中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

慶應義塾湘南藤沢中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「慶應義塾湘南藤沢中等部の社会」
攻略のための学習方法

スライド式学習

 「SFC合格」に向けては、「地理」「歴史」「公民」の全単元・全分野の「知識」、そして「時事問題」を確実に押さえておくことが重要。
「基礎的事項」は無論、相当細かな「知識」や「深い理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等もチェックしなくてはいけない。
そして、確実に定着させておきたい。だが、悲しいかな、人は忘れるものだ。時が経てば経つほど忘れる。実はここに落とし穴がある。

基本的に、「知識」を定着させるために「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習したのか、その時期が問題となる。
塾では通常、本格的な受験勉強が始まる5年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、6年の夏休み前には終える。

その後は「復習」となるが、そのメインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。
6年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか? 実質的に1年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。前述のようにSFCでは「地理」「歴史」単元に含まれる全分野から多数出題される。そこで、独自の「復習」が必要となる。

塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある5年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておくことが勝利につながる。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用してもいい。
さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を密かに続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。

いもづる式学習

定着すべき「暗記事項」はそれぞれ単独(要は「一問一答方式」)で定着させておいてもほとんど意味がない。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられないからだ。

そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。
「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。1つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても内容があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ついでにここでも「復習」できる)。また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(=「面」)をも理解するようにする。

このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても「線」で結びつけて答えられることになる。さらに、単元もまたいでいるので、SFCでも時おり見られる「単元融合問題」にも対応できる。無論、必出定番の「年代の整序問題」にはバッチリだ。

手づくり式学習

特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は普通、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。だが、SFCの入試問題ではそうした単純なものはない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。

それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。
「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」~「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。こうした「大きな流れ」で理解しておくことで「年代の整序問題」にも対応しやすくなるのだ。

さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」を対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。

細部へのこだわり式学習

SFCで必ず出題されるといってもいい「ハイレベルな知識問題」(特に「地理」「歴史」に多い)や「設問文の内容を組み合わせて考える問題」。これらを考えるに当たって最も重要なことは、「設問内容」や「条件」をいかに正確に読み取るかということだ(それらは「ヒント」になっていることが多い)。「リード文」や「設問文」に示されていることに基づいて「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには、とにかく「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。無論、トレーニングが欠かせない。

「過去問」や「演習問題」等を用いて、各事項の細かな「意味」「統計資料の数字」や「関連事項」と「設問文の内容」等の全てを材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する訓練をするのだ。導き出せることについては、問題集やテキストの「解説」に示されているので活用すること。

こうした「細部へのこだわり学習」をつづけることで、次第に「リード文」や「設問文」に示された着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」と結びつけて考えればいい。

意識継続式学習

どのような状況でも、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漠然と机に向っていても単なる時間の無駄。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。

そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。SFCの入試本番ではたった25分という制限時間の中で、様々な「設問条件」をクリアして答えなくてはいけないのだ。だからこそ、「設問」を正しく理解しているか? 「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。

当然、「時間」も「意識」すること。入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。さらに、何度も指摘しているが、「慶應ボーイ&ガール」になるための「大人の常識」も「意識」すること。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2017年度「慶應義塾湘南藤沢中等部の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「地理」。「地形図」からの出題。小問は全5問(解答数5)。「選択肢」、「数字記述」(距離計算)。

大問も「地理」。「県境図」および各種の「統計資料」からの出題。小問は全6問(解答数8)。「選択肢」(「正誤判別」あり)。

大問は「歴史」。「古代」の「文化の特色」についての「説明文」からの出題。小問は全2問(解答数5)。「選択肢」(「空所補充」「組み合わせ」あり)。

大問も「歴史」。「歴史上の人物」についての「説明文」からの出題。小問は全5問(解答数7)、「選択肢」(「空所補充」あり)。

大問も「歴史」。「鉱物資源の歴史」に関する「会話文」からの出題。全5問(解答数7)、「選択肢」(「不適切」「正誤判別」あり)。

大問は「公民」(1問のみ「時事」あり)。「働く人びとや働き方」についての「リード文」からの出題。小問は5問(解答数5)、「選択肢」(「空所補充」「不適切」あり)、「事項記述」(「空所補充」「漢字指定」)。

大問も「公民」(1問のみ「時事」あり)。「地球温暖化」に関する「リード文」からの出題。小問は4問(解答数5)、「選択肢」(「不適切」あり)、「事項記述」(「空所補充」「カタカナ指定」)、「説明記述」(「40字以内」指定)。
時間配分は、「説明記述」に2分ほど、他は平均すると1問約30秒というペースになる。無論、メリハリのある「戦術」が求められる。

【大問1】地理

  • 難度:
  • 時間配分:3分

「函館」の「地形図」(2万5千分の1)からの出題。

「地形図読み取り」の基本的問題がほとんど。全問正解といきたい。若干悩ましい2問だけ確認する。

[問3] 「地形図中の一部分についての選択肢設問」(4択)。

「図中」の「太線で囲まれた範囲」の「地形」の説明で、「最も適するもの」を答える。

「範囲」は「函館山」の北東部、「海にはさまれた平らな低地」部分。
「地形図」の特色から、「陸繋島(りくけいとう)」(島が潮流によって運ばれた土砂の堆積により陸地とつながった地形)だと読み取れるはずだ。

したがって、「答え」は「潮流によって運ばれた土砂がたまってできた平地」とある(4)となる。

尚、「陸繋島」は他に、「志賀島」(福岡県)や「江ノ島」(神奈川県)、「男鹿半島」(秋田県)などがある。

<時間配分目安:30秒>

[問5] 「距離比較の選択肢設問」(4択)。

示されている「都市間の直線距離」が「最も長いもの」を答える。

各選択肢を確認する。
(1)「函館―東京」、(2)「新潟―東京」、(3)「金沢―東京」、(4)「鹿児島―東京」。

ここはすぐに判断できるはずだ。
無論、「答え」は(4)。

尚、「都市間の距離」(特に「東京」との距離)については上位校では度々出題されている。「主要地点間」は以下のとおりだ。

「東京」⇔「札幌」=「約800km」、「東京」⇔「仙台」=「約300km」、「東京」⇔「新潟」=「約260km」、「東京」⇔「名古屋」=「約260km」、「東京」⇔「大阪」=「約400km」、「東京」⇔「高松」=「約540km」、「東京」⇔「広島」=「約680km」、「東京」⇔「福岡」=「約890km」、「東京」⇔「鹿児島」=「約960km」、「東京」⇔「那覇」=「約1500km」。

覚えておきたい。
ちなみに、(1)の「函館―東京」=「約680km」、(3)の「金沢―東京」=「約290km」となっている。

<時間配分目安:30秒>

【大問2】地理

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

「5つの県境」が集まっている「関東地方の地図」について、様々な「統計資料」からの出題。

「統計資料」そのものはなじみのあるものばかりで分かりやすい。が、先ずは「地図上」に示されている(ア)~(オ)の「県名」を特定できなければ始まらない。確認してみよう。

「5つの県境」があるということは「関東地方の中央部」のはず。「地図」を思い浮かべると、「埼玉県」と「茨城県」の県境南部に、「千葉県」の北西部がまるで「尾」のように細長く入りこんでいることを思い出すに違いない。そして、その北側には、西に「群馬県」、東に「栃木県」が隣接しているわけだ。

したがって、南東に細い部分のみがある(ア)=「千葉県」、その西にある(イ)=「埼玉県」、東の(オ)=「茨城県」、北西に位置する(ウ)=「群馬県」、北東の(エ)=「栃木県」だと特定できる。
では、いくつかの「設問」を検討しよう。

[問2] 「地図中の県についての統計資料読み取り選択肢設問」(3択)。

示されている3県の「昼夜間人口」の「表」から、「地図中の(イ)県」に「あたるもの」を答える。

誰もが見たことのある「資料」のはずだ。
「表」の(1)は「昼間人口201万人」「夜間人口201万人」、(2)は順に「289万人」「297万人」、(3)は「637万人」「719万人」となっている。

(イ)=「埼玉県」、南部は「ベッドタウン」だと知っているはずなので、「答え」は(3)だ。

「夜間人口」≒「総人口」なのだから、「埼玉県」の「人口」=「約730万人」ということだけで、即判別してもいい。
尚、(1)は「群馬県」、(2)は「茨城県」。
「統計資料」は多角的に読み取っていくことが「正解へのショートカット」だ。

<時間配分目安:30秒以内>

[問4] 「地図中の県についての地名選択肢設問」(5択)。

「地図中の(エ)県」にある「火山」を答える。

「火山」、意外と抜け落ちているかも知れない。(エ)=「栃木県」だ。
各選択肢は、 (1)「妙高山」、(2)「鳥海山」、(3)「浅間山」、(4)「那須岳」、(5)「蔵王山」。

(3)か(4)で一瞬悩むか?
 「浅間山」は「群馬県・長野県の境」なので、「答え」は(4)。

尚、(1)=「新潟県」、(2)=「山形県・秋田県の境」、(5)=「山形県・宮城県の境」にある。
「関東地方」に限らず、各都道府県の「地名」は「火山」も含め、「山地・山脈」「河川」「平野・盆地」「湖沼」「半島」等々、確実に定着させておくこと。

<時間配分目安:30秒>

[問6] 「地図についての正誤判別選択肢設問」(全3問/各2択)。

「地図中を北西から南東に向かって太平洋に注ぐ河川」があるが(「地図」には示されていない)、その「河川」についての(1)~(3)の説明が、「正しいものは○」「誤っているものは☓」で答える。

「地図中を北西から南東」ということは、「群馬県」「栃木県」→「埼玉県」「茨城県」→「千葉県」⇒「太平洋」なので、「利根川」だとすぐに分かる。
各選択肢の「キーワード」で「正誤判別」していく。

(1)「江戸時代の流路変更」「以前は東京湾が河口」⇒「江戸時代の瀬替え工事で江戸湾から太平洋へと流路変更」=「○」、
(2)「日本で最長」「流域面積も最大」⇒「最長は信濃川で利根川は2位」=「☓」、
(3)「東京の重要な水源」⇒「東京の水源の約8割は利根川」=「○」。

細部にもこだわって判別することが肝要。

<時間配分目安:1分以内>

【大問3】歴史

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

「飛鳥時代」「奈良時代」「平安時代」の「文化の特色」についての、(A)~(D)の「説明文」からの出題。

誰もが苦手意識を持っている「文化史」だが、ここは平易なものばかり。短時間で全問正解したい。1問だけ考えてみたい。

[問2] 「説明文について組み合わせ選択肢設問」(6択)。

「説明文」(A)~(D)の「時代」の「組み合わせ」として「正しいもの」を答える。

「説明文」それぞれの「キーワード」から「時代」を特定していきたい。
(A)「古今和歌集」「土佐日記」⇒「紀貫之」=「平安時代」、
(B)「鑑真」⇒「唐招提寺」=「奈良時代」、
(C)「世界最古の木造建築」「世界遺産」⇒「法隆寺」=「飛鳥時代」、
(D)「正倉院」⇒「校倉造」=「奈良時代」。
即座にこのように特定できるはず。

よって、「答え」は(4)。
尚、「組み合わせ選択肢」では「消去法」を最大限活用すること。

<時間配分目安:30秒>

【大問4】歴史

  • 難度:
  • 時間配分:4分

「私」として記されている「東北地方」にまつわる「歴史上の人物」についての、(A)~(C)の「説明文」に関する出題。

「深知り知識」が求められるものが多い。本校の難易度の高さが分かる難解な大問だ。いくつか確認する。

[問3] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。

下線部(ア)の「大きな飢饉」が起きた「年号」を答える。

「私」=「大塩平八郎」についての説明で、「1830年代に起き、東北地方にも大きな被害」を与えた「飢饉」のことだ。
各選択肢は、(1)「寛政」、(2)「天保」、(3)「享保」、(4)「天明」。

「大塩平八郎の乱」は「天保の飢饉」の際に起きているので、「答え」は(2)だ。「天明の飢饉」と混同しないこと。

尚、他の選択肢も含め、「江戸時代四大飢饉」は押さえておきたい。「寛永の飢饉」→「享保の飢饉」→「天明の飢饉」→「天保の飢饉」だ。

<時間配分目安:30秒以内>

[問4] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。

下線部(イ)の「これまでの総理大臣の出身地」として「最も多い都県」を答える。

「私」=「原敬」についての説明だ。「米騒動」の後、「初の本格的政党内閣」を組織した「平民宰相」として、誰もが知っているはずだ。
したがって、「これまで」=「明治時代~大正時代半ば」となる。
各選択肢は、(1)「高知県」、(2)「佐賀県」、(3)「東京都」、(4)「山口県」。

「薩長による藩閥政治」を結びつけて考えれば、「答え」は(4)だとつながる。

尚、初代の「伊藤博文」から現在の「安倍晋三」(2017年6月現在)まで、「山口県出身」の「総理大臣」は「8人」で最も多い。

<時間配分目安:30秒以内>

[問5] 「説明文に関する選択肢設問」(3択)。

「東北地方の歴史」についての説明として「正しいもの」を答える。

本大問での最難関。相当に細部にこだわって判別しないと間違ってしまうので、要注意。

(1)「江戸時代、大阪への物産の積み出し港は主に日本海側」⇒「東北地方」から「江戸」へは「東廻り航路」、「大阪」へは「西廻り航路」=「適切」、
(2)「古代、東北地方に住んでいたのは熊襲」⇒「熊襲」は「南九州」、「東北」は「蝦夷」=「不適切」、
(3)「弥生時代中期の青森県の亀ヶ岡遺跡で、めがねをかけたような土偶が出土」⇒「亀ヶ岡遺跡」は「縄文時代晩期」のもの、そもそも「土偶」は「縄文時代」=「不適切」。

無論、「熊襲」や「亀ヶ岡遺跡」といった大学入試レベルの「深知り知識」がなくても「細部」での「消去」も可能だが、本校ではこうしたレベルの出題もあると心得よ。

<時間配分目安:1分以内>

【大問5】歴史

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分

「奈良時代」~「明治時代」までの、「金」「銀」「銅」「石炭」などの日本の「鉱物資源の歴史」に関する「会話文」からの出題。

「不適切選択肢」や「正誤判別」等、多彩な小問が並んでいる。少し検証しよう。

[問1] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。

「会話文中」の下線部(ア)「大仏をつくったころは、どんな世の中だったのかな」についての説明で、「正しいもの」を答える。

「大仏をつくったころ」=「奈良時代」という視点で、各選択肢の「キーワード」で正誤判別をする。
(1)「各地で武士による反乱」⇒「武士」の誕生は「平安時代中期」以降=「不適切」、
(2)「天皇は平城京から都を動かさず」⇒「聖武天皇」は「平城京」→「恭仁京」→「難波宮」→「紫香楽宮」→「平城京」と目まぐるしく都を移している=「不適切」、
(3)「空海が大仏づくりに協力」⇒「空海」は「平安時代初期」の僧で「真言宗」の開祖、「奈良時代」に「大仏づくりに協力」したのは「行基」=「不適切」、
(4)「天皇の命令が全国に伝わり、鉱物資源などが各地から集結」⇒「五畿七道」が整備され、大仏建立の際も全国から鉱物資源や人員が動員された=「適切」。

したがって、「答え」は(4)。
「キーワード」を見逃がさないこと。

<時間配分目安:30秒>

[問3] 「下線部についての不適切選択肢設問」(4択)。

「会話文中」の下線部(ウ)「16世紀の日本では銀が採掘され」についての説明で、「誤っているもの」を答える。

「16世紀」=「戦国時代」という「視点」で正誤判別したい。無論、「不適切選択肢」だということを意識すること。
(1)「日本国内では銀は用いられず」⇒当然ながら、「銀」は国内でも流通していた=「不適切」、よって、これが「答え」だ。

(2)の「銀山開発で力を高めようとする戦国大名もいた」、 (3)の「スペイン人やポルトガル人との間で銀を用いて南蛮貿易」、(4)の「石見銀山では大量の銀が採掘され、ヨーロッパでも知られていた」は「適切」だということは分かるはず。

「年代」⇔「世紀」⇔「時代」はすぐに変換できるようにしておきたい。

<時間配分目安:30秒以内>

[問5] 「下線部についての正誤判別選択肢設問」(3択)。

「会話文中」の下線部(オ)「日本で産出する鉱物資源」についての説明で、「正しいものは○」「誤っているものは☓」で答える。

各選択肢の「キーワード」で「正誤判別」する。
(1)「江戸幕府は各地の金山や銀山を直接支配し財源のひとつとした」⇒「江戸幕府」は「佐渡金山」(新潟県)や「生野銀山」(兵庫県)などを直轄領として、「金銀」を用いて貨幣を鋳造=「○」、
(2)「明治以降の製鉄」「輸入された原料を用いず」⇒「鉄鉱石」は輸入に頼っている(「明治時代」は「中国」、「現在」は「オーストラリア」など)=「☓」、
(3)「レアメタルはほぼ自給できている」⇒「チタン」「クロム」などの「希少金属(レアメタル)」は大部分を輸入に頼っている=「☓」。「財源のひとつ」「ほぼ自給」といった「微妙な表現」にも的確に配慮したい。

<時間配分目安:1分以内>

【大問6】公民

  • 難度:やや難
  • 時間配分:3分

「日本国憲法第27条」(勤労の権利と義務)を切り口にした「働く人びとや働き方」についての「リード文」からの出題。

意外な「時事問題」や紛らわしい「選択肢設問」が登場する。以下、2問だけ確認したい。

[問2] 「リード文中の空所補充記述設問」(「漢字」指定)。「時事」単元。

「リード文中」の空所( い )に「あてはまる語句」を「漢字」で答える。

空所前後は「安倍内閣は『( い )活躍社会』の実現を政策目標の一つとして掲げた」となっている。
「国民所得倍増計画」のような一種の「スローガン」なのだが、抜け落ちている可能性がある。「全ての国民が活躍する社会をめざす」という第3次安倍内閣が掲げた「一億総活躍社会」のことだ。

よって、「答え」は「一億総(活躍社会)」となる。
「時事的事項」については漏れをなくしておきたい。

<時間配分目安:30秒>

[問3] 「下線部についての不適切選択肢設問」(4択)。

「リード文中」の下線部(ア)「『働く人びと』」について、「日本国憲法第28条では働く人びとの権利を保障」しているが、その「内容」として「誤っているもの」を答える。

なかなかの難問だ。「第28条」、何だっけ? 当然だ。いきなりなじみの薄い条文を出されても困ってしまう。が、「日本国憲法」での「働く人びとの権利」という視点で正誤判別できるはずだ(と考えたい)。
各選択肢を確認する。
(1)「労働条件に不満があるため、わざと仕事をしなかった」⇒「わざと仕事をしない」なんてダメでしょ、そう考えても当然だが、「労働基本権」で「争議権(ストライキ権)」が認められている=「適切」(この行為は「サボタージュ」と呼ばれている。つまり「サボる」こと)、
(2)「賃金の増加や労働環境改善を求めて会社と話し合った」⇒要は「団体交渉権」=「適切」、
(3)「労働者同士の団体をつくった」⇒無論、「団結権」=「適切」、
(4)「労働時間が長すぎることに対して裁判で会社を訴えた」⇒このこと自体は「適切」。だが、これは「請求権」のひとつの「裁判を受ける権利」であって、「働く人びとの権利」(労働者の権利)とは直接は関係しない=「不適切」。

よって、「答え」は(4)だ。

「説明内容が正しい」ということと「設問内容に合致している」ということは異なると心得よ。
ちなみに、「日本国憲法第28条」は「労働三権」(「団結権」「団体交渉権」「争議権」)の保障だ。

<時間配分目安:30秒>

【大問7】公民

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

「2016年11月、パリ協定発効」という「時事ネタ」を切り口にした、「地球温暖化に対する国際協力」についての「リード文」からの出題。

「環境問題」の基礎的知識や典型的な「時事問題」が問われている。[問3]の「アルファベット略語」で戸惑うかも知れないが、「消去法」でいけるはず(ちなみに「答え」は「COP」=「気候変動枠組条約」の批准国が毎年開催している会議)。
最後の「説明記述」だけ確認したい。

[問4] 「リード文に関連する説明記述設問」(「40字以内」指定)。

示されている「エコレールマーク」について、このマークが表示されていると「地球温暖化対策がしてある商品」として認められる「理由」を「40字以内」で説明する。

「マーク」の絵柄や「レール」という言葉からも、「鉄道」に関連していることが分かるはずだ。
「地球温暖化対策」⇔「商品」⇔「鉄道」、どうつながっているのか? 
「商品」の輸送⇒「鉄道」輸送⇒「自動車」より「温室効果ガス」の排出量が少ない⇒「地球温暖化対策」、このように結びつけたい。

たとえば、「自動車より温室効果ガスの排出量が格段に少ない鉄道を商品の輸送に利用しているから。」といった「答え」になる。

尚、本大問は「2016年11月」の「時事ネタ」だ。通常、「時事問題」は受験前年の9月頃までが多いが、こうした直近の時期もあり得るということだ。要注意。

<時間配分目安:2分>

攻略ポイント

●最大のネックは「試験時間」だ。「戦術」は不可欠。
基本は「取れる問題を確実に押さえる」こと。瞬時に「捨て問」を判別し次の問題に立ち向かうべきだ。
配点は各1~2点、7割程度と推定される合格ライン(非公表)を考えれば、10問ほどは「捨て問」としても構わない。難易度から判断して「基礎的知識」で十分対応可能だ。

●本校では「時事問題」「歴史」などで「大人の一般常識」がよく問われる。
塾のテキストでは扱われていないようなものなので、そうした問題が出されるということを日頃から「意識」しておくことが重要だ。
その上で、「新聞」や「テレビのニュース」は必ずチェックし、知らないことがあったら確認し、周りの「大人たちの会話」にも「参加」するように心がけたい。

●「SFCは最新ネタが好み」(本年度も「2016年11月」という直近の「時事ネタ」があった)ということも心得ておきたい。
「時事問題」に限らず全単元で「最新情報」に基づく出題がある。常にアンテナを張りめぐらせておくこと。当然、「統計資料」は必ず最新版で覚えたい。
テキストとしては「日本のすがた」(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

慶應義塾湘南藤沢中等部の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。