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西武学園文理中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「西武学園文理中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成]

大問は4~5つ。大問1と大問2が論説文の読解と小説の読解、大問3~5が四字熟語・慣用句・漢字の読み書きなどの言語事項という形が、ここ数年続いている。
素材文の字数は計8000~10000字ほど。総解答数は25~30問。設問は選択式と抜き出しが多い。「文中の語を使って」書く問題も数問出される。

[説明的文章の読解]

社会科学・人文科学の分野からの文章が多い。一般に向けた説明的随筆文が多いので、難解な用語などはなく、読みやすい。読解力があれば、十分に得点できるだろう。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。

・段落の整理                                            
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

・要旨                                               
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。

[文学的文章の読解]

学生・生徒が主人公で、主人公の視点で描かれた小説が多く用いられている。受験生と年齢が近いので、その言動や気持ちも理解しやすいだろう。適切な読解力があれば答えられる問題がほとんどである。
文学的文章の読解の技を練習しよう。

・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

[言語事項]

試験の最後にまとめておかれている。まずここから解き終えて読解問題に進むのが良いだろう。
四字熟語・ことわざ・慣用句とその意味などが出題されている。漢字も読みと書きの両方が出されている。いずれもことばの知識や漢字練習帳などで見たことのある内容である。教材をしっかりこなして、ぜひミス無しで満点を狙いたい。

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2023年度「西武学園文理中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は26問で、文量は8800字ほど。選択肢問題が多く、記述問題は1行のものも含めて計5問出されている。2020年度以降は出題されていなかった記述問題だが、2022年度・2023年度と続けて出された。本文を読むスピードがあれば時間は足りるはずである。分速600~700字くらいで読めれば、考える時間も十分残せるだろう。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

現代社会においては「時間環境」が破壊されていると指摘し、質の違う時間を作り出す(ザインする)ことで人生を豊かにできるのではないか述べている。

問1 ① 桁違い――標準からかけ離れているさま。
    ④ 警鐘を鳴らす――事態が悪化していることを予測し、注意を促すこと。

問2   C  の直後の「そのエネルギーは……」の「その」がこの一文を指していると考えれば文意がつながる。

問3 (1) 「時間が環境問題である」ことに「気づいていない=盲点」ということである。「……問題として取り上げられない」まで含めてもよい。
    (2) 「時間は変わらないというのが常識」だから、「時間環境という問題の立て方はありえない」のである。

問4 直前の数段落で説明されているのは、社会の時間が速くなったために体の時間とのギャップが大きくなり、現代人にストレスがかかっている=時間環境が破壊されている、ということである。

問5 エ. 瀬底島での生活が「現在の研究のヒントになった」とは述べられていない。

問6 (1) 時間を速めるだけでなく、「いろいろな質の違う時間を意図的に作り出」そうということ。
    (2) 違うスピードで物事を見ることで異なった見方ができ、人生が豊かになると筆者は述べている。

問7 D. 体の時間は昔と変わっていないという筆者の言及と合わない。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分

息子の嫁の子供を預かる際に、自身の過去の子育ての経験を思い出して、主人公は嫁の気持ちを理解し寄り添うことができた。

問1 ② 首っ引き――あるものをそばにおいて絶えず使用・参照すること。
    ⑤ 不興を買う――相手の機嫌を損ねること。

問2 「言ってないって?(そんなことはない)、あなた今さっき子どもの育て方を教えても
らえっていうたやないの」が倒置になっている。

問3 A. 一年七か月にわたる自分の子育てを否定するような夫の発言に、くやしさ・悲しさ・辛さなどの感情が入り乱れている。
    B. 子育てに自信を無くし不安を抱えていた時に、主人公から自分を認めるよ
うな言葉を掛けてもらえたことが嬉しく、気持ちがほぐれた。

問4 (1) 子どもの成長にはなんとなく世間の平均的な道筋・スケジュールのようなものがあり、そこから外れると非難めいた言い方をされたり、自分でも不安になったりしてしまう……という、人生や子育てをすごろくに例えた言い方である。
    (2) 誰が決めたかもわからないような常識にとらわれず、自分なり・子どもなりに育っていけばよいのだと、主人公は考えている。

問5 亜子は、お義母さんは自分の気持ちなんてわかってくれないだろうという自分の思い込みが誤解だったことがわかり、主人公は自分の過去の経験に照らして嫁の気持ちを理解し重荷を軽くしてあげることができた。気持ちが通じた二人の笑い合う姿だったのである。

問6 ア. ここは、夫が亜子の話をまともに聞かず気にも留めない人物であるということを示唆した場面であろう。
    ウ. 「みんな」には他の子のお母さんも含まれており、家族だけではい。

【大問三】熟語のつくり

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

① 「必ず」が「要る」を説明(修飾)している。

② 「非」が「常」を打ち消している。「常ではない」

③ 「公(おおやけ)」と「私(わたくし)」で反対の意味になっている。

④ 「豊か」と「富む」で似た意味の漢字の組み合わせである。

⑤ 「顔」を「洗う」で「○○を(目的)××する(動作)」の形になっている。

【大問四】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分
  • ★必答問題

(1) のぞ(く)  (2) へんさい
(3) 延期  (4) 縦断  (5) 宣言

攻略のポイント

素材文の文量を考えると、読むスピードは必要である。分速600~700字を目標に練習しよう。この速さで読めるようになれば、他の学校でも困ることは無いはずである。

設問は選択肢と書き抜きが多いので、文の細かい部分を見落とさない注意力や書き抜く部分を素早く見つけられるテクニックを身に付けたい。また、「文中の言葉を使って」まとめる問題では、設問の条件に合った形でまとめる必要があるので、その点を常に意識して問題に取り組もう。

ことばの知識も2割~3割の配点を占めるので、ぜひ全問正解できる力をつけておこう。

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