慶應義塾湘南藤沢中等部 入試対策
2023年度「慶應義塾湘南藤沢中等部の社会」
攻略のための学習方法
スライド式学習
「ＳＦＣ合格」に向けては、「地理」「歴史」「公民」の全単元・全分野の「知識」、そして「時事問題」を確実に押さえておくことが重要。
「基礎的事項」は無論、相当細かな「知識」や「深い理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等もチェックしなくてはいけない。
そして、確実に定着させておきたい。だが、悲しいかな、人は忘れるものだ。時が経てば経つほど忘れる。実はここに落とし穴がある。
基本的に、「知識」を定着させるために「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習したのか、その時期が問題となる。
塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。
その後は「復習」となるが、そのメインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。
６年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。前述のようにＳＦＣでは「地理」「歴史」単元に含まれる全分野から多数出題される。そこで、独自の「復習」が必要となる。
塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておくことが勝利につながる。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用してもいい。
さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を密かに続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
いもづる式学習
定着すべき「暗記事項」はそれぞれ単独(要は「一問一答方式」)で定着させておいてもほとんど意味がない。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられないからだ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。
「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。１つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても内容があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ついでにここでも「復習」できる)。また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(＝「面」)をも理解するようにする。
このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても「線」で結びつけて答えられることになる。さらに、単元もまたいでいるので、ＳＦＣでも時おり見られる「単元融合問題」にも対応できる。無論、必出定番の「年代の整序問題」にはバッチリだ。
手づくり式学習
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は普通、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。だが、ＳＦＣの入試問題ではそうした単純なものはない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。
「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。こうした「大きな流れ」で理解しておくことで「年代の整序問題」にも対応しやすくなるのだ。
さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」を対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
細部へのこだわり式学習
ＳＦＣで必ず出題されるといってもいい「ハイレベルな知識問題」(特に「地理」「歴史」に多い)や「設問文の内容を組み合わせて考える問題」。これらを考えるに当たって最も重要なことは、「設問内容」や「条件」をいかに正確に読み取るかということだ(それらは「ヒント」になっていることが多い)。「リード文」や「設問文」に示されていることに基づいて「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには、とにかく「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。無論、トレーニングが欠かせない。
「過去問」や「演習問題」等を用いて、各事項の細かな「意味」「統計資料の数字」や「関連事項」と「設問文の内容」等の全てを材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する訓練をするのだ。導き出せることについては、問題集やテキストの「解説」に示されているので活用すること。
こうした「細部へのこだわり学習」をつづけることで、次第に「リード文」や「設問文」に示された着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」と結びつけて考えればいい。
意識継続式学習
どのような状況でも、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漠然と机に向っていても単なる時間の無駄。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。
そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。ＳＦＣの入試本番ではたった25分という制限時間の中で、様々な「設問条件」をクリアして答えなくてはいけないのだ。だからこそ、「設問」を正しく理解しているか？ 「条件」を満たしているか？ つまらないミスはないか？ といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。
当然、「時間」も「意識」すること。入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。さらに、何度も指摘しているが、「慶應ボーイ＆ガール」になるための「大人の常識」も「意識」すること。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2023年度「慶應義塾湘南藤沢中等部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問 １ は｢地理｣。｢四国４県｣に関する出題｡小問は全５問（解答数５）｡｢選択肢｣のみ(｢複数完全解答｣あり)。大問 ２ も｢地理｣(｢一般常識問題｣１問混在)。｢自然災害｣についての出題｡小問は全４問(解答数４)｡｢選択肢｣のみ(｢不適切｣、｢空所補充｣あり)。大問 ３ は｢歴史｣(｢考察問題｣１問混在)。｢史料｣(天皇に対する意見書)からの出題。小問は全６問(解答数６)｡｢選択肢｣(｢時期整序｣、｢空所補充｣あり)、｢事項記述｣(１問。｢ひらがな｣指定)｡大問 ４ も｢歴史｣。｢鎌倉幕府の執権｣に関する出題。小問は全５問(解答数８)、｢選択肢｣のみ(｢正誤判別」、｢不適切｣あり｣。大問 ５ も｢歴史｣。｢条約内容｣に関する出題。全７問(解答数７)、｢選択肢｣のみ(｢不適切｣あり)｡大問 ６ は｢公民｣。｢国民審査｣についての｢リード文｣からの出題。小問は４問(解答数６)、｢選択肢｣(｢空所補充｣あり)、｢事項･数字記述｣(４問。全て｢空所補充｣で｢漢字｣指定あり)。大問 ７ も｢公民｣。｢円安ドル高｣についての｢会話文｣からの出題。小問は４問(解答数６)、｢選択肢｣(｢空所補充｣あり)、｢事項記述｣(３問。全て｢空所補充｣)。時間配分は、１問を30秒強という超ハイペース。無論、メリハリのある｢戦術｣が求められる。
【大問１】｢地理｣(｢時事的要素｣あり)
- 難度：やや難
- 時間配分：3分
｢四国４県｣の｢地図｣と各県の｢説明文｣(１)～(４)に関する出題｡｢地理｣単元の基本的知識が問われているが、１問だけ首をひねってしまうものがある。それを確認したい。
[問３] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。｢説明文(３)｣の下線部(ウ)｢ブランド畜産物｣の｢名前の読み｣を答える。はっ？ 何？ となること間違いない。ここは冷静に対処したい。それぞれの｢名前の読み｣を確認する。選択肢(１)｢ぼっちゃん｣･(２)｢あわおどり｣･(３)｢しまんとがわ｣･(４)｢こんぴらさん｣。何かに気づくはずだ。そう、それぞれが｢四国４県｣に対応しているではないか。(１)は｢坊っちゃん｣＝夏目漱石の小説⇒舞台は愛媛県松山市。(２)は｢阿波踊り｣⇒無論、｢徳島県｣だ。(３)は｢四万十川｣⇒｢高知県｣で決定。(４)はやや悩むか⇒｢金毘羅さん｣(｢金比羅宮｣の愛称)⇒｢香川県｣だと特定したい。ということは、｢説明文｣(３)が何県の説明かで判別するわけだ。｢説明文｣(３)＝｢この県では、ブランド畜産物を飼育しています｡｣⇒これだけなので不明だ。他の｢説明文｣を特定して｢消去｣していく。各説明の｢要点｣で判別する。(１)｢日本有数のうどん消費地｣⇒誰もが｢香川県｣と特定可能。(２)｢気候の特ちょうをいかした野菜づくり｣⇒｢促成栽培｣で｢高知県｣だと分かるはず。(４)｢県西部の海岸では、地形の特ちょうをいかした養殖がさかん｣⇒｢西部｣に｢リアス海岸｣⇒｢愛媛県｣だと類推できなくてはいけない。よって、｢説明文｣(３)は｢徳島県｣となり、｢答え｣は(２)だ。ちなみに、｢ブランド畜産物｣としての｢あわおどり｣は｢阿波尾鶏｣で｢地鶏｣のことだ。尚、一瞬｢？｣の設問も冷静に対処することで解けると考えよ。
＜時間配分目安：１分＞
【大問２】｢総合｣(｢地理｣｢公民｣｢時事｣)
- 難度：標準
- 時間配分：5分
- ★必答問題
｢自然災害とそのそなえ｣についての出題｡｢地理｣単元の基本だが(｢一般常識問題｣１問混在)、やや判別が紛らわしいものがある。２問をチェックする。
[問３] ｢災害のそなえに関する不適切選択肢設問｣(４択)。示されている｢平野部で取り組まれている災害へのそなえ｣のうち、｢適当でないもの｣を答える。それぞれの｢そなえ｣の｢要点｣｢キーワード｣で正誤判別をする。(１)｢液状化防止のため地盤改良｣⇒何ら問題なし＝適切。(２)｢調節池や放水路をつくる｣⇒河川の氾濫(はんらん)を防ぐ目的だと知っているはず＝適切。(３)｢津波から逃げるための避難タワー｣⇒写真や映像で見ているに決まっている＝適切｡(４)｢川の土砂が大量に流れることを防ぐための砂防ダム｣⇒｢砂を防ぐ｣＝｢砂防｣＝適切。あれっ？ ｢答え｣がない？ 改めて、細部に注意して確認せよ。｢砂防ダム｣は｢土砂が下流へ流出するのを防止するダム｣で、主に｢山間部｣につくられる。本問で問われているのは｢平野部｣だ。したがって、｢不適切｣であり、(４)が｢答え｣になる。尚、｢正誤判別｣では細部へのこだわりが正否を分けると心得よ。
＜時間配分目安：１分＞
[問４] ｢災害時の行動についての選択肢設問｣(４択)。｢一般常識問題｣。｢あなたが自分の家にいる時、近くの河川がはんらんを始めた様子がテレビに映し出された。その時に真っ先にとるべき行動｣を答える。それぞれの｢行動｣の｢要点｣｢キーワード｣で正誤判別をする。(１)｢河川の様子を見に行く｣⇒危険極まりないことは常識だ＝不適切。(２)｢自分の家のより高い階、または屋上へ上がる｣⇒｢垂直避難｣という言葉は知っているはず＝適切。(３)｢昼夜を問わず、一秒でも早く避難場所へ向かう｣⇒｢災害が発生した後｣や｢夜間｣はとても危険なので、家を出ない方がいいと分かる＝不適切｡(４)｢自宅の浸水の危険性をテレビ局へ電話で質問する｣⇒テレビ局が一軒、一軒全ての家の情報を持っているわけがないのは常識だ＝不適切。よって、｢答え｣は(２)だ。本校に限らず慶應義塾は｢常識人｣を求めていると改めて肝に銘じよ。
＜時間配分目安：１分強＞
※尚、[問２]は｢静岡県沼津市｣の｢地形図｣からの出題になっている。｢地形図読み取り｣は本校に限らず｢地理単元｣での定番なので、｢地図記号｣｢等高線｣｢方位｣｢縮尺｣等の｢地形図｣に関連する基礎的事項を完全に定着させておくことが肝要だ。
【大問３】｢歴史｣(全て｢空所補充｣の｢選択肢｣のみ)
- 難度：易
- 時間配分：3分
示されている｢史料(Ａ)｣(醍醐天皇に対する三善清行という人物からの意見書)にまつわる出題。｢奈良時代｣～｢平安時代｣の｢歴史的事項｣が問われている(｢考察問題｣１問あり)。いくつかの設問を確認する。
[問１] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。｢史料(Ａ)｣の下線部(ア)｢備中介(びっちゅうのすけ)｣の｢正しい説明｣を答える。各選択肢の｢説明｣の｢要点｣｢キーワード｣で正誤判別をする。(１)｢現在の岡山県｣｢守護｣⇒｢備中｣＝｢岡山県｣でＯＫ、｢守護｣＝｢鎌倉時代｣だが、｢史料(Ａ)｣には｢893年に任じられ｣とあり｢平安時代｣なのでＮＧ＝｢不適切｣。(２)｢現在の島根県｣｢守護｣⇒｢島根県｣なのでＮＧ＝｢不適切｣。(３)｢現在の岡山県｣｢国司｣⇒｢備中｣＝｢岡山県｣でＯＫ、｢国司｣＝｢平安時代｣でＯＫ＝｢適切｣。(４)｢現在の島根県｣｢国司｣⇒｢島根県｣なのでＮＧ＝｢不適切｣。というわけで、｢答え｣は(３)だ。｢旧国名｣、そして、｢時代による役職名の相違｣などは｢歴史的事項｣の肝となるので、確実に定着させること。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問４] ｢下線部についての記述設問｣(｢ひらがな｣指定)。｢史料(Ａ)｣の下線部(ウ)｢詔｣の｢読み｣を｢ひらがな｣で答える。それほどの｢深知り知識｣ではないが、必須定着事項かといえば、そうでもない。何とも微妙な難易度の問題。｢答え｣は｢みことのり｣。｢天皇の命令｣だということは知っていてほしい。｢詔勅｣や｢詔書｣という熟語でも用いられる。また、｢勅｣だけでも｢みことのり｣と読むことがあるので、覚えておくこと。
[問５] ｢下線部についての年代整序設問｣(４択)。｢史料Ａ｣中の下線部(エ)の｢660年から911年の間のできごと｣を、｢起きた順番｣に並べて答える。｢歴史｣単元の十八番(おはこ)、典型的な｢年代整序問題｣だ。それぞれの｢できごと｣の｢要点｣で｢時期｣を特定する。(１)｢最澄や空海が新たな仏教｣⇒｢天台宗｣と｢真言宗｣のことだとすぐに分かるはず＝｢平安時代初期｣。(２)｢桓武天皇｣｢坂上田村麻呂｣⇒｢平安京遷都(せんと)｣の｢桓武天皇｣＝｢平安時代冒頭｣。(３)｢持統天皇｣｢藤原京｣⇒｢天智天皇｣→｢天武天皇｣→｢持統天皇｣＝｢飛鳥時代｣⇒この当時の｢天皇｣については頻出なので、即位順を含めて整理しておきたい。(４)｢鑑真来日｣⇒当然ながら必須定着事項＝｢奈良時代｣。したがって、｢答え｣は｢(３)→(４)→(２)→(１)｣になる。尚、｢時期特定｣や｢年代整序｣では｢うろ覚えの年代｣で整序するのではなく、｢流れ｣や｢キーワード｣を確認し、特定していくことが肝要だと心得よ。
＜時間配分目安：１分弱＞
【大問４】｢歴史｣(｢選択肢｣のみ)
- 難度：易
- 時間配分：3分
｢鎌倉幕府の執権｣を務めた｢人物｣(Ａ)～(Ｃ)に関する出題。｢鎌倉時代｣の｢政治｣や｢社会｣についての基礎的な｢歴史事項｣が問われている。｢正誤判別｣でやや悩ましい問題がある。それだけを検討しよう。
[問５] ｢下線部についての正誤判別設問｣(全４問、各２択)。｢人物(Ｃ)｣の下線部(オ)｢御家人｣の説明として、｢正しいもの｣には｢○｣、｢誤っているもの｣には｢×｣を答える。各｢説明｣の｢要点｣｢キーワード｣で正誤判別をする。(１)｢将軍に仕える｣｢土地をもらうかわりに幕府のために戦う｣⇒まさに｢御恩と奉公｣の関係だと分かるはず＝｢○｣。(２)｢すべての武士は御家人とされた｣⇒｢将軍｣に従わない武士もいたと考えられるだろう＝｢×｣⇒ちなみに、そうした武士は｢非御家人｣と呼ばれた。(３)｢町奉行所｣⇒｢江戸時代｣に決まっている＝｢×｣。(４)地頭に任命されることもあった｣⇒｢守護｣と｢地頭｣はともに｢御家人｣、当然だ＝｢○｣。｢役職｣と｢時代｣の結びつきも確実に整理しておくこと。
＜時間配分目安：全問で１分強＞
【大問５】｢歴史｣(｢事項記述｣あり)
- 難度：やや難
- 時間配分：5分
｢1895年｣･｢1905年｣･｢1910年｣、それぞれの年に締結された｢条約｣に関連する出題。順に、｢下関条約｣･｢ポーツマス条約｣･｢韓国併合条約｣のことだとすぐに判断できなくてはいけない。｢歴史｣単元の｢明治時代｣の外交関係に関する平易な問題が並ぶ大問。特に解説も必要ないはずだ。４分程度で一気に｢全問正解｣することが求められる。
【大問６】｢公民｣(｢歴史｣が１問混在)
- 難度：標準
- 時間配分：3分
｢最高裁判所裁判官の国民審査に関連して違憲判決が言い渡されたこと｣についての｢リード文｣からの出題。｢公民｣単元の｢司法｣に関連する小問が並んでいる。｢空所補充｣の｢事項･数字記述｣がメインだが、難易度は標準的だ。１問だけを確認したい。
[問２] ｢下線部に関する空所補充の事項記述設問｣(全２問。ともに｢漢字｣指定)。｢リード文｣中の下線部(ア)｢最高裁判所裁判官の国民審査｣に関して示されている｢憲法条文｣の空所( う )･( え )にあてはまる｢語句｣をそれぞれ｢漢字｣で答える。各空所前後を確認して、｢答え｣を特定していく。①｢最高裁判所は、……その長たる裁判官以外の裁判官は、( う )でこれを任命する｣⇒｢長官｣は｢内閣の指名に基づき天皇が任命する｣こと(第６条)は誰もが知っているはずだが、｢長たる裁判官以外の裁判官｣についてはどうか？ ｢内閣｣が｢任命｣するということを知っておきたい(日本国憲法第79条)⇒( う )＝｢内閣｣だ。②｢最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる( え )議員総選挙の際国民の審査に付し……｣⇒｢国民審査｣が行われるのは無論、｢衆議院議員選挙｣のときだ⇒( え )＝｢衆議院｣⇒ちなみに、｢総選挙｣という呼称は｢衆議院議員選挙｣のときだけに用いられる。尚、｢日本国憲法条文｣に関しては、完全に暗記すべきものと内容を理解すればよいものに分けて、定着させておくことが求められる。
＜時間配分目安：全問で１分＞
【大問７】｢総合｣(｢歴史｣｢地理｣｢公民｣)
- 難度：標準
- 時間配分：3分
｢日本の金利が低いことで進む円安｣という｢時事ネタ｣を切り口にした｢円安ドル高｣についての｢会話文｣からの出題。｢公民｣単元の｢経済｣分野での｢円高･円安｣、意外と苦手な諸君が多い。心して臨むこと。悩ましい２問を検討する。
[問１(い)(う)] ｢空所補充の事項記述設問｣(全２問)。｢会話文｣中の空所( い )･( う )にあてはまる｢語句｣を答える。各空所前後を確認して｢答え｣を出したい。｢(大幅に円安ドル高が進行していて、進む前と比べると)アメリカのドルと円を交換する時の円の金額は( い )なる｣⇒｢円の価値｣が｢下がっている｣⇒( い )＝｢高く(大きく)｣だ。｢急激な円安ドル高に歯止めがかからない場合は、政府と日本銀行が、市場でドルを売って円を買う為替( う )に踏み切ることもある｣⇒これは難問か？定着していなくても不思議はない⇒( う )＝｢介入｣になる⇒｢為替介入｣とは｢通貨当局が為替相場に影響を与えるために、外国為替市場で通貨間の売買を行うこと｣だ⇒ちなみに、｢外国為替市場｣の｢外国｣が[問１(あ)]の｢答え｣になる。尚、｢為替レート｣に関して勘違いをしている諸君がいるので、確認しておきたい。｢１ドル＝○○円｣の数字が大きくなるほど｢円安｣だ(｢数字が大きい｣＝｢高い｣＝｢円高｣ではないので要注意)。
＜時間配分目安：全問で１分半＞
[問２] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。｢会話文｣中の下線部(ア)｢連邦準備制度理事会｣の｢略称｣を答える。知らない人もいるかもしれない。各｢略称｣をチェックして｢答え｣を特定していきたい。選択肢(１)｢ＩＭＦ｣⇒必須定着略称のひとつ＝｢国際通貨基金｣。(２)｢ＦＲＢ｣＝｢連邦準備制度理事会｣⇒これは｢アメリカの中央銀行｣になる。(３)｢ＥＣＢ｣⇒これも知らないかも⇒｢欧州中央銀行｣だ(ユーロ通貨圏の中央銀行)｡(４)｢ＦＴＡ｣⇒これは知らなくてはいけない＝｢自由貿易協定｣。よって、(２)が｢答え｣だ。尚、さまざまな｢国際機関｣については本校に限らず頻出。｢内容｣はもちろん、｢アルファベット略称｣と｢正式名称｣をセットで定着させておくことが肝要だ。
＜時間配分目安：30秒強＞
攻略のポイント
●最大のネックは｢試験時間｣だ。したがって､｢戦術｣は不可欠。基本は｢取れる問題を確実に押さえる｣こと。瞬時に｢捨て問｣を判別し､次の問題に立ち向かうべきだ。配点は各１～２点、７割程度と推定される合格ライン(非公表)を考えれば、10問ほどは｢捨て問｣としても構わない。難易度から判断して｢基礎的知識｣で７割ゲットは十分に可能だ。
●本校では｢時事問題｣｢歴史｣などで｢大人の一般常識｣がよく問われる(本年度もあり)。塾のテキストでは扱われていないようなものなので、そうした問題が出されるということを日頃から｢意識｣しておくことが重要だ。その上で、｢新聞｣や｢テレビのニュース｣は必ずチェックし、知らないことがあったら確認し、周りの｢大人たちの会話｣にも｢参加｣するように心がけたい。
●｢ＳＦＣは最新ネタが好み｣いうことも心得ておきたい｡｢入試前年の11月のできごと｣さえ出題されたことがある。通常の｢時事テキスト(問題集)｣ではフォローできないので､｢最新情報｣について常にアンテナを張りめぐらせておくことが必要。当然、｢統計資料｣は必ず最新版で覚えたい。テキストとしては｢日本のすがた｣(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。
●昨年度は未出だった｢考察問題｣が本年度復活した。大学の附属校ではあるが、新たに導入された｢大学入試制度｣で重視されるようになった｢思考力･判断力･表現力｣を意識していることは間違いない。無論、来年度以降に向けても要注意だ。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
慶應義塾湘南藤沢中等部の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー＝学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。