洗足学園中学校 入試対策
2024年度「洗足学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
【物理分野】
毎回1つの単元を掘り下げて大問が作られることが多く、苦手な単元にあたると一気に苦戦を強いられることになる。その為、非頻出の単元も含め、まずは万遍なく実力を養っておく必要がある。その上で、頻出である「力学」「電流」「光」などの分野では高いレベルまで目指してほしい。このあたりは解らない時に自力での理解は難しい分野なので、指導者に質問するか、ネット上の様々な解説・学習系動画などを活用しよう。
【化学分野】
近年特に難度の高い出題が続いており、本校受験生にとっての最重要分野とも言える。見慣れない初見の設定が多く、その中で既知の知識と解法を正しく運用しながら解き進めなければならない。その為に、まずは頻出で典型的な計算問題からスタートして、徐々に様々な非頻出の典型問題や、頻出でもより難度の高い問題へと進み、最後に様々な初見の発展問題を探して解いてゆくことをお勧めする。ただ漫然と量をこなすのではなく、仮に問題数は少なくとも深く納得して終わる学習を大切にしてほしい。そのほうが応用力がつきやすい。また知識問題もハイレベルな設問があり、得意な人は貪欲に覚えてゆこう。
【生物分野】
動物・植物・人体と生物の全分野から出題される。
本校入試では、一問一答式の基礎知識は比較的少なく、様々な語句・事項を正確に、原理や背景まで含めて理解しているかが問われやすい。そうした背景まで広げると学習時間が一気に増えてしまいそうだが、漠然と学習するよりも印象に残って完全クリアできるので、実は時間効率が良くなる。ネット上の様々な解説、また学習系の動画なども活用すると、ちょっとした気分転換にもなる。より詳しい知識を問われる事もしばしばなので、生物が好きな人は是非、高度な知識まで覚えてみよう。
【地学分野】
頻出は「天体」全般から、「太陽」「月」「星」「太陽系の惑星」等である。ただし、シンプルに基礎知識を問う設問がほとんど無いのが本校の特徴で、宇宙の様々な事象について、その原理や背景までなるべくイメージ豊かに理解しておきたい。インターネット上の様々な解説画像、また学習系動画も活用して視覚的イメージを広げよう。また、より詳しい知識を問われる設問も必ずあり、天体好きな人は是非、高度な知識まで覚えよう。また当然ながら「天体」以外にも準備は必要で、「地層」や「気象」など地学全般に不安な単元を残さないよう努力してほしい。
【過去問】
過去3年間の第1〜3回の受験者平均点は「29.1点〜45.9点」と幅がある。75点満点の割には低いほうなので、本校の様々な発展問題には合格者でも苦戦しているはずだ。理科が不得意な人には、前述の攻略法も無理にすべては追わず、割り切って部分的に取り組み、自分の実力の範囲内の設問に集中してほしい。
ただその中で一問でも多く「標準レベル+アルファ」の問題を正解する為に、本校入試の量と質の両方に慣れておく必要がある。
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2024年度「洗足学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間は社会と合わせて60分で、配点は理科75点。社会もボリュームがあるので、60分間を各自バランス良く配分できるか自体が1つのハードルである。理科では長いリード文や実験説明が多数あり、手際よく読み、且つ解き進め続けなければならない。また大問は必ずしも均等なボリュームになっていないので、試験開始時にざっと全ページをめくってみた上で時間を配分したい。
【大問1】物理(運動)
- 難度:易~難【落とせない問題1・2・3・5】
- 時間配分:10分
- ★必答問題
誰もが解いた経験のある実験問題である。
(1)は重いおもりと高い位置を選べばよく、感覚でも正解できそうで易しい。
(2)は重いおもりと速い速度を選べばよく、これまた大変易しい。
(3)はリード文後半の会話文中への穴埋めになるが、会話文中にヒントが隠されている。こうしたリード文をちゃんと読まない人もいるが、それでは折角のヒントも見落とす事になる。多くの受験生にとって初見の問題だが、リード文をちゃんと読んでいれば易しいはずだ。
(4)では前問のリード文前半の「学習メモ」を正確に読んだ上で、注意深く運用する必要があり「難」と言える。
(5)はシンプルな内容・シンプルなグラフではあるが、不慣れな内容で、直感的に答えて間違えた人もいるだろう。「標準レベル」ではある。
(6)はウの更なる凹みで速くなる事を答えさせる問題だが、リード文の内容も踏まえてウを選べるかどうか。「やや難」としておこう。
(7)は難しい。横軸0での縦軸の値、2つの山の高さ、2つの谷の深さなどを正確に見極めなければならない。
【大問2】化学(水の硬度)
- 難度:易~難【落とせない問題1・2・3】
- 時間配分:11分
- ★必答問題
中学受験で見慣れない、水の硬度とその計測方法を紹介した問題で、本校の化学分野の難度の高さが表れている。まずは長いリード文と図表を、精読・速読を使い分けながら読み進めたい。
(1)はリード文を読んでさえいれば迷う要素は無く、易しい。
(2)は人によっては苦手かも知れないが、標準的な知識である。
ここで新たにリード文と3つの実験説明、2つの表が挿入される。これは実にタフな展開だ。ここからまだ小問が6つあり、諦める段階でもない。なんとか粘ってあと2〜3問は正解したいところだ。
(3)は完全に正比例している表の穴埋めなので易しい。ここは落とせない。
(4)はリード文・実験結果から読み取る事は容易でなく「難」である。
(5)は内容的には易しいのだが、前後の状況の複雑さから「やや難」としよう。逆にこれを正解できれば合格に近づく。
(6)は前問よりも難しく「難」となる。捨てても構わない。
(7)は(6)が正解出来ていないと求められない。
(8)が実は「やや難」程度で、算数の「割合と比」で解ける。ここを拾えるとまた合格に近づく。
全体に大問2はタフ過ぎ、出題者が意図した化学実験への考察力より、膨大な情報を要領良く処理する能力で差がつく感がある。早めにいったんとばすのも悪くない判断で、大問3・4を解き終わってから戻ってくるのも良い。
【大問3】生物(鳥インフルエンザ)
- 難度:標準~難【落とせない問題3①】
- 時間配分:5分
- ★必答問題
三たび長いリード文と実験を伴う出題である。鳥インフルエンザはニュースで耳にしたことはあるだろうが、メカニズムまで習う事は無いので、初見の内容への考察問題である。
(1)はリード文から自然に導き出せるとも言い難く「難」ではないだろうか。
(2)は①の「免疫」は大人には常識だが、塾ではさほど習わず「やや難」の語句である。②は消去法で正解できそうだが、本文から導き出す事も難しく「やや難」である。
(3)はリード文と実験説明から論理的思考で取り組む問題で、①はリード文をしっかり理解すれば十分正解可能で「標準レベル」としたい。②はある程度リード文から論理的に導き出せるが、初見の内容であり「やや難」である。
【大問4】地学(流水と温暖化)
- 難度:易【落とせない問題-全て】
- 時間配分:4分
- ★必答問題
珍しく全問が易しかった。リード文や図表もほとんど無く、時間もかからない。
(1)は本校受験生にとっては基礎レベルだろう。
(2)は一文で穴埋め3箇所ではあるが、前後の文脈から決して難しくない。
(3)の①は「洪水などが起こらなかった場合」という但し書きで却って迷うかも知れないが、それでもB側に土砂がたまることは無いので易しいはずだ。②も完全な基礎知識である。
(4)の①も大変有名で易しい。②は記述になるが、内容は易しい。
全体に易しく全問正解さえ目指せるが、他分野がタフだった中での最後の大問で、落ち着いて解ける時間を残していたかが勝負になる。
攻略のポイント
本年の理科の第2回受験者平均点は、75点満点中「43.1点」と、やや高めだった。前半の「物理」「化学」の長大な問題にも標準レベルが十分含まれており、後半の「生物」「地学」からの出題は、より易しかった為と思われる。長いリード文と実験説明、図表を的確に読み進めつつ、小問は難易度順には並んでいないので、一問一問素直に取り組んで正解できる問題を確実に取りたい。各大問に要する時間も均等ではないので、先入観を抱かずに冷静かつ柔軟に対応したい。
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