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芝中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「芝中学校の理科」
攻略のための学習方法

芝中理科の満点は75点、合格者平均点は例年6割~7割程度である。塾などのテキストで学習してきたことを使えば解くことができる標準レベルの問題が中心である。各単元の基本知識を早い段階で固めた上で、物理・化学の計算問題については、ややレベルの高いものまでしっかり練習しておくべきであろう。

芝中学合格へ向けての理科の学習法としては、まず各分野の基本事項を早い段階でしっかり固めることが第一である。分野、単元にこだわることなく、テキストに書かれてある基礎知識をしっかり身につけて頂きたい。覚えたかどうかのチェックもしっかりと行って欲しい。塾のテキストやご家庭でこれまでに解いたことのある問題集でもよいので取り組んで欲しい。その際、過去問に出ている単元だけに的を絞って覚えることは危険であり、どの単元が出題されても大丈夫なように、まんべんなく学習して欲しい。

実験や観察の進め方、実験器具の使い方なども過去に何度か出題されており、覚えておくべき重要なポイントとなる。化学分野の実験、光合成など植物に関する実験、上皿天秤・顕微鏡等の使い方なども理解し、覚えて頂きたい。

どの分野の出題についても言えることとして、実験や観察の結果(表・グラフなど)をもとに考察させる問題の比率が高い。同様のタイプの問題演習をしっかり行いたい。

計算問題については、化学分野では中和反応・水溶液と金属の反応・燃焼など、特に比を用いて解く問題、物理分野では、てこ・滑車・浮力など力のつりあいに関する計算問題は演習を積み重ねることにより早めに定着させておきたい。また、化学分野では反応の様子をグラフで表すとどうなるかもしっかり押さえておきたい。

その他の単元では、出題頻度の高い「電気」「天体」については問題演習に時間をかけて頂きたい。

9月以降は総合的な問題の演習を通じて、実戦力を上げていく時期になる。(そのためにも夏休みまでの基本の定着が必要)芝中過去問の演習はもちろんのこと、他校の過去問であっても同じような傾向の問題には取り組んで欲しい。取り組むべき問題の選択に関しては、家庭教師も有効に利用して欲しい。

過去問・模試・その他の問題演習で大切なことは間違えた問題に対しての取り組みである。

間違えた問題のやり直しはもちろんのこと、なぜ間違えたのかを分析し、その後の学習にしっかりつなげて欲しい。苦手分野の分析やその対策については家庭教師を有効的に使って欲しい。

最後に時間の使い方だが、40分で大6つ小問35程度は決して楽ではない。しかし、実験や観察に関する問題文を読んで答える問題が中心となるので、「問題文をしっかり読む」という時間はしっかり確保したい。わからない問題はいったん後回し、できる問題は確実に、計算問題は冷静で丁寧にという気持ちで。空欄が一つ二つあっても慌てることは禁物である。

日頃も問題演習、模試、過去問においても落ち着いて取り組んで頂きたい。

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2020年度「芝中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は5題、小問数は40程度、試験時間は40分で例年通りであった。記号選択問題が多く、適語を答える問題、簡単な記述問題、計算問題も見られた。問題数が多く、長めの文章や図、データを読み取って答える問題が中心である。過去問などを使って時間を意識した問題演習をしっかり行って欲しい。

【大問1】総合問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

大問1は例年通り、芝太郎君が登場する総合問題。今年はキャンプ地での体験を題材にした出題であった。

(1)木材が湿っていると、水の温度上昇や蒸発に熱が使われるために、火がつきにくい。

(2)まわりを山で囲まれているために、太陽が見え始めるまでに時間がかかったと考えられる。緯度や経度は東京と大きな差がなく、関係しないことに注意。

(3)セミの頭部の絵を選択する問題。

(4)セミの食べものは木の樹液。

(5)光の屈折により、水中のげんごろうは実際よりも浅い位置に見える。

(6)スポーツドリンクの中の砂糖の濃さを求める計算問題。

(7)記述問題。水が氷になると、体積は約1.1倍になる。

問題文を読んでいく中で、各分野の基本知識問題や計算問題を解き進める形の総合問題で、毎年大問1は同様の形式になっている。やや迷うものもあるが、知っておきたい知識問題が中心で、計算問題・記述問題も難問ではない。日頃から自然や科学に興味を持っているかどうかも問われる内容になっている。

【大問2】生物総合問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

(1)生物間の食べる・食べられるの関係は「しょくもつれんさ」ひらがな指定。

(2)食べる・食べられるの関係においては、食べる方の個体数が多いのが一般的。

(3)Aは草食動物であるウサギ、Bは小型の肉食動物であるカエルが当てはまる。

(4)ネズミは草食動物、イタチは肉食動物。それぞれの特徴を選択する問題。

(5)与えられたデータの読み取り問題。DDTなどの化学物質濃度は、食べられる側より食べる側の方が濃くなっている。

(6)昆虫の冬越しに関する出題。卵で冬越しするのはスズムシ、幼虫で冬越しするのはカブトムシ。

(7)図の中の生物で、カエルだけが水中に卵を産む。

 

 食物連鎖を中心とした生物に関する知識問題。昆虫の冬越しも含めて、幅広い知識が必要。(5)のデータ分析問題は難問ではない。

 ここでの得点が伸びなかったときは、食物連鎖・昆虫の冬越しなど生物関連の知識の整理をもう一度行うこと。

【大問3】地学総合

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)  川が曲がっている箇所では、外側で流れが速く、がけの部分に地層が見られる。

(2)  砂岩やでい岩などを総称して「たいせきがん」と呼ぶ。(ひらがな指定)

(3)  アサリなどの化石が見られることから、浅い海であったと考えられる。

(4)  午後3時に東の空に見えたことから、上弦の月と満月の間である。さらに、東から上ってきたことから月の傾きにも注意すること。

(5)(6)月と地球の間の距離に比べ、地球や月と太陽の間の距離ははるかに長い。

従って月に当たる太陽光も地球に届く太陽光もどちらも平行光線と考えてよい。

(7)断面積×流れの秒速を単位換算に気をつけて行うこと。

(8)斑状組織をしているものが安山岩、丸みのある小さな粒が集まっているのが砂岩。

地層・岩石・月の見え方など様々な内容を盛り込んだ地学総合問題。知識の定着がしっかりできていれば十分に正答可能な問題が並んでいる。(7)の計算問題も決して難問ではない。

【大問4】気体の燃焼

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

問1 はじめにあった空気の体積-残った気体の体積=使われた酸素の体積

問2(1)0.07×400 よりエタノールがすべて気体になると28㎤になる。

     また、残った酸素は(500-28)×0.2 より94.4㎤。

  (2)問1の計算結果を用いると、0.07㎤のエタノールを燃焼させるのに必要

     な酸素は84㎤。残っている酸素は94.4㎤なので、10.4㎤の酸素が

     余ることになる。

  (3)エタノールが完全に燃焼するのに必要な酸素の体積とペットボトル内の酸素

     の体積が等しいときに、飛ぶ距離は最も長くなる。

  (4)2.0㎤のエタノールが気体になると、800㎤となり、ペットボトルの容積よりも大きくなり、ペットボトル内の空気をすべて押し出してしまう。

問3 ペットボトルを飛ばすためには、エタノールと酸素が必要。

問4 エタノールは水よりも沸点が低いことを利用して、濃いエタノールを集めることができる。

ペットボトルで作ったロケットを飛ばす実験を通して、エタノールの燃焼等について考える問題。リード文で書かれてある実験の説明が長く複雑なため、これを理解できるかどうかが最大のポイント。計算力も求められる。問3問4は易問。

【大問5】ものの運動・力のつりあい

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

(1)振り子の運動に関する問い。3つの振り子の周期は等しいことに注目。

(2)問題文より、Rでソリはいったん止まることがわかる。

(3)問題文より、点Pに到達するまでは、ソリの運動にゴムは全く影響していない。

(4)体重計に表示された体重が29kgであるので、ロープには25kgがかかっている。芝太郎君と木箱の重さの合計は50kgなので、重さの50%がひもにかかっている。表より、この時の斜面の傾きは30度。

(5)港君と木箱の重さの合計の50%は32kg。40-32 より体重計の表示は8kg。

(6)ロープには(港君の体重+木箱の重さ)×0.5×0.71より22.72kgがかかっている。体重計の表示は40-22.72 の計算結果を小数第2位で四捨五入して、17.3kg。また木箱を5m移動させるには、5×2より、ロープを10m引けばよい。

3つのアトラクションをテーマにしたものの運動および力のつり合いに関する問題。この大問についても、リード文が長く、書かれてある内容の理解が必要だが、振り子の運動・滑車のつり合いなど学習してきたことを使えば十分に正答可能。思うように得点できなった時は、滑車のつり合い・振り子の運動などについての問題演習に時間をかけて欲しい。

攻略のポイント

例年通り各分野からからの出題であった。全体的に標準レベルの問題が多いが、昨年度に比べると難化している。実験や観察についての長めのリード文を読んだ上で答えるタイプの問題が中心になっている。40分という時間の中で、しっかりと問題文を理解した上で解答できるかが大きなポイントとなる。

出題単元については、ここ数年の傾向で出題頻度が高い単元もあるが、過度の固定観念は危険であり、どの分野から出題されても大丈夫なように、しっかり準備をして頂きたい。

まずは各分野の基本をしっかりと固めた上で、計算問題、実験や観察の結果・データ・表・グラフなどについて考えるタイプの問題の演習に時間をかけて頂きたい。

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