聖光学院中学校 入試対策
2018年度「聖光学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
科学法則の理解
科学法則は、暗記するのではなく、きちんと理解しよう。暗記と理解は、似て非なるものだ。教科書に書いてある公式を暗記したら、そこから、どのような物事にその科学法則が活用できるのか、理解を深めておきたい。
例えば、【大問1】は、私たちが当たり前のようにしている呼吸を題材とし、口・肺・骨の物理運動から、酸素・二酸化炭素の交換という化学運動まで、さまざまな科学のしくみが隠されている。私たちがどうして呼吸できるのか、科学的に理解できるように、設問が構成されている。
現代社会は、何気ない暮らしのなかに、いくつもの科学法則がそれとなく潜んでいるので、観察する機会には困らないだろう。実験授業や理科教室も、各地で開催されている。それでも、もし実験の経験が不足していると感じたら、担当の家庭教師に、おすすめの理科の実験教材を紹介してもらってもいいだろう。授業を提供して終わりではなく、子どもの学習状況に合わせて、学習全体を支援できる点に、家庭教師の強みがある。
生活環境の観察
設問文の題材は、小学生の生活環境で出会いそうな物事だ。ここで問われているのは、志望者が、生活環境とのやりとりの経験から、知識を深めているかどうかだ。
例えば、【大問3】は、活火山の地域として、ハワイ諸島を題材にしている。正答するためには、科学的な目で、日頃から興味を持って学習していく姿勢が、求められている。
学習の質
本校のように思考力に重点を置く試験は、志望者がどのように学習しているのか、つまりは学習の質が問われる。
中学受験は、短期間に膨大な知識を吸収しなくてはならないために、どうしても学習の量へ、目が行きがちだ。次から次へ、いただいた教材や、返却された模試が、溜まっていく。そうすると、いつのまにか教材やカリキュラムを消化することばかりが気になり、きちんと内容を理解しているのか、確認を怠りがちになる。
もちろん、ある程度の学習量は必要だが、こと本校の志望者は、ある段階(理想的には6年生の春ぐらい)から、思考力を鍛えるような演習を中心に据えて、学習の質を高めていくべきだろう。
そのような場面では、家庭教師は(集団授業の先生と比較して)学力の状況をきめ細やかに見られるという利点がある。子どもがきちんと科学法則を理解できているのか、思考力が伸びているのか、どのような教材を中心に演習したらよいのか、適切な判断を提供できるだろう。また過去問の採点についても、自己採点に不安が残るようであれば、添削指導が期待できる。
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2018年度「聖光学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は40分で、得点は100点満点だ。大問数は4問で、出題分野ごとにきちんと整理されている。設問数は36問と、やや増加した。設問文が長く、資料の読みこみも必要となるので、単純な一問一答形式の試験とは、時間感覚が異なる試験構成だ。
【大問1】生物(人体)
- 難度:易
- 時間配分:8分
人体のしくみを通じて、人間がどのように呼吸をしているのか、理解が問われている。私たちが当たり前のようにしている呼吸だが、そこには口・肺・骨の物理運動から、酸素・二酸化炭素の交換という化学運動まで、さまざまな科学のしくみが隠されている。1つの1つの科学法則を理解することで、人体の全体の理解へと、受験者は導かれる。
【大問2】地学(地層)
- 難度:難
- 時間配分:8分
地層がどのように形成されるのかについて、地球の具体的な地名から問うている。今年度はハワイの活火山が登場したが、来年度以降は、他の地域からも出題される可能性があるので、対策しておこう。
【大問3】化学(水溶液)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
酸性雨をの通じて、化学物質がどのように大気中を移動しているのかを、問われている。水溶液の性質を、しっかりと理解できていれば、あとは設問文をていねいに読んでいけばよい。反対に、水溶液の性質を理解できていなければ、ほとんど得点はできないだろう。
【大問4】物理(質量と体積)
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
浮力とばねばかりを用いた実験を通じて、質量と体積の関係をしっかりと理解しているかが問われている。登場する物理法則は、「質量と重さ」・「浮力」・「熱の変化」など組み合わされ、物理の総合問題となっている。
解けなかった場合は、まずは一問一答型の問題集に戻ろう。総合問題は、それ以前に学んだ単元が組み合わされて出題されるので、「質量と重さ」だけ、「浮力」だけ、「熱の変化」だけ、の設問が、しっかりと解けているかを確認しよう。
してはいけないのは、1つ1つの単元を理解していないのに、総合問題を解き、解答解説を読むことだ。解答解説を読んだところで、1つ1つの単元の内容が理解できていなければ、学習効果はほとんどなく、ただの丸暗記となるだろう。時間が無駄になり、また、子どもも何度も解いても得点が上がらない無力感を覚えてしまうので、くれぐれも学習の順番には気を付けたい。
攻略のポイント
いずれの設問も、知識の丸暗記では太刀打ちができない。しっかりとした科学法則の理解に裏付けられた思考力が求められている。思考力を鍛えるために、学習の量だけでなく、学習の質が問われており、受験者との相性がはっきりと出る試験といえる。
過去問の演習を通じて、わからなかった設問には、わかるまで根気よく取り組みたい。反対に、わからないままでとりあえず暗記する学習方法では、得点は伸びない。また、優れた授業を提供できる理科の先生のもとで学ぶことも必須であろう。
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