慶應義塾湘南藤沢中等部 入試対策
2015年度「慶應義塾湘南藤沢中等部の理科」
攻略のための学習方法
[答案作成の速度と精度]
はじめに、答案作成の速度と精度を磨いておきたい。
解答の速度と精度については、受験の早い段階から意識しておきたい。「作業の早さ」と「ミスの少なさ」は、時間制限の緊張のなかで答案を作成する経験からしか身につかない。過去問の演習の時は、時間を計り、時間配分の感覚を身につけておきたい。
また合わせて、判断力も磨いておこう。「解答の速度と精度」は、あくまで「解ける問題」についての能力だ。過去問を解きはじめると、それまでの模試とはまったく異なる得点になる生徒がいる。その原因のひとつは、「解けない問題」に動揺してしまうことにある。
判断力を磨くことで、「解ける問題」と「解けるが時間がかかりそうな問題」と「解けない問題」を、まずは分類できるようになりたい。そのうえで、「解けない問題」と出会った場合でも、「合格点が取れる答案に仕あげる」ように訓練していこう。
[分析力と記述力]
2点めは、分析力と記述力を身につけたい。
身近にある自然現象がなぜ起こるのか、志望者は普段から観察する機会を持ちたい。慶應湘南藤沢中等部は、目の前で自然現象を観察して、すでに学習した理科のさまざまな法則を当てはめて、そのうえで、自分の言葉で説明できることを求めている。
分析力と記述力は、単純な知識の丸暗記とは、ほぼ独立した能力だ。物事の背後の「法則を理解」することと、きちんと「言葉で説明できる」ことは、知識の量とはあまり関係がない。
記述問題は、意識して対応していかなければ、なかなか点数が上がっていかない。単語を並べるだけではなく、論理構成のある文章が求められているので、すこしでも記述を書いたら、きちんと指導できる人間に添削してもらうことをおすすめする。記述は、暗記や択一とは異なる単元なので、志望者は勉強の質を確認しておこう。
[知識]
3点めは、知識は教養の水準にまで高めておこう。
教科書で理科の知識を学んだら、それが具体的に何に用いられているのか、確認する習慣をつけよう。
単なる言葉の知識で終わらずに、実生活で役立てるような教養にまで高めていこう。
例えば、【大問2】の(設問4)や、【大問3】の(設問1)のような設問は、理科のカリキュラムで対応するものではなく、志望者が日頃から思考する習慣を持っているかが、正答率を決定する。また副教材の、資料集や図版には、必ず目を通し、言葉と絵を合わせて覚える習慣をつけておけば、のちのち楽になるはずだ。
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2015年度「慶應義塾湘南藤沢中等部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は25分で、得点は50点満点だ。大問数は、ここ数年は4問で安定している。設問数は、今年は22問だった。即答できる設問はあまりなく、じっくりと思考させる設問が多い。さらに計算量が多く、長めの記述問題があるので、試験慣れしていなければ、全ての設問にまで目を通せない。
【大問1】物理分野からの出題
- 時間配分:7分
(1) 「ばねの性質」の理解が求められている。難易度は標準で、正答できなかった受験者は、基礎の演習が足りない。
(3) 図表を読みとる問題だ。計算問題とはちがった慣れが必要になる。
(4)(5)「てこの性質」の理解が求められている。難易度は標準だ。
(6)(7) 難易度は高く、ある程度の計算も要求される。もし時間がかかりすぎるようであれば、他の問題にひととおり目を通してから、再び挑戦するといった判断力がほしい。
【大問2】生物分野からの出題
- 時間配分:7分
(2) 簡単そうに見えるが、正答率が低い問題だ。暗記を荒っぽくしていると失点する。知識が細部まで問われていることを肝に銘じておこう。
(4) 一問一答のような単発の知識ではなく、知識同士の関係を理解することが求められている。
(5) 慶應湘南藤沢中等部の特徴である記述問題だ。字数は45文字なので、単語を並べるだけではなく、しっかりと論理構成しなければ得点にならない。きちんとした記述の対策が必要だ。
【大問3】地学分野からの出題
- 時間配分:5分
- (1) 現代の科学に興味を持って接しているかが試されている。
- (2)(3) 理科の知識を用いて、現象を考えさせる設問だ。物事の背景にある法則を、理解しているかが問われている。
(4)(5) 資料から情報を読み取らせる設問だ。基本的な知識さえあれば、時間をかければ正答にたどりつくことは難しくはない。しかしある程度の演習をこなし、素早く必要な情報を見抜く力を養っておくことが望ましい。
【大問4】化学分野からの出題
- 時間配分:5分
(1) 漢字で気体名を書かせようとしている。受験者は理科の用語について、漢字で書けるようになっていることが望ましい。
(3)(4) 計算問題で、難易度は標準だ。
(5) 計算問題で、難易度は難しい。この設問が3分以内に解けるようであれば、処理速度は十分といえる。もし5分を超えてしまった場合は、演習をして、計算力を磨いておきたい。
攻略ポイント
設問は、すぐに解答できるものと、ある程度の時間のかかるものに分かれる。すべての設問に目を通すために、どこかの設問で手を止めてはならない。
対策すべきは、具体的に「記述」「資料問題」「複雑な計算」の三種類の設問だ。これらの設問は、難易度が難しいわけではないし、出題がカリキュラムを外れているわけではない。
しかし細かな手順を正確に進めていく必要があるので、慣れていないとあっという間に時間がなくなっていく。受験者は、理科の難問に挑戦するよりも、過去問を通じて繰りかえし解き、答案作成の技術を磨いた方が、合格しやすくなるだろう。
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