000字ほど、2020年度以降では選択肢は4択となっている。ともあれ、読む分量は多い。本文を素早く読み終えて、問題を解く時間をなるべく多く確保したい。
記述問題は自分で意見を考えて書く論説タイプではないので、本文を読み取れていれば規定の字数を埋められるだろう。

【大問一】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

 額面   延期   閉口   元手   遺物   留(めない) 
 務(め)   そこう   なまはんか   の(け者)

【大問二】論説的随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20分

「~ガチャ」という表現を題材に、社会や人生は「すべては運次第」でも「意志や努力次第」でもなく、運の要素とそうでないものが織り交ざって人生の実質やアイデンティティが形作られるのだと説いている。

問一 エ. もともとくじの一種である「ガチャ」から転じて、どのような親の元に生まれるかは運次第という意味で「親ガチャ」という表現が生まれた。

問二 1. 前段落の「親ガチャ」を受けて、「確かに生みの親は選べなかった」。
   2. 「しかし」、それを言うなら親だけでなく物事の大半は「ガチャ」ともいえる。
   3. 「顔ガチャ」、「つまり」イケメンに生まれるかブサイクに生まれるかという運。

問三 人の行為の結果は、「自分の意志によるもの」か「めぐり合わせによるもの」か、明確な線引きはできない。どちらもが織り交ざった複合的なものなのである。

問四 まず(A)が運の要素を否定していないことを確認する。そして(B)で「~ことになりました」という身近な言い方を具体例として(A)の意見を補強している。

問五 つれない――態度が冷淡である・よそよそしい。

問六 麗子や中川のような主張を指している。人生は多かれ少なかれ賭けのようなもので運に左右されるという現実を認めず、努力や意志の力でどうにでもなるという主張である。

問七 筆者も「~ガチャ」という表現は「過剰」だと思っている。しかし、世間が運など存在せずすべては本人の意志と努力次第であるというきれいごとを繰り返すほど、それが建前であるとわかっている人々はむしろ人生の真実を暴く表現として「~ガチャ」を多用することになるのである。

問八 イ. 最後の三段落の内容と合っている。

【大問三】随筆文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:27分
  • ★必答問題

棋士である筆者が小学生時代に地元の将棋会館に出入りしたときの出来事が語られる。

問一 描かれている様子から、子供たちが真剣に戦っていることがうかがえる。紙に書いた将棋盤と駒で、戦術すらおぼつかないが本気で勝負に挑んでいたという意味では、それは「将棋」だったのである。

問二   1   黙々と真剣に将棋を指しているさまで、「一心不乱」。
     2   少年の次手を指す早さを表す「間髪を入れず」。

問三 初めて足を踏み入れた将棋会館の雰囲気にのまれ、緊張しながらも面白そうだという興味もあり戸惑っていたところ、やさしく声をかけてもらって気持ちがほぐれたのである。

問四 会館で初めて指した将棋で勝利し7級という認定も受けたことが嬉しかったが、年上ばかりの真剣勝負の「怖いところ」に「一人で入ってしまったという罪悪感」も感じている→選択肢

問五 自分より年下の成田君が、老人と有段者しか上がってはいけない奥の和室に当然のように上がり込み強い相手を求めたことに、驚いてしまった。

問六 エ. 成田少年の大人をも凌駕する実力に圧倒されているので、「嫉妬心」や「ライバル心」など持てるはずもない。

問七 ア. 「人々が当然のこととして受け入れた」という様子は示されていない。
   ウ. 現在大人である筆者が、小学6年生当時を振り返っている文章である。

攻略のポイント

本文を速く読み終えれば考える時間に余裕ができ、記述問題にも落ち着いて取り組める。1分650~700字くらいを目標に文を読めるようになっておきたい。
ここ数年はことばの知識はほぼ出題が無いが、語彙の多さは長文読解の基礎を支える部分でもあるので、問題に出ないからとおろそかにしてはいけない。漢字も配点が大きいので、おざなりの練習で済まさないでがっちり取り組んでほしい。
記述問題は、要旨・要約をまとめてみたり、人物の気持ちや物語のテーマを書き出してみたりといった練習が役にたつだろう。

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