専修大学松戸中学校 入試対策
2022年度「専修大学松戸中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は3つ。漢字の読み書き・文学的文章の読解・説明的文章の読解が割り当てられている。素材文は、文学的文章が約6000字、説明的文章が約4000字で計10000字ほどの文量である。
総解答数は50問ほど。おおよそ、漢字10問・文学的文章の読解20問・説明的文章の読解20問といった問題数になっている。また、読解問題の中でことばの知識や文法なども合わせて出題されている。そのうち、記述問題・書き抜き問題がそれぞれ3~4問ずつ出されている。
選択肢は5択だが、内容の相違点がはっきりしているので、無理に迷わせるような選択肢にはなっていない。
[文学的文章の読解]
素材文は学校を舞台にした話が多く、小学6年生にも理解しやすい内容になっている。選択肢問題は紛らわしく見分けづらい選択肢ではないので、読解がしっかりできていれば正解を選べる。記述問題も論述タイプではなく、文中の手掛かりをもとにまとめられるものなので本文を十分に理解していれば難しくはない。
文学的文章の読解力を養おう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[説明的文章の読解]
素材文は自然科学や社会科学分野の文章が多く使われている。内容によってはやや難しい用語なども含まれているので、語彙力アップを図っておきたい。
書き抜き問題があるので、キーワードや要点には目印をつけて探しやすくしておくとよい。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
に書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
[記述問題]
30~60字ほどでまとめる問題が出されている。「あなたはどう思いますか」といった論説タイプではないので、文中の重要点をまとめることで答えられる問題が多い。人物の気持ちや行動の理由、要点や筆者の意見など、探しやすいように印をつけて素早くまとめられるように、類似問題をこなしておこう。
[知識問題]
大問の最初に知識問題が置かれるパターンが続いている。文学的文章では擬声語や擬態語・熟語の組み立て・慣用句・助動詞など、説明的文章では接続詞・類義語や対義語・部首や画数・文節のつながりなどの問題が、読解問題と合わせて出題されている。文中に紛れているので、先に知識問題だけ終わらせる作戦は取りづらい。読みながら、チェックだけはしておこう。
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2022年度「専修大学松戸中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は約10800字で総解答数は48問。選択肢が5択なので、それだけ読む量も増えてしまう。書き抜き・記述と書く字数も多くなるので、知識問題や選択肢問題はあまり悩まず、できる部分をどんどん進めて記述に多めに時間を残せるようにしたい。
過去問でペース配分に慣れておこう。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
① たの(もしい) ③ ちょうこう ③ げんみつ ④ しばふ ⑤ 快(く) ⑥ 暴(れる) ⑦ 宝庫 ⑧ 貯金 ⑨ 故障 ⑩ 登頂
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
- ★必答問題
サッカーの試合でミスした克彦を非難したことでチームメイトから反発を受けた主人公は、言い過ぎたことを謝ろうとするが、先に克彦を見つけて話をしていた大地に嫉妬心を覚える。
問一 1. 急に交代を告げられて驚き「ビクンと」震えた。
2. 盛り上がっていた空気が一気に「ドンと」落ちた。
3. 突然、「ダッと」駆け出した。
4. 探していた克彦を見つけて「ホッと」した。
5. 肩に手を回して「ポンと」たたいた。
問二 エ. 二つの動作が同時に行われていることを示す「(~し)ながら」。
問三 B. 「攻める」と「防ぐ」で反意語の組み合わせである→「往復」
C. 「点を失う」で「動詞+目的語(~に・~を)」の形→「寄港」
問四 D. おおむね――だいたいの趣旨。
E. はたと――急に。状況が変わる様子。
問五 交代の心構えも装具の準備もできていないうえに、そもそも克彦は自分の実力に自信がないため、狼狽・緊張している。
問六 直後の行動に表れているように、主人公は勝てたはずの試合に安易なミスで負けてしまったことがまだ納得できず、気軽に「また頑張ろう」とは思えていない。
問七 ミスした克彦を慰め、このあと皆でどこかへ行こうなどと、負けたことを悔しく思っていない様子に、自分との意識の違いを感じて憤っている。
問八 大地の言葉に示されている。「二週間後に次の試合を控えて、仲違いしている場合じゃない」と皆を諭している。
問九 俺とか「控えの選手」のこと馬鹿にしてね?と指摘され、確かに自分は「優越観」を持っていたかもしれないと気づき、皆から反発を示されて「動揺」している。
問十 皆が自分に味方してくれなったという事実は認めながら、それでも克彦に指摘したのは仕方がなかったという思いも残っている→選択肢オが合う。
問十一 克彦に突き付けた「お前は死ぬ気で守ろうと思ってなかった」「サッカーなんかやめちまえ」という言葉のことである。
問十二 エ. 大地が「周斗に代わって謝罪の言葉をかけてくれた」という事実は確認できない。
問十三 イ. 「他のメンバーに対する優越感があったのではないか」「かっちゃん、どこ行ったんだろう」など、心の内を地の文で示して、主人公の心情を読者に伝えている。
【大問三】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
真実への科学的なアプローチの仕方を説明している。
問一 1. 仮説と検証を繰り返して真実に近づいてゆく。「ただし」一人だけが成功しても認められない。
2. 仮説が正しいと認められるととりあえずの真実になる。「では」仮説とはどのように立てるのか。
3. 重要となるのは物事の抽象化である。「たとえば」ニュートンのリンゴの木の話では…。
4. エピソードが現実味を帯びてくる。「しかし」調べてみると、直接聞いた人はいない。
5. たとえば稲妻の光と音は…、「また」オールを漕ぐ姿とその音は…。
問二 科学的な態度を持つ「人は」、~と問いを「発します」。
問三 Ⅰ. つくりの「るまた(ほこづくり)」
Ⅱ. こざとへんが三画、比の部分で四画、白が五画で足して十二画。
問四 C. 先進――後退 D. 子孫―先祖・祖先
問五 「人間の物の見方は完璧ではない」ので、「一〇〇パーセント正しい真実を把握することはできない」「それができるのは全知全能の神だけである」。
問六 第一歩は「疑うこと」から始まり、問いを発したら「仮説を立てる」、そして仮説が正しいかどうかを「検証する」、という繰り返しで真実に近づいていく。
問七 一人だけが成功してもだめで、成功した後に「実験の条件や手続きを明らかにして、誰でも再現実験をできるように」して、「再現実験でも同じような結果が出」れば、とりあえずの真理として認められるのである。
問八 抽象とは具体的な物事から「共通する要素を抜き出すこと」で、よけいな枝葉は切り捨ててしまう。ニュートンの例では、「リンゴが落ちる」ことから運動を抜き出して、色や香りを切り捨てたわけである。
問九 相関関係とは、「AとBの間に関係があることは確かだが、どちらが原因か結果か(因果関係)はわからない」ということである。そこから、⑤と⑦には「相関関係」が、⑥・⑧・⑨には「因果関係」が入ると考える。
問十 仮説は検証という手続きを経て「実証」しないと勝手な決めつけに過ぎないことが述べられている。「実証」とは検証した結果が皆に認められたということである。
問十一 土については「本来、下にあるのが自然な状況であり、その自然な場所に行こうとしている」とあるが、字数が合わないので前段落の「下に向かって落ちていく性質」を抜き出す。火花については「空にあるのが自然である」がぴったり抜き出せる。
問十二 イ. 仮説と実験結果が食い違った場合、その仮説は修正しなければならない。修正はその実験だけを反映しているにすぎないので、直したから正しいとは言えない。全体をもう一度検証しなければならないのである。
攻略のポイント
説明的文章・論理的文章の両方が出題されること、書き抜き問題・記述問題が大きなポイントになること。
以上の2点を意識しながら、読解力をつけられるようできるだけ多くの文章に触れて、記述問題の字数に合わせた練習も積んでおきたい。10000字という文量にも慣れが必要である。
言語事項も一定数出題されて配点もそれなりに大きいので失点するともったいない。基本レベルでよいので全般的に頭に入れておくこと。
漢字の配点も小さくはないので、手を抜かずにしっかり覚えよう。
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