専修大学松戸中学校 入試対策
2024年度「専修大学松戸中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は3つ。漢字の読み書き・文学的文章の読解・説明的文章の読解が割り当てられている。素材文は、文学的文章が約6000字、説明的文章が約4000字で計10000字ほどの文量である。
総解答数は50問ほど。おおよそ、漢字10問・文学的文章の読解20問・説明的文章の読解20問といった問題数になっている。また、読解問題の中でことばの知識や文法なども合わせて出題されている。そのうち、記述問題・書き抜き問題がそれぞれ3~4問ずつ出されている。
選択肢は5択だが、内容の相違点がはっきりしているので、無理に迷わせるような選択肢にはなっていない。
[文学的文章の読解]
素材文は学校を舞台にした話が多く、小学6年生にも理解しやすい内容になっている。選択肢問題は紛らわしく見分けづらい選択肢ではないので、読解がしっかりできていれば正解を選べる。記述問題も論述タイプではなく、文中の手掛かりをもとにまとめられるものなので本文を十分に理解していれば難しくはない。
文学的文章の読解力を養おう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[説明的文章の読解]
素材文は自然科学や社会科学分野の文章が多く使われている。内容によってはやや難しい用語なども含まれているので、語彙力アップを図っておきたい。
書き抜き問題があるので、キーワードや要点には目印をつけて探しやすくしておくとよい。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
に書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
[記述問題]
30~60字ほどでまとめる問題が出されている。「あなたはどう思いますか」といった論説タイプではないので、文中の重要点をまとめることで答えられる問題が多い。人物の気持ちや行動の理由、要点や筆者の意見など、探しやすいように印をつけて素早くまとめられるように、類似問題をこなしておこう。
[知識問題]
大問の最初に知識問題が置かれるパターンが続いている。文学的文章では擬声語や擬態語・熟語の組み立て・慣用句・助動詞など、説明的文章では接続詞・類義語や対義語・部首や画数・文節のつながりなどの問題が、読解問題と合わせて出題されている。文中に紛れているので、先に知識問題だけ終わらせる作戦は取りづらい。読みながら、チェックだけはしておこう。
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2024年度「専修大学松戸中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は約14000字で総解答数は48問。選択肢が5択なので、それだけ読む量も増えてしまう。書き抜き・記述と書く字数も多くなるので、知識問題や選択肢問題はあまり悩まず、できる部分をどんどん進めて記述に多めに時間を残せるようにしたい。
過去問でペース配分に慣れておこう。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
① はら(う) ② はんしょく ③ しょくさつ ④ かわせ
⑤ 吸(う) ⑥ 激(しく) ⑦ 徒党 ⑧ 熱弁 ⑨ 粉末 ⑩ 遊覧
【大問二】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
大会社を辞め夢だったパン屋で働き始めた父親に反発していた主人公だったが、自分も本当にやりたいことを抑えていたことに思い至り、友人に打ち明ける。
問一 1. 息子からも大人として失格だと言われてしまい、自分語りをした後ということもあって「気まずそうに」
2. 大黒柱のはずの父親が息子に「必死に」自分をわかってもらおうとするのは哀れだった。
3. お土産ありがとうございます、と「丁寧に」あいさつした。
4. パン屋を開いたら買いに来ると言われて「嬉しそうに」うなずいた。
5. 誰にも言わず「密かに」決めていた。
問二 派手
問三 当然――接尾語「然・的・化・性」が付く→知的
改札――「札を改める」(目的語+を・に)→点火
問四 D. ア E. エ
問五 Ⅰ. 大きな会社で研究者 Ⅱ. 大黒柱
問六 「サイテー」である点では自分も共通しているが、一家の大黒柱としての責任を捨てた大人として自分とは立場が違うと思い、その点を強調する言い方に変えた。
問七 母親が出した条件が答えとなる。パン屋になるのはいいが、「自分で自分の人生を選んでこなかった大人の役目として、人生は何歳からでもやり直せるんだと、私とこどもたちに見せてほしい」と要求している。
問八 父親と話して人生をやり直し本当になりたかった自分になりたいという思いは理解でき、応援もしたいという気持ちにはなったが、大企業に勤める父親を尊敬していた主人公としては、これからの父親の生き方にまだ違和感があるのだろう。
問九 倫太郎は「周囲の目を気にせず好きに自己主張できていたら、こんなふうに迷子になってなかったんだろうな」と後悔を口にしている。
問十 それまで誰にも話さずに隠していた本心、「清開学園に通ってディベート部に入り、模擬国連に出たい」という夢を友人に打ち明けたことを指している。
問十一 二人と話したことで、自身の本当の気持ちを話そうと思え、将来に向けての意思を確認できたのである。
問十二 ウ. 主人公の心の声を地の文ではっきり示すことで、気持ちの動きが読者にわかり易くなっている。
【大問三】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
自己肯定感を高めるためにはうまく自分の心をコントロールできる環境を整えることが必要だが、しばしばそれを阻むのが「人間関係」である。他者をコントロールすることはそもそも無理である以上、柔軟な態度で他者とうまくやっていくのが最善であると筆者は主張している。
問一 1. 「あの時~を知っていたら…」という仮定なので「もし」。
2. 前段落の内容について自分の例を挙げているので「たとえば」。
3. 「ペシミズム」を「あきらめること」と言い換えているので「つまり」。
4. ……わかるはず思い込んでいる。「しかし」それは間違っている。
5. 柔軟な態度が求められている。「だから」対話の時代だと言われるのである。
問二 Ⅰ. 十四画
Ⅱ. 一画目
問三 Bは「可能」の意味なので、イと同じである。アは尊敬、ウは自発、エ・オは受け身である。
問四 誰もが――とってしまうのである
問五 ア
問六 「それほど」とは、「この四文字で状況がわかってしまうほど」ということであるから、【オ】に入れればうまくつながる。
問七 直前の文を指している。「努力の少ない割には無理な目標設定をして、そのこと自体に満足を覚えていた」の部分である。
問八 「誰もが立ち止まって、自分に向き合う時間を持てた」「競走して勝つだけが人生ではない……と、多くの人が気づき始めている」とあるので、選択肢ウが合う。
問九 高すぎる目標は達成できずに自信を無くしてしまうので、適度な努力で超えられるハードルが良いのである。
問十 通常ネガティブな意味、「コントロールすることのできない他者に、苦しめられている関係(二十九字)」と表現している。
問十一 相手の変えられない部分を諦めるのが「後ろ向き」で、こちらが変わりながら合わせていくのが「前向き」ということである→選択肢エ。
問十二 前段落の冒頭で説明されている。不条理なことが増え、世の中がギスギスしてくると対立しがちになるので、自分が丸い性格になるのが最善である、と筆者は述べている。
問十三 「相手の意見に合わせつつ、ともに前に進んでいく柔軟な態度が求められる」とある。不確実な時代にあってはそのような関係が必要なのである。
問十四 ウ. 社会学者ブルデューの「ハビトゥス」を説明している部分の内容と合っている。
攻略のポイント
説明的文章・論理的文章の両方が出題されること、書き抜き問題・記述問題が大きなポイントになること。
以上の2点を意識しながら、読解力をつけられるようできるだけ多くの文章に触れて、記述問題の字数に合わせた練習も積んでおきたい。10000字超という文量にも慣れが必要である。言語事項も一定数出題されて配点もそれなりに大きいので失点するともったいない。基本レベルでよいので全般的に頭に入れておくこと。
漢字の配点も小さくはないので、手を抜かずにしっかり覚えよう。
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