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西武学園文理中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「西武学園文理中学校の算数」
攻略のための学習方法

[基本的な前半と手強い後半]

西武文理中学の算数は、かつてははじめから難問が並ぶという、今でいう「栄東(東大選抜)」のような水準の問題だった(西武文理は客観式の解答用紙だったが)。時間の経過とともに以前ほどの難問レベルは影を潜めたものの、テストの前半を占める「基礎~中程度」の問題と後半の難問を含む問題では多少難易度に幅があるようだ。通常テストというのはそのように出来ていることが多いが、西武文理はそのギャップがいささか大きく、合格を第一義に考えるのであれば、前半の問題をそつなく正解し、他科目での落ち込みをなくせばその希望は果たせるだろう。ただ、なんとか算数で点数を稼ぎたいと言うことになると、後半の問題群も無視することは出来ず、いくらかでも正解して得点を重ねておきたいところだ。

[まずは前半攻略を]

この時期、受験勉強をしっかりと積み重ねてきていれば【大問1の計算問題から【大問3】【大問4くらいまでは高い確率で正解できているものと思われる(2018年度【大問3(3)は難問)。
ここまでで問われているのは、どの分野に関してもまんべんなく解くことが出来るという基本的な力の確認であって、受験生それぞれのカリキュラムに沿ったまとめのテキスト、たとえば「四科のまとめ」のような典型題を総ざらい出来るテキストを一通りやり終えて自分のものにしておければ大丈夫だろう。これは受験生としては義務に近いノルマであって、誰もが仕上げた上で受験に臨むと思われる。
分野で注意したいのは「平面図形」で、5年生あたりで習う「角度」「面積」など、受験時代の前半に習う単元もきっちり出来るようにしておきたい。

[後半の難問はねばり強く]

2020年度だと【大問5】【大問6】、2018年度は【大問5】【大問6】、2017年度であればやはり【大問5】【大問6】は基本レベルを超えた、応用力を必要とする「やや難」レベルの難問と言えよう。さらに、2018年【大問3】(3)、2017年【大問4】(1)も後半の大問に匹敵する難度を持っている。
これらの問題を克服し、算数で80点以上の点数をとる戦略は生徒それぞれの判断に任せて良いと思う。
算数が得意な生徒には、解いていけないというほどの高難度ではないし、東京の学校を第一志望としている生徒にとっては格好の練習材料となるだろう。入試問題集を集めたものや塾などの応用問題集を解くことで全問とはいかずともねばり強く条件を整理できれば正解にたどり着くことが出来るだろう。
算数で無理をして点数を取らなくても良い生徒の場合、4科目のバランスがよい、または、算数が少し苦手である、という場合はあまり深追いしない方が良いだろう。【大問4】までをきっちりと解いて、あとは見直しにあてるというのも合格するための戦術であり何も恥じることはない。
テスト攻略に対するそれぞれの意識は違ってはいても最後まで努力を続けてとれる問題を増やすと言うことには変わりはない。悔いのないよう受験勉強を完遂しよう。

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2023年度「西武学園文理中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

テスト時は50分で大問数は5、小問数は19、問題数に対して十分な時間があると思われる。まずは、前半の計算と独立小問をミスのないよう落ち着いて取り組むことを心がけて欲しい。大問の中には式や考え方を記述する欄が設けられている問題も見られる。日頃から、式・図・考え方を残す練習を行って欲しい。

【大問1】計算問題・数の性質

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)整数の計算

(2)小数と整数の混合計算

(3)整数と分数の混合計算

(4)整数・分数混合の   を求める問題。

(5)時間の単位計算
 
計算問題が5題。まずはスタートでミスの内容落ち着いて取り組むこと。

【大問2】小問集合(数の性質、平均算、相当算、平面図形と比、複合図形の求積)

  • 難度:
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)数の性質 12、18、36の最大公約数は6。公約数は最大公約数の約数。6の約数は1、2、3、6。1+2+3+6=12。

(2)平均算 「合計=平均×人数」を利用する。

(3)相当算 所持金の2/5でラーメンを食べると残りは所持金の3/5。残りの3/7を使うと残りの4/7が残るので、最後に残ったのは所持金×3/5×4/7=所持金×12/35となり、これが480円なので、所持金=480÷12/35=1400円。

(4)平面図形と比 「高さの等しい三角形では底辺の比=面積の比」となることを利用すること。

(5)複合図形の求積 半径4cm・中心角90度のおうぎ形の面積は、4×4×3.14×1/4=12.56㎠ 台形の面積は12.56×2=25.12㎠となるので、(4+BCの長さ)×4×1/2=25.12となる。
   
数の性質・文章題・平面図形の小問集合。いずれも塾のテキストの例題などに登場する典型題。基本が定着しているかが判断できる内容の出題である。

【大問3】数列・場合の数(N進法)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

(1)0、1、2、3の4つの数字だけを使って表すことから、4進法の問題であると考えることができる。20を4進法に変換すると、20=16×1+4×1 なので、「110」となる。

(2)3けたの整数は100から333まで。3×4×4 より、48個。

(3)2023を十進法に変換する。64×2+4×2+1×3より、139番目。

数列と場合の数についての出題。いろいろな解法が考えられるが、(1)(3)はN進法の問題と考えると簡単に解くことができる。(2)は場合の数の問題として計算すること。

【大問4】流水算

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

(1)4800mの川を上るのに60分かかるので、4800÷60 より、上りの分速は80m。

(2)エンジンが止まったことによりいつもより15分多くかかっている。エンジンが止まったことにより流された時間が12分なので、流された区間を上るのにかかった時間は3分。同じ道のりにかかる時間の比は速さの逆比になるので、上りの速さ:流れの速さ=4:1。従って、流れの速さは分速20m。

(3)静水時の速さは80+20より分速100m、下りの速さは100+20より分速120mである。分速120mで下る時間と分速20mで流される時間が合わせて60分、進む道のりは4800となり、つるかめ算の処理をすればよいことになる。120×60-4800=2400 2400÷(120-20) より、24分間エンジンを止めればよい。

流水算の出題。(2)(3)は求める過程の記述指定問題。(2)はいろいろな解法があるだろうが、比を使う解法が最も簡単である。(3)は速さのつるかめ算。できなかった時は、テキストに戻ってしっかり練習すること。

【大問5】水の深さと体積

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

(1)720÷(10×12)より、6cm。

(2)底面積120㎠の水槽の水面が2cmあがった。この体積は円柱の水に入っている部分の体積に等しいので、120×2 より、240㎤。

(3)(1)(2)より、円柱の底面積は240÷(6+2)=30㎠。円柱の底面積は、4×4×3.14=50.24㎠。従って、円柱と円柱を入れた時に水が入っている部分の水槽の底面積は120-(30+50.24)より39.76㎠。水槽には720㎤の水が入っているので、水の深さは720÷39.76 より四捨五入して、18.1cm。

水の深さと体積に関する問題。(2)(3)は求める過程の記述指定問題。(1)(2)(3)を考える上での誘導になっているので、まずは(2)までを正答したい。

 

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。7割以上の正答を目指してほしい。

過去のテストの傾向を見ると、年度によっては難度の高い問題が含まれていることがあるが、本年度は比較的考えやすいオーソドックスな内容が中心であった。特に、前半の計算問題と独立小問は平易な問題が並んでおり、これを落とさずにしっかりと解けるかどうかが合否を分ける鍵となる。

本番で、合格点はクリアしたい生徒は、塾のテキストや基本~標準的な問題を集めた問題集を仕上げること。また、算数で点数を大きくかせぎたい生徒は多少難度の高い問題が含まれた問題集まできっちりと解きこなして100点を目指してみよう。出題の中には記述を指定している問題も含まれているので、日頃から式や図・考え方をノートに残す習慣を身につけよう。

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