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専修大学松戸中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「専修大学松戸中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成]

大問は3つ漢字の読み書き・文学的文章の読解・説明的文章の読解が割り当てられている。素材文は、文学的文章が約6000字、説明的文章が約4000字で計10000字ほどの文量である。

総解答数は50問ほど。おおよそ、漢字10問・文学的文章の読解20問・説明的文章の読解20問といった問題数になっている。また、読解問題の中でことばの知識や文法なども合わせて出題されている。そのうち、記述問題・書き抜き問題がそれぞれ3~4問ずつ出されている。

選択肢は5択だが、内容の相違点がはっきりしているので、無理に迷わせるような選択肢にはなっていない。

[文学的文章の読解]

素材文は学校を舞台にした話が多く、小学6年生にも理解しやすい内容になっている。選択肢問題は紛らわしく見分けづらい選択肢ではないので、読解がしっかりできていれば正解を選べる。記述問題も論述タイプではなく、文中の手掛かりをもとにまとめられるものなので本文を十分に理解していれば難しくはない。

文学的文章の読解力を養おう。

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
 
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
 
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
 
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

[説明的文章の読解]

素材文は自然科学や社会科学分野の文章が多く使われている。内容によってはやや難しい用語なども含まれているので、語彙力アップを図っておきたい。
書き抜き問題があるので、キーワードや要点には目印をつけて探しやすくしておくとよい。

説明的文章の読解の基本を身に付けよう。

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
       に書いてしまうとわかりやすい。
 
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
 
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

[記述問題]

30~60字ほどでまとめる問題が出されている。「あなたはどう思いますか」といった論説タイプではないので、文中の重要点をまとめることで答えられる問題が多い。人物の気持ちや行動の理由、要点や筆者の意見など、探しやすいように印をつけて素早くまとめられるように、類似問題をこなしておこう。

[知識問題]

大問の最初に知識問題が置かれるパターンが続いている。文学的文章では擬声語や擬態語・熟語の組み立て・慣用句・助動詞など、説明的文章では接続詞・類義語や対義語・部首や画数・文節のつながりなどの問題が、読解問題と合わせて出題されている。文中に紛れているので、先に知識問題だけ終わらせる作戦は取りづらい。読みながら、チェックだけはしておこう。

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2020年度「専修大学松戸中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

文量は約8400字で総解答数は48問。選択肢が5択なので、それだけ読む量も増えてしまう。書き抜き・記述と書く字数も多くなるので、知識問題や選択肢問題はあまり悩まず、できる部分をどんどん進めて記述に多めに時間を残せるようにしたい。
過去問でペース配分に慣れておこう。

【大問一】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

 はかる――計画する・そのように努力する。
 ひかく――「皮」はそのままの皮膚、「革」は加工を加えた素材。
 まいご――「まよいご」であれば「迷い子」と書く。
 了承

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:24分

消極的な性格で父親の言いなりだった主人公は、自分の弱さに向き合い、父親から自立して強くなろうと意を決する。

問一 1. 父親にとって息子とトラブルを起こした相手に電話することは特別なことではないので、「さらりと」。
   . 「斬り落とす」感じであるから「ばっさり」や「すぱりと」が合う。
問二 「~こと」と言い換えられる「の」であるから、ウが同じである。
問三 B. 「業を卒する」という「動詞+目的語」の形。「席を退する」
E. 「好い機会」という意味で「修飾語+名詞」の形。「深い海」
問四 F. 畳みかける――相手に対して勢いよく言葉を放つ・立て続けに行う。
問五 練習をさぼったことを叱られるのだと思っていたら、予想とは異なることを言われたので戸惑っている。
問六 「紙に触れたりしたら、そのまま押し切られる」と、父親の言いなりになることを警戒している。
問七 「電話をした」と聞いて、「自分に事実確認もせず、善太を非難したに決まっている」と想定している。
問八 父親の言葉の中で、主人公の「甘さ」が指摘されている。「黙っていれば事が済む、周りがそれなりに動いてくれる」と思って自分では「意思表示」もしない、誰に対してもそうだと非難している。
問九 アとイは善太と主人公の関係においてのショックで、ウだけ父親の指摘に対するショックである。
問十 それまで冷静に淡々と話していた父親が、普段よくある熱血の「芝居がかった」態度に変わった。
問十一 自分が善太に実力で劣っているという事実を突きつけられて自分の弱さと向き合うことになった。父親の言いなりだった自分を恥じ、自立して自分の努力でもっと強くなろうという決意が芽生えたことが、父親への「なりたい自分になる」という意思表示に表れている。
問十二 イ. 「心の中で構えた竹刀」「一刀」など、剣道に例えて心の動きが表現されている。

【大問三】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

仲間うちだけで通用する簡単な言葉だけに依存せず、価値観の異なる人に対してもできるだけ自分の言葉で思いを伝えることを大切にしようと説いている。

問一 . すべてを「ヤバイ」で済ませてしまうのはよくない。他にもさまざまな言葉がある(旨い・おもしろい・かっこいい・素敵だ、など)。「しかし」それらの言葉ですらその人独自の表現ではなく、誰にも通用する一般的な表現に過ぎない。その点で「ヤバイ」とそんなに違わないとも言える、という流れである。
   . 「けっして~ない」という強い否定。
問三 来る(カ行変格活用)は「られる」に接続するので、「来れる」はら抜きである。
問六 気の置けない――遠慮する必要がないくらい親密である。
問七 イ. ある感動を表現するのにも、わたしたちの先人はさまざまに表現を工夫してきた。「それが文化であり、民族の豊かさである。」
問八 「多くの形容詞の凝縮体である」とは、「一言で多くの異なるニュアンスを表してしまっている」という意味である。
問九 「ヤバイ」一言で済ますよりは、さまざまなニュアンスの複数の形容詞を使い分けるほうが豊かである。しかし、その形容詞でさえ個々の特別な感覚・感情までは伝えられない、出来合いの決まりきった言葉に過ぎないのである。
問十 短歌には単純な「事実」だけが詠われていて、「作者の感情」は文章の上では何も言われていない。にもかかわらず、私たちはそれ(作者の感情)を無理なく感受することができるのである。
問十二 直前に述べられている。「自分とは考え方も感性もまったく違う友人」は「自分では気づいていなかった自分の別の面(客観的・相対的に見た自分)を教えてくれる」大切な存在なのである。
問十三 「写生」が必要なのは形容詞では個々の特殊な感覚や感情を表現できないからだと書かれているので、ウが合う。

攻略のポイント

説明的文章・論理的文章の両方が出題されること、書き抜き問題・記述問題が大きなポイントになること。
以上の2点を意識しながら、読解力をつけられるようできるだけ多くの文章に触れて、記述問題の字数に合わせた練習も積んでおきたい。10000字という文量にも慣れが必要である。
言語事項も一定数出題されて配点もそれなりに大きいので失点するともったいない。基本レベルでよいので全般的に頭に入れておくこと。
漢字の配点も小さくはないので、手を抜かずにしっかり覚えよう。

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