芝中学校 入試対策
2016年度「芝中学校の社会」
攻略のための学習方法
例年、大問4つに総解答数40~45程度で作られている。試験の最後に100~150字ほどの論述問題が1問出される以外は、記号選択と用語記入だけ、というのもここしばらくの定型となっている。
大問1・2が地理と歴史、大問3が政治中心だが時に国際社会など他分野も含む、大問4が時事問題と論述文・・・・・・と、一応の区分けがされている。政治分野が少なめの学校も多いが、本校では3分野の問題数はほぼ等しくなっている。
長文記述は本文から要旨を読み取り、キーワードを使ってまとめる読解力や構成力という、いわば「国語力」が必要となる。
また、リード文の総計が4000~5000字にも及ぶことがあり、読むスピードも要求される点に留意が必要である。
[地理分野]
日本の国土・地形・気候・産業など幅広い範囲から出題される。
主な川の流域の特色(平成27年・第一回)や沖縄の自然と産業(平成22年・第一回)など、あるテーマに沿った出題が多い。地図を使って位置や大きさを比べさせるような問題、産業・人口などの統計から各地の特徴を考えさせる問題など、単純に用語を答えれば済むような問題は少ない。地図や白地図で位置や面積、主な鉄道や道路の路線などをしっかり確認しておかないとわからない問題も出されていて、難度は高めである。
基本事項をマスターしているのは当然として、日本全体どの地域についても、地名・地勢・産業や交通まで地図上でイメージできるくらい的確な知識が必要となる。
[歴史分野]
各時代の歴史について、幅広く出題されている。
年表をもとに歴史の流れをたどるものや、それぞれの時代についての短い説明文を読んで答えるものなど、いろいろな形が見られる。基本的事項は用語記入で書けるかどうかを確かめ、出来事や制度の理解については選択式で選ばせるなど、やはり用語をただ覚えています・・・では通用しない問題である。物事の背景やその後の影響まで考えられないと選択肢の細かな違いを選びきれないようになっている。
また、時代順の並べ替え問題もよく出される。年表で流れをつかむとともに関連事項もまとめて覚えてすぐに引き出せるようにしておかないと、迷って無駄に時間を失うはめになる。
[政治分野]
日本国憲法・三権の仕組み・財政の問題がよく出されている。
また、この分野と合わせて、国際連合(平成27年度・第一回)や前年に起こった出来事(平成21年度・第一回)のように国際関係や時事問題も出題されており、政治分野ばかりとは限らない。政治については上記の頻出分野を確実に押さえ、時事問題集などにもしっかり目を通しておきたい。
[記述問題]
3~5つのキーワードを必ず使い、100~150字ほどで答えさせる問題。ここは、社会的なことがらがテーマにはなっているが、国語の問題と思った方が良いかも知れない。まずキーワードを確認する。本文を読みながら大事な言葉や文に線を引くなり欄外に抜き出すなりしてしまう。その際、指定されたキーワードが文中にあるその周辺は使える部分が多いので、目をつけておく。そして設問に合うように指定された字数でまとめる。答えは本文の要旨に近いものになる場合が多いのである。
それにしても、話題は現代社会で問題とされる内容が多いので、普段からニュースや新聞に目を通し、自分なりに考えるようにしておけば、このような記述にも対応しやすいであろう。国語力と社会に対する関心の度合いが試される問題である。
以上、記述が大きなポイントにはなるが、基本的事項を細かい部分までしっかり身につけていることが大前提なので、全ての分野で高い実力をつけることが第一である。テキスト・地図・白地図・資料集で、地域ごと・年代ごとの重要事項と統計データなどかなり詳しく見ておく。そして、なぜそのようなデータになるのかまで考えるようにすれば、単なる数字の暗記を超えた、「使える」データを身につけられるのである。また、本文の長さにも対応できるよう、読解のスピードをつけておくことも忘れないで欲しい。
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2016年度「芝中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数46で用語記入が多めであること、リード文が4000字もあることなどを考えると、40分という試験時間は長いとは言えない。
4つの大問に各10分かけるとすると、記述問題以外の各問に1問40秒ほどかけられるが、大問によっては1000字超の本文がつくので、あまり余裕は無さそうである。
【大問1】地理分野 国立公園と県
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
- ★必答問題
国立公園を題材に、各県の地名や産業・重要建造物などについて出題されている。統計や地図を用いた問題が多い。
問1~問4 3つの国立公園とその周辺についての問題。どの地域かはわかりやすいので、各地の地形について丁寧に覚えてあれば得点できるところである。
問5 雲仙普賢岳は大規模な火砕流で40名を超す死者・行方不明者を出した火山災害のあった場所である。
問6 畜産といえば北海道と鹿児島・宮崎が問題にされることが多いが、あえてそこを外してきている点、やや難しい。とはいえ、岩手県の酪農や茨城県の近郊農業など、見分けやすい特徴はある。この問題以降、3つの要素の組み合わせで正解を選ぶ問題形式が続く。組み合わせミスに注意したい。
問12 写真1(奈良県橿原村の古い町並み)は知名度が低いかもしれないが、合掌造りと沖縄の家屋が分かりやすいので選びやすい。
【大問2】歴史分野 各時代の事物
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
縄文時代から昭和時代まで、様々な出来事について出題されている。基本レベルの問題が多い。
問5 鎖国にいたる一連の流れは頭に入れておこう。
問8 原敬のほうはよく問題にされるが、寺内正毅についてもつながりで覚えてしまおう。
【大問3】政治経済分野 憲法と人権
- 難度:標準
- 時間配分:10分
憲法の理念という話題で、基本的人権や種々の法律について問われている。ここも、主要な憲法の条文や政治の仕組みについてテキストを丁寧に学習してあれば難しくはない。
問4 憲法の条文はそのまま問題にされる場合が多いので、使われている用語や文章そのものを覚えている必要がある。
問5 誤っている部分が時期なのか内容なのか、あるいは両方か。単語ひとつひとつに注意して見落とさないようにしよう。
【大問4】現代社会分野 伝統
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
伝統というテーマで、伝統工業や国際関係、論説記述などが出題されている。
問4 要領としてはほぼ国語の問題と同じである。3つのキーワードに沿って文中から適当な箇所を抽出し、字数以内でまとめればよい。本文が長いので読むのは大変である。
攻略のポイント
よく出題されてよく見る統計から、少し外れたデータで問題が作られている印象である。
たとえ見知らぬ統計データが出されたとしても、その今見ている見知らぬデータと自分の知っている知識とを結びつけて正解につなげられるかという、社会のセンスの問題となってくる。普段からいろいろな物事の背景・理由・周囲への影響などを考えて、思考力をつけられるよう、訓練しておこう。付け焼き刃の浅い勉強では厳しいテストである。
そして大問4は、やはり国語力のある人に有利な設問だと言わざるを得ないだろう。
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