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芝中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「芝中学校の理科」
攻略のための学習方法

芝中理科の満点は75点、合格者平均点は例年6割~7割程度である。                  

思考力を必要とする問題も含まれるが、多くの問題が塾などのテキストで学習してきたことを使えば解くことができる標準レベルの問題が中心である。                                計算問題についても、十分な練習が必要ではあるが、超難問は存在しない。しっかり学習を積み重ねていきさえすれば、合格者平均に近い正答が得られるかと思われる。

 

芝中学合格へ向けての理科の学習法としては、まず各分野の基本事項を早い段階でしっかり固めることが第一である。夏休み中までを目途に、テキストに書かれてある基礎知識をしっかり身につけて頂きたい。      覚えたかどうかのチェックもしっかりと行って欲しい。塾やご家庭でこれまでに解いたことのある問題集でもよいので取り組んで欲しい。

その際、過去問に出ている単元だけに的を絞って覚えることは危険であり、どの単元が出題されても大丈夫なように、まんべんなく学習して欲しい。

実験や観察の進め方、実験器具の使い方なども過去に何度か出題されており、覚えておくべき重要なポイントとなる。化学分野の実験、光合成など植物に関する実験、上皿天秤・顕微鏡等の使い方なども理解し、覚えて頂きたい。

 

計算問題については、化学分野では中和反応・水溶液と金属の反応・燃焼など、特に比を用いて解く問題、物理分野ではてこ・滑車・浮力など力のつりあいに関する計算問題は演習を積み重ねることにより早めに定着させておきたい。また、化学分野では反応の様子をグラフで表すとどうなるかもしっかり押さえておきたい。

その他の単元では、やや出題頻度の高い「電気」「天体」については問題演習に時間をかけて頂きたい。今年度特徴的だったグラフの読み取り問題についても練習をしっかり行って欲しい。

9月以降は総合的な問題の演習を通じて、実戦力を上げていく時期になる。(そのためにも夏休みまでの基本の定着が必要)芝中過去問の演習はもちろんのこと、他校の過去問であっても同じような傾向の問題には取り組んで欲しい。取り組むべき問題の選択に関しては、家庭教師も有効に利用して欲しい。

過去問・模試・その他の問題演習で大切なことは間違えた問題に対しての取り組みである。

間違えた問題のやり直しはもちろんのこと、なぜ間違えたのかを分析し、その後の学習にしっかりつなげて欲しい。苦手分野の分析やその対策については家庭教師を有効的に使って欲しい。

最後に時間の使い方だが、40分で大問5つ小問35程度は決して楽ではない。しかし、実験や観察に関する問題文を読んで答える問題が中心となるので、「問題文をしっかり読む」という時間はしっかり確保したい。わからない問題はいったん後回し、できる問題は確実に、計算問題は冷静で丁寧にという気持ちで。空欄が一つ二つあっても慌てることは禁物である。

日頃も問題演習、模試、過去問においても落ち着いて取り組んで頂きたい。

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2017年度「芝中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は5題、小問数は35程度、試験時間は40分で例年通りであった。

簡単な記述問題もあったが、ほとんどが記号選択問題・用語を答える問題・計算問題といったオーソドックスな問題形式であるのも例年通り。出題単元も例年と比べて大きな変化はなかった。

問題数はやや多く、長めの文章や読んで答える問題もあるので、過去問などを使って時間を意識した問題演習をしっかり行って欲しい。

【大問1】総合問題 理科の基礎知識

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

芝太郎君が登場する、毎年恒例の理科の基礎知識に関する問題。今年は『花』という曲の歌詞を題材にした出題であった。

 

(1)虹は太陽が見える方角と反対の方角に見える。また、赤色LEDや青色LEDは特定の色しか発していないの          で、虹はできない。
(2)気温が最も高い時間に湿度は最も低くなる。
(3)サクラは双子葉類の離弁花(花弁は5枚)、両性花、虫媒花である。
(4)選択肢の中でキク科の植物は、ヒメジョオンとセイヨウタンポポの2つ。
(5)夕暮れに上ってくる日(満月)から正午頃上ってくる日(上弦の月)まではおよそ3週間。
(6)多くの金属は常温で固体だが、水銀は常温で液体。
(7)食塩は電解質なので、食塩水は電気を通す。
   

(1)(7)でやや迷う選択肢もあるが、テキストで学習した知識を身の回りで実際に見られる現象と結び付けて考えることができるかを問う標準的な出題となっている。

<時間配分目安:5分>

【大問2】生物 動物の分類

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)D(魚類)→A(両生類)→C(は虫類)→B(ほ乳類)

(2)両生類を選択する カエルとイモリ

(3)①の乾燥への適応は「卵の殻」、②の温度変化への対応は「体表に生える毛」

(4)重い内臓を支える骨の集まりは「こつばん」。
2つの目が前方にあるのは遠近感をとらえやすくするため。平らなつめはものをつかみやすくするため。従ってこの2つが該当しない。

(5)植物の茎にある維管束の中で、内側にあるのは「道管」。根から吸い上げた水や肥料の通り道である。

 

(4)は悩んだ受験生が多かったかも知れない。それ以外は脊椎動物の分類と植物のつくりと働きに関する知識問題で、確実に正答したい。

<時間配分目安:5分>

【大問3】物理 電気回路

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1) 図2aの説明から、直列に接続された豆電球に2Vの電圧をかけるためには電源の電圧を4Vに、10Vの電圧をかけるためには20Vにすればよいことがわかる。

(2) 並列回路なので、どちらの豆電球にも同じ電圧がかかる。

(3) 図4のグラフより、2つの豆電球に流れる電流が0.8Aのとき、電源装置の電圧は2Vと読み取れる。

(4) 図4のグラフより、豆電球に流れる電流が0.5Aのとき、豆電球①の両端にかかる電圧は10V、豆電球②の両端にかかる電圧は1.5Vなので、電源装置の電圧は10+1.5の11.5Vにすればよい。

同様に図4のグラフを読み取ると、各豆電球に流れる電流が0.4Aのときに、豆電球①の両端の電圧が5V、豆電球②の両端の電圧が1Vとなり、電源装置の電圧は6Vとなる。

(5) 豆電球①は2個直列につながっているので、電源装置の電圧が4Vで光りはじめ、20Vを超えると切れる。豆電球②は3個直列につながっているので、電源装置の電圧が3Vで光りはじめ、15Vで切れる

 

直列回路と並列回路における豆電球の明るさについての標準レベルの出題。                ただし、問題文で与えられている条件の理解とグラフの読み取りが大きな鍵を握る出題となっている。

<時間配分目安:10分>

【大問4】地学 太陽の動き

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1) 9月1日は夏至と秋分の日の間なので、太陽は真東よりやや北寄りから上る。従って、影は真西よりやや南寄り方向に伸びる。

(2) 日の出の位置は南寄りに移り、日の出の時間は次第に遅くなる。

(3) 春分の日と秋分の日には、北極と南極では太陽は地平線にそって回転して見える。北極では右回り、南極では左回り。

(4) 太陽が最も南寄りから出るのは冬至。冬至の日の太陽の南中高度は、『90―緯度
―23.4』で求められる。

(5) 太陽が最も北よりから出るのは夏至。夏至の日の太陽の南中高度は、『90-移動
+23.4』で求められる。

(6) 太陽が真東から出るのは春分および秋分の日で、太陽の南中高度は『90-緯度』
で求められる。

(7) 太陽が北を通ることから南半球の地域と考えられる。南半球で太陽が最も南寄りからでるのは冬至の日で、太陽の北中高度は『90-緯度+23.4』となる。

 

太陽の動きに関する基本的な出題。南中高度の公式など学習してきたことをしっかり使って正答したい。(7)は南半球での動きなので注意が必要。

<時間配分目安:10分>

【大問5】化学 水の状態変化

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

(1) 1気圧における水の融点は0℃、沸点は100℃。

(2)固体が液体になることは「ゆうかい」、液体が気体になることは「きか」という。

(3)図1のグラフより、圧力が大きいと氷が水になることがわかる。

(4)融解と気化の際には、温度は一定になる。

(5)体積が最も大きくなるのは氷の状態の①、体積が最も小さくなるのは水の状態の③。

(6)0.5×5×10+80×10+1×10×100+540×10より、7225
   カロリー必要。

水の状態変化に関する出題だが、圧力との関連性も考慮させる点で特徴のある出題。図1と図2の意味をしっかり理解できるかが鍵を握る。図の意味さえ理解できれば、さほどの難なく解けるであろう。

<時間配分目安:10分>

攻略のポイント

例年通り各分野からからの出題であり、基本をしっかり固めることができていたかが試される問題となっている。

出題頻度が高い単元もあるが、ここ何年か出題されなかった「動物の分類」が本年出題されたように、出題領域に関しての固定観念は危険であり、どの分野から出題されても大丈夫なように、しっかり準備をして頂きたい。

また、今年の入試ではグラフの読み取りが重要なポイントとなる出題が多かった。単なる知識の丸覚えではなく、計算問題の演習や実験・観察を通して考えるタイプの総合問題演習もしっかり経験しておく必要があるであろう。特に、今年多かったグラフの読み取りに関する問題演習はしっかり行って欲しい。

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