西武学園文理中学校 入試対策
2023年度「西武学園文理中学校の理科」
攻略のための学習方法
[物理・化学の前半と生物・地学の後半]
得意な分野から手をつけて、余裕を持ってテストを終わろう。というのが、西武文理中学の理科に対する合格必勝法だ。
大問4問のうち、【大問1】【大問2】は物理・化学からの出題、【大問3】【大問4】生物・地学からの出題とテストの形式が決まっている。
前半の大問には計算を要する問題も含まれ、手強い気がするものの受験生によって得意・不得意分野はまちまだと思うので、最初に書いたように、計算上等と手ぐすねを引いている受験生は【大問1】から、どうも計算が入るといけない、という受験生は【大問3】から始めるとテスト時間が有効に使えることだろう。
算数は冒頭の計算問題から、国語は漢字の書き取りからのような基礎からテストに入っていくというルートがある程度見込めるものの、理科の場合ははじめに一行問題でもない限りどの大問が易しくどの大問が難しいとは解いてみないとわからない。【大問1】がもっとも難しく最後の大問がもっとも解きやすいことも往々にしてある。少なくとも当校の場合、2018年度・2017年度とも後半の方が解きやすいと感じた。
分野の好き嫌いは別とすれば、後半から手をつけた方が精神的に余裕が持てるのは間違いない。
[じっくりと、正確さを大切に]
またこの学校の場合、テスト時間が社会と合わせて60分となっており、その半分が理科に使えるとすると30分、その間に大問4つと小問20前後を解いていけば良いことになる。これは単純に比較して他校の問題よりは時間にゆとりが持てる作りになっている。
時間に追われて焦ることはないと言うことだ。
おそらく公開模試と比べても問題文をじっくり読み、よく考えて答えることが出来るはずだ。しかも問題文自体が長くなく、知識問題もシンプルに問われている問題が多いので、30分以内にすべて終えることができる可能性が高いと思う。
しかしそれは他の受験生でも同じことで、解きやすいテストは誰にも解きやすいものだ。そこで正確さが大事になる。理科は分量も少なく問題もあまり難しくない。合格を考えるとき、できれば理科で得点を重ねておきたい。それには、早く解くより正確に解くことを第一義に考えてテストに臨みたい。
[前半計算問題の難易度]
たまにユニークな出題(2018年度【大問4】の問2・問4・問5、2017年度【大問1】の問5など)があるとはいえ、知識問題はおおよそが過去勉強してきたテキストの域を出ない、履修済みの内容である。ここはしっかりと正解できるのが受験生の義務だろう。
そうなると、ポイントは計算問題の難易度になるわけで、どの程度までおさえておけば良いか、ということだ。
2018年度の問題には、正直これといった設問は一つも存在しない。計算が苦手、という受験生でもこれならば解ける、と愁眉を開かせる問題がほとんどだ。
ところが2017年度になると【大問1】の問3・問4、【大問2】の問3、さらに【大問4】の問5、と標準またはそれ以上の難度を持つ問題が結構出ている。
これらの設問にすべて答えなくてはいけないと言うことはもちろんないが理科で点数を積み上げておきたい受験生は、うすくてよいので計算問題に特化した問題集を1冊くらい仕上げておくと良いだろう。本年度のように空振りという可能性もあるが、例年のようなテスト内容であれば必ず得点のアシストをしてくれるはずである。
基本的知識を定着させた上で計算問題への対応力も身につけておけば合格はおのずから手に入るものと確信させられる。
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2023年度「西武学園文理中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間は社会と合わせて60分。2教科の時間配分がポイントとなるが、本年度のレベルであれば30分あれば十分に解くことが出来ると思われる。
大問数は4で小問数は20。適語を答える問題・記号選択問題・計算問題が中心で、記述問題は見られなかった。過去にはかなり長めのリード文を読んで答える問題やユニークな内容をテーマにした出題も見られたが、今年はオーソドックな出題となっている。
【大問1】物理 光の性質
- 難度:標準
- 時間配分:9分
問1 4万×7.5 より、秒速30万km。
問2 1億5000万÷30万 より、500秒=8分20秒。
問3 空気と水、空気とガラスなどの間を光が通過するとき、光は「屈折」する。
問4 虫メガネは凸レンズの性質を利用して小さな文字を拡大してみることができ、光を焦点に集めることもできる。
問5 収れん火災の原因となる身のまわりのものをあげる問題。ペットボトの容器など丸みのなる透明なものを考えればよい。
光の性質についての出題。問1・問2は計算問題だが易問。問5は日常生活と科学を結びつけて考える力が試される内容。
【大問2】化学 中和反応
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
問1 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液が互いの性質を打ち消し合う反応を「中和」という。
問2 ③の水溶液はBTB液が黄色になったことから部分的に中和し、塩酸が余っている状態。塩酸に溶けている塩化水素は気体なので、水を蒸発させると塩化ナトリウム(食塩)だけが残る。
問3 ④の水溶液はBTB液が緑色になったことから完全に中和している。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が3:4の割合のときに中和するので、48㎤の塩酸と過不足なく反応する水酸化ナトリウム水溶液は64㎤。
問4 ②と⑤を混ぜると塩酸が60㎤、水酸化ナトリウム水溶液が70㎤となり、塩酸が余って酸性となる。
問5 塩酸が7.5㎤あまるので、中和させるのに必要な水酸化ナトリウム水溶液は10㎤。
中和に関する出題。知識問題と計算問題で、計算問題は中和の問題としては標準的なもの。過不足なく反応して完全に中和する時の比を見つけることがポイント。
【大問3】生物 生物と地球温暖化
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 地球温暖化の原因となる気体は「二酸化炭素」。
問2 サトウキビとトウモロコシはともに単子葉類。単子葉類の根はひげ根。
問3 ムギとススキが単子葉類。
問4 地球温暖化が進むと生物は今住んでいる地域よりも温度の低い地域に移すようになる。山では、標高の高い地域に移っていく。
問5 問4と同様に考えると、動物は気温の低い北へ移っていくと考えられる。
生物と地球温暖化に関する出題。問2・問3の単子葉類と双子葉類の特徴や主な植物は中学受験生にとって確実に覚えるべき重要知識事項。地球温暖化についての各設問もいずれも易問であり、確実に正答したい。
【大問4】地学 地震
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 地下でできる土地のずれは「断層」
問2 震度は各地点における揺れの大きさで、震度0~震度7の10段階。マグニチュードとの違い注意すること。
問3 揺れの始まりが最も早いB地点が震源に最も近いと思われる。
問4 グラフから、13時35分19秒に地震が発生したと読み取れる。
問5 A地点で小さな揺れが始まったのが13時35分28秒で、地震が発生した9秒後。従って小さな揺れが伝わる速さは、54÷(28-19)より、秒速6km。
地震に関しての出題。前半は基本知識、後半はグラフの読み取りと計算問題で、いずれも基本的な内容。
攻略のポイント
今年度の出題は例年通り物理・化学・生物・地学の各分野から大問1題、計4題の構成であった。過去の出題を見ると、問題文が非常に長い、テーマがユニークなど特徴のある問題も見られたが、今年度の出題はいずれも大問もオーソドックスであり、塾のテキストや問題集で学習を積み重ねていれば十分に正答できるレベルの問題がほとんどであった。
本校の理科を攻略するためには、各単元をまんべんなく学習し、知識を確実に身につけることが最も大切である。その上で、計算問題やグラフや表を読み取って解く問題の練習も行って欲しい。
社会と合わせて60分という時間の使い方が大切になるが、本年度の問題量であれば、30分あれば十分に解答可能であり、特別意識することはない。ただし、一昨年のように問題文が極めて長い問題が復活する可能性もあり、過去問等を使って問題文を読み取って素早く解答するという練習も念のため行うとよいであろう。
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