｢三字熟語｣の｢空所補充漢字記述｣(全５問)｡
異なる｢三字熟語｣に共通して当てはまる２つの｢漢字｣をそれぞれ答える。
一瞬戸惑うが、示されている[例]を参考にすること。同じ｢漢字｣でも｢異なる読み｣で用いられる場合があるのがミソだ。
注意すべきものとしては
③　｢ヒロインの『Ａ手Ｂ』｣
　　　　｢会社の『Ａ談Ｂ』｣
　　　　　　　　　　(Ａ＝｢相｣、Ｂ＝｢役｣)
④　｢立派な『Ａ格Ｂ』｣
　｢クラスの『Ａ気Ｂ』｣
　　　　　　　　　　(Ａ＝｢人｣、Ｂ＝｢者｣)

｢スズメの減少｣に対する｢立場の違いによる様々な考え方｣を紹介しながら、環境破壊の問題点を指摘し、｢われわれは生き物と共存すべきだ｣と論じている。
論説文にしては難解な語彙は少なく、内容も理解しやすいはずだ。｢脱文挿入｣や｢抜き出し｣にＳＦＣらしさが表れている。
以下、いくつかの｢設問｣を確認してみたい。

[問二]　｢脱文挿入の選択肢｣(11択)

｢脱文｣の｢こんな風に考えると、『スズメが減った、じゃあ、増やそう』と簡単にはいかないことがわかります。｣が、(Ａ)～(Ｋ)のどこに入るかを答える。
｢脱文挿入｣では、｢脱文｣の｢接続詞｣｢指示語｣｢内容｣に着目する。
ここでは、｢こんな風｣という｢指示語｣がある。
｢こんな｣⇒｢スズメを増やそうにはならない｣、つまり、｢スズメを増やすことはよくない｣といった内容が直前に述べられていると判断できるはず。となると、｢スズメが増えた場合のデメリット｣を紹介している段落の最後の｢(Ｃ)｣が｢答え｣だと分かる。
｢解法｣に則して考えていくこと。

＜時間配分目安：２分＞

[問三②]　｢換言説明の抜き出し｣(15字以内)

傍線部１の｢立場の違いによる異なる意見｣の｢例｣は、｢第三段落｣の中では｢どのような意見｣なのかを抜き出す。
｢設問｣そのものが分かりづらい。いかにもＳＦＣだ。
先ずは｢設問｣を正しく理解することが最優先。
要は、｢第三段落｣の｢要旨｣は何かということだ。
であれば、｢論説文｣の基本的｢解法｣である｢Ｎの法則｣(｢文章全体｣でも｢各形式段落｣でも、｢論旨｣及び｢要旨｣は｢最初｣か｢最後｣に述べられているということ)を用いる。
｢第三段落｣の｢最初｣は｢問題提起｣なので、｢最後｣を確認する。
｢何か問題が起きたわけではないのですから、急いで対処する必要はないのかもしれません｣とある。つまり、｢第三段落｣の｢立場｣では、｢急いで対処する必要はない｣というのが｢意見｣ということになる。｢条件｣にも合致しているので、これが｢答え｣だ。
｢設問｣の読解力も問われていると心得よ。

＜時間配分目安：２分以内＞

[問四]　｢指示語の換言説明記述｣(字数指定なし｡50字ほどの解答欄)

傍線部２の｢そういうこと｣とは｢どういうことか｣を説明する。
｢指示語が出たら前を見よ！｣は常識。
｢そういう｣＝直前の｢私たちにはこういったものを、実感をともなったものとして感じられなくなってしまう｣。
｢二重指示語｣なので、再び開く。
｢こういった｣＝｢スズメの姿や声は私たちの文化の中にも溶け込んでいる｣｡
材料は出そろった。あとは、｢～こと｣につながるように、｢過不足なく｣まとめればいい。
たとえば、｢私たちの文化に溶け込んでいるスズメの姿や声が実感をともなったものとして感じられなくなってしまうということ｡｣といった｢答え｣になる｡
定番の｢指示語｣は｢直前｣からたどり、｢二重、三重指示語｣も必ず開くこと。

＜時間配分目安：３分半＞

[問六]　｢本文内容合致の正誤判別｣(５問)

本文についての説明①～⑤について、内容に合うものは｢Ａ｣、合わないものは｢Ｂ｣と答える。
｢論説文｣での｢内容合致｣＝｢論旨合致｣｡
｢論旨｣は｢序論｣及び｢結論｣で述べられている(｢Ｎの法則｣)｡従って、各説明が｢序論｣及び｢結論｣の内容と合致しているかどうかで照合すればいい。
それに基づいて判別すると、｢答え｣は、
①＝｢Ｂ｣、
②＝｢Ａ｣、
③＝｢Ｂ｣、
④＝｢Ａ｣、
⑤＝｢Ｂ｣
となる。
｢論説文｣の｢正誤判別｣では、本文全てとの照合などはしないこと。時間の無駄だ。

＜時間配分目安：３分＞

小学生の時に出会った｢奇跡のように完璧な少年｣との過去が忘れられない早季子(26歳)をめぐる恋愛小説｡
本文は、その少年･吉住とのやりとりが描かれた回想場面。とても長いので、｢場面分け｣や｢セリフ｣｢ト書き｣の関連に注意しながら要領よく読み進むこと。
以下、いくつかの｢設問｣を検証してみよう。

[問二]　｢本文中空所への文補充の選択肢｣(４択)

本文中の　 Ａ 　に当てはまる文を答える。
　 Ａ 　は｢吉住｣の｢性格｣を示す｢エピソード｣の一部｡
直前に｢いつも穏やか｣｢妹の世話を熱心に焼いていた｣｢声を荒らげたところを見たことがなかった｣といった説明があり、｢活発な子が教室を走り回っていれば、　 Ａ 　、と声をかけた｣となっている。
選択肢は、
(ア)｢走るなよ｣、
(イ)｢だめじゃないか｣、
(ウ)｢先生に言うぞ｣、
(エ)｢けがするよ｣｡
無論、｢答え｣は｢(エ)｣だ。
｢小説｣では｢同一場面の直前直後に根拠あり｣が鉄則だ。

＜時間配分目安：１分半＞

[問三]　｢語句の空所補充の選択肢｣(４問/６択)

本文中の １ ～ ４ に当てはまる語を答える。
選択肢は、
(ア)｢うっくつ｣、
(イ)｢不満｣、
(ウ)｢寄る辺なさ｣、
(エ)｢興奮｣、
(オ)｢はずかしさ｣、
(カ)｢いたたまれなさ｣｡
｢大人の語彙力｣が求められる慶應義塾の典型。
各語句の意味を正確に理解してさえいれば、｢空所｣前後を根拠として何の問題もなく特定できるはずだ。
｢答え｣は、
１＝｢(カ)｣、
２＝｢(エ)｣、
３＝｢(ア)｣、
４＝｢(ウ)｣。
｢大人の語彙力の養成｣がＳＦＣへの｢パスポート｣になる。

＜時間配分目安：２分＞

[問六]　｢傍線部説明の空所補充抜き出し｣(８字以内)

傍線部３の｢違和感｣は何から発生したのかを説明した｢  　　         たこと｣の｢空所｣に当てはまる表現を抜き出す。
傍線部の直後に｢しかし、なにから発生したものなのかはよく分からなかった｣とあるということは、これ以前では｢発生源｣は不明なので、後の｢同一場面｣を確認する。
すると、傍線部４の前段落に｢違和感の正体を摑んだ｣とあり、｢彼は廊下を走ったり、靴を脱ぎ散らかしたりする子どもではなかった｣と続いている。
そうであれば、｢条件｣を勘案すると｢答え｣は｢靴を脱ぎ散らかし(たこと)｣になると分かるはずだ。
やはり、｢解法｣が肝要だということだ。

＜時間配分目安：２分半＞

｢スポーツを二つ挙げ、その違い｣を説明する。
｢条件｣は｢三つの観点｣から説明すること。
｢課題｣は｢二つのスポーツの違い｣だ。
｢自由作文｣なので、何を｢題材｣にしても構わない。
ただ、書き易さを考えれば、体験していたり、見聞きして知っていたりするものが適しているのは当然だ。そして、｢三つの観点｣という｢条件｣を死守することも必須だ。
その上で、｢ＡとＢというスポーツの違いとしては、第一に～、第二に～、そして、第三に～といったことが挙げられる｡｣といった分かりやすい｢形式｣でまとめるといい。
ＳＦＣ特有の｢自由記述｣、とにかく｢設問｣にいかに正確に対応できるかがポイントだ。