サレジオ学院中学校 入試対策
2024年度「サレジオ学院中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
2018年度では大問3つに地理・歴史・政治経済の各分野が割り当てられているオーソドックスな形式だったが、2019年度から大問ひとつに各分野の問題が混在する形となった。約1500~2500字のリード文で、問題ごとに分野がばらばらに出されている。各問題に短いリード文がつく場合もある。
設問は記号選択と適語記入が中心で、記述問題が2問出されている。2018年度のような100字にもなる長文記述は出されていない。いずれも字数指定の無い2行ほどの記述で、出来事について理由・原因を説明する問題などが見られた。
総解答数も30~35問と2018年度より少なくなっているが、2024年度は46問とやや増えた。時間は変わらず40分なので、平均的なスピードで解ければ足りなくなることは無いだろう。
[地理分野]
リード文を読み、下線部や空欄について答えていく形である。各地の地名・産業・気候など幅ひろく訊かれている。地図の読み取りもよく出されている。
地図・雨温図・各種統計やグラフなどの資料も多く使われている。記述問題では東北地方の冷害とは(2024年度)といった内容が問われている。統計やグラフを使った問題が多いので、最新のデータに触れておくとともに、数値の読み取り・比較などになれておこう。
[歴史分野]
リード文をいくつか読み、それぞれの空欄や下線部について答えていく形に変わりはない。
古代から近・現代まで幅広い時代から出来事・人物・文化などさまざまな項目の問題が出されている。時代順の並べかえの問題もある。この分野では文章による問いが多く、図版などの資料はほとんど用いられていない。
記述問題は、明治憲法下の国家機関の特徴と問題点(2021年度)や関東大震災直後の混乱と虐殺(2024年度)などの内容が出されている。2018年度では80~100字ほども書く欄があったが、2019年度以降は2行ほどの文量になっている。知識だけでは答えられない問題もあり、思考力が必要である。類似問題を多くこなしておこう。
[政治経済分野]
リード文の空欄・下線部について答えていく問題。
憲法・政治の仕組みなどについて訊かれている。国際関係や貿易、時事問題なども合わせて出題されている。貧困層への少額貸付の意義(2019年度)や飢餓を解消する対策(2020年度)といった問題が出された。前年など、直近に起こった社会的な出来事も取り上げられているので、国内外の動向や関係する国・地域の位置など、世界地理にも注意して確認しておこう。
[記述問題]
2023年度では歴史的事象としてコロナ禍をどう表現するか考える問題、2024年度では例示された避難所掲示板の問題点などが出された。知識だけでは答えられない問題もあり、2018年度以降難しくなった印象である。字数は多くないので、理由や原因を簡潔にまとめるような練習を類似問題で積んでおくとよいだろう。
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2024年度「サレジオ学院中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数46問で、時間は40分。リード文は計2500字ほどだが、時間が無ければ下線部だけ読んでも答えられる。ほぼ一問一答形式で記述問題も2行ほどの短い文量なので、時間は足りるだろう。資料の読み取りと記述問題は考える時間が必要になるので、その他の知識問題に時間をかけ過ぎないようにペース配分を考えよう。
【大問】総合問題
- 難度:やや難
- 時間配分:40
- ★必答問題
情報伝達を話題とした総合問題。
問1 (A)・(B) 第26条は教育に関する条文で、教育を受ける権利とともに教育を受けさせる義務について書かれている。
(C) 第27条は勤労の権利と義務について。
(D) 第30条は納税の義務について。
問2 ウ. 賃金を上げる要求と話し合いは労働者の権利であり、使用者はそれを理由に労働者を解雇してはならない。
問3 カ. 「人間を超える力」を否定している。
問4 (1) A. 能登 B. 北前
(2) 現代では灯台が船の航路の安全を担っている・イ。
(3) 「神社は同じ方向にある」ので二人がいるのはBかC。アスカのいる場所の北側に城跡があるので、アスカはCの学校に、ヤマトはBの学校にいる。
問5 山陽道は当時の都があった近畿地方と中国・九州地方を結ぶ重要な道で、大陸との交流の窓口になっていた大宰府へと続く要所であった。
問6 エ. キリスト教が広まるのは室町幕府滅亡の後である。
問7 ウ. カイコの繭から作られる生糸は絹織物の材料である。
問8 大内氏・尼子氏・毛利氏の争いで毛利氏が勝利し、石見銀山を所有した。
問9 日本からは織物や生糸が輸出され、船や鉄などが輸入された。
問10 立札によって法律や禁止事項などが掲示された。現在の裁判所の地図記号の図案のもとになった。
問11 (1) イの田沼意次・ウの徳川吉宗・カの島原・天草一揆はそれぞれ時代が合わない。
(2) イに描かれた「アマビエ」は疫病を鎮める妖怪として、コロナ禍において有名になった。
問12 Aは東京が突出して大きいので小売業年間販売額、Cは名古屋がある愛知県が大きいので製造品出荷額、Bは農業の盛んな地域が多いので農業産出00Aは日本銀行のことであるから、イが正解。
(2) Bは渋沢栄一で、イが正解。
問14 (1) 天気予報などで気象衛星「ひまわり」の画像がよく用いられている。最新のひまわりは9号である。
(2) 夏の低温や日照不足などにより、農作物の生育不良や収穫の減少などが起こることを冷害という。東北地方では北東からふく季節風「やませ」により、例外が発生することがある。
問15 (1) 東経135度
(2) (兵庫県)明石(市)
(3) ①は降水量の少なさから瀬尾内気候のB市、②は冬の降水(雪)量の多さから日本海側気候のA市、③は太平洋側のC市である。
問16 パソコン・携帯電話の普及は1990年代後半から始まったので、35年前では60%は超えていない。
問17 ② ヨーロッパが主戦場となったため、大戦中は日本からの輸出が増え好景気となったが、大戦後は欧州諸国の復興とともに日本の景気は後退した。
問18 荒物屋は家庭で使う雑貨や金物などを売る店で、八百屋は野菜・果物などを主に扱う店である。
問19 (1) 東側諸国と西側諸国の間の対立である冷戦下で、ドイツは「ベルリンの壁」で東西に分断されていた。その後雪解けムードが高まり、やがてベルリンの壁は崩壊した。そうした東西の融和ムードが拒否権行使の減少となって表れているのである。
(2) 記事2でエルサレムへの大使館の強硬設置を行ったのがアメリカのトランプ大統領である。
問20 環境庁から環境省へ(2001年)→防衛庁から防衛省へ(2007年)→復興庁の発足(2012年)→デジタル庁の発足(2021年)
問21 (A) リンカーンのゲティスバーグの演説(1863年)→イ(明治時代初め)
(B) 新しい権利(1970年代~)→エ(1950年代~)
問22 A. 身体→ア B. 経済活動→ウ
問23 関東大震災後の混乱の中で朝鮮人が暴動を起こしたなどのデマが流れ、信じた民衆や警察・軍隊が多くの罪のない朝鮮人や中国人を殺害するという犯罪行為が行われた。
問24 トレーサビリティとは商品の流通過程を「追跡」できるシステムのことで、問題が生じた際の責任の所在や原因を調べやすくする仕組みである。
問25 (1) まずはウのような利用する上での決まりが必要である。
(2) すべて日本語による文字・図版などの視覚情報が用いられている点で改善が望まれる。目の不自由な人のために音声などによるガイドが必要であろうし、避難するのは日本人だけではないであろうから、韓国・中国など日本に多く暮らす人の言語による説明も加えた方が良い。
攻略のポイント
地図・統計・写真などの各種資料が多く用いられている。資料集などによく目を通して、覚えておくと同時に数値の見方などに慣れておこう。適語記入は漢字指定なので、しっかり書けるように覚えておくこと。
記述問題も過去の年度とは傾向が少し変わっているようなので、2行程度でまとめる形で練習を積んでおこう。なお、受験者平均点に大きな変動はないので、難易度は変わっていないようである。総合問題形式になったので、各分野が混在する形式にも慣れておきたい。
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