サレジオ学院中学校 入試対策
2019年度「サレジオ学院中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題の構成
2018年度では大問3つに地理・歴史・政治経済の各分野が割り当てられているオーソドックスな形式だったが、2019年度は大問ひとつに各分野の問題が混在する形となった。
約900字のリード文を読み、問題ごとに分野がばらばらに出されている。各問題に短いリード文がつく場合もある。
設問は記号選択と適語記入が中心で、記述問題が2問出されている。2018年度のような100字にもなる長文記述は出されていない。いずれも字数指定の無い2行ほどの記述で、出来事について理由・原因を説明する問題などが見られた。
総解答数も30問と2018年度より少なくなっている。時間は変わらず40分なので、平均的なスピードで解ければ足りなくなることは無いだろう。
地理分野
リード文を読み、下線部や空欄について答えていく形である。各地の地名・産業・気候など幅ひろく訊かれている。地図の読み取りもよく出されている。
地図・雨温図・各種統計やグラフなどの資料も多く使われている。
2018年度では地理分野で記述問題が2問出されたが、2019年度では出されなかった。
統計やグラフを使った問題が多いので、最新のデータに触れておくとともに、数値の読み取り・比較などになれておこう。
歴史分野
リード文をいくつか読み、それぞれの空欄や下線部について答えていく形に変わりはない。
古代から近・現代まで幅広い時代から出来事・人物・文化などさまざまな項目の問題が出されている。時代順の並べかえの問題もある。この分野では文章による問いが多く、図版などの資料はほとんど用いられていない。
記述問題は、朝鮮半島が南北に分断された経緯(2018年度)や金と銀の交換比率の変化の理由(2019年度)などの内容が出されている。2018年度では80~100字ほども書く欄があったが、2019年度は2行ほどの文量になっている。知識だけでは答えられない問題になっており、思考力が必要である。類似問題を多くこなしておこう。
政治経済分野
リード文の空欄・下線部について答えていく問題。
憲法・政治の仕組みなどについて訊かれている。国際関係や貿易、時事問題なども合わせて出題されている。
輸出入額の変化の原因(2018年度)や貧困層への少額貸付の意義(2019年度)といった問題が出された。
前年など、直近に起こった社会的な出来事も取り上げられているので、国内外の動向や関係する国・地域の位置など、世界地理にも注意して確認しておこう。
記述問題
2019年度は2行程度の記述問題が2問出された。出来事の理由を考える問題で、知識だけでは答えられない問題もあり、2018年度より難しくなった印象である。字数は多くないので、理由や原因を簡潔にまとめるような練習を類似問題で積んでおくとよいだろう。
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2019年度「サレジオ学院中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数30問は、時間が40分なので少なめである。リード文は計900字ほどだが、時間が無ければ下線部だけ読んでも答えられる。
ほぼ一問一答形式で記述問題も2行ほどの短い文量なので、時間は足りるだろう。資料の読み取りと記述問題は考える時間が必要になるので、その他の知識問題に時間をかけ過ぎないようにペース配分を考えよう。
【大問】総合問題
- 難度:やや難
- 時間配分:40
- ★必答問題
貨幣や紙幣を話題にした各分野の総合問題。
問1 「消費者の立場」からは商品が安く買えたほうがよいので、アとなる。企業や生産者の意見としてはイやウとなるであろう。エは政府や経営者の意見であろう。
問2 和同開珎がつくられたのは708年で、奈良時代の都・平城京周辺で流通した。
問3 労役の代わりに布を納めるのが庸。調は地方の特産物などを納める。
問4 (1) アとウは日本からの輸出品である。
(2) ア~ウは飛鳥時代~奈良時代に建てられた。
(3) 株仲間は江戸時代の組合組織である。
問5 (1) 日光市や鉱毒事件の起こった渡良瀬川は栃木県にある。
(2) 衆議院議員だった田中正造は鉱毒事件の解決に力を尽くした人物である。
(3) イ. 地図中の鉄道の記号はJR線以外・単線の記号である。
問6 都市部でも多く使われるスマートフォンなどの電子機器には金をはじめとする貴金属が含まれており、都市にある資源という意味で「都市鉱山」と呼ばれる。オリンピックのメダルの材料にするため古い機器の寄付が募られた。
問7 (1) 税に関する業務は財務省とその下部組織・国税庁が行っている。
(2) ウ. 予算案については再可決は必要ではなく、衆議院での最初の議決が両院の議決となる。
(3) 消費税は3%・5%・8%と段階的に少しずつ引き上げられたので、ウが選べる。
問8 アルミニウムはその精製に多くの電気を必要とする。石油危機で燃料が高騰し電気料金も値上がりしてコスト高となり、外国製の安価な製品へとシフトしていった。
問9 (1) Aは第一次産業が多いので農業の盛んな秋田、Bは第二次産業が多いので機械工業の生産額が大きい愛知、Cは観光・飲食店などのサービス業が多い福岡と考えられる。
(2) Dは畜産が盛んであることから鹿児島、Fは野菜の生産が多いので大都市に近い神奈川、残るEが和歌山となる。
(3) アは鯛、ウはあじ、エはまぐろである。八戸・釧路などには北の海で多く獲れるサケ・マスなどの水揚げが多い。
(4) Iは製紙・パルプの生産が多いので富士市などのある静岡、Jは印刷・出版が多いことから東京、残るHが神奈川である。
問10 野口英世は黄熱病の研究で知られ、自身も黄熱病にかかり命を落としている。ノーベル賞は受賞していない。
問12 Aは愛知県の電照菊や花の栽培が盛んな沖縄などからきくの出荷量、Bは沖縄が圧倒的に多いので在日米軍施設、残るCが人口比率となる。
問13 守礼門の創建は16世紀なのでイとエの間に入る。
問14 (1) 憲法第25条は社会権のうちの生存権についての規定で、人は「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利があるとするもので、この理念にもとづいて公的扶助などの制度が設けられている。
(2) よく表現の自由という権利に関して引き合いに出される条文である。
問15 平等院は藤原頼通により開基された阿弥陀堂建築である。
問16 (2) 大阪は経済の中心地で米などの物資が集められて売り買いされた。そのため商取引では大阪で多く使われた銀が優位であったが、幕府は江戸で使われる金の価値を上げることで財政を上向かせようとしたのである。
(3) ドルの信用が落ちてそのぶん円が買われる(円に対してドルが弱くなる)ので、円高ドル安になり、輸入に有利になる。
問18 通貨は国が発行するものであり、その国の経済力・信用力が通貨の価値となる。国が破綻しない限り、その信用は維持されるのである。
問19 グラミン銀行は、生活資金ではなく起業や就労の準備のためのお金を低利・無担保で融資し、貧困や生活困窮から抜け出し自立することを支援する機関である。貧しい人たちにお金をただあげるだけでは、一時的に楽になるだけで貧困の根本の原因は解決されない。彼らが自立した生活へと踏み出す元手となる資金を貸すことに意味があるのである。
攻略のポイント
地図・統計・写真などの各種資料が多く用いられている。資料集などによく目を通して、覚えておくと同時に数値の見方などに慣れておこう。
適語記入は漢字指定なので、しっかり書けるように覚えておくこと。
記述問題も前年度とは傾向が少し変わっているようなので、2行程度でまとめる形で練習を積んでおこう。
なお、受験者平均点に大きな変動はないので、難易度は変わっていないようである。総合問題形式になったので、各分野が混在する形式にも慣れておきたい。
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