渋谷教育学園幕張中学校 入試対策
2018年度「渋谷教育学園幕張中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
論説文1題・小説1題の計2題の出題が定形となっている。文量は各2500~3000で計5000~6000字ほど。漢字の読み書きが5~6問、熟語・慣用句などのことばの知識が数問と、文学史や作家に関する知識なども出題されている。問題数は少ないが、総解答数が20~25問ほどなので、知識問題の比重も大きくなる計算である。
設問形式は選択肢が多く、字数指定のない記述問題が3~4問出される。記述問題は解答欄の大きさから50~100字くらいでまとめるように想定されているようである。
長文読解
●論説文
思想家の未発表講義録や、言語論・芸術論などからの出典で難しいものが多い。一般向けに書かれた文章で、入学試験のレベルとしては高校入試に近いと思ったほうが良い。
まずは長文読解の基本をしっかり身に付ける。
段落の整理:形式段落から意味段落へのまとめ。意味段落の内容を小見出しとして書いておくと段落のつなが りも考えやすい。
要点と要旨:各段落の最初と最後に特に注意しながら、最も大事な1文をマークする。意味段落のまとめは特 に重要である。下線や矢印などで関連する部分をむすんでおくのも良い。
要約 :全体を見渡し、筆者の意見をおおまかにまとめる。特に記述問題では手がかり・解答が多く含ま れる部分である。
その上で、少し難し目の文章に多く触れることが大事である。中学生向けの書物では易し過ぎる。高校生初級レベルの文章や教材で文自体の難しさに慣れておくことが望ましい。語彙も難しいものが多く出てくるので、多くの文章から吸収しよう。本校と同じ偏差値帯の学校の過去問も参考にしたい。
●小説
川端康成や夏目漱石ら、日本を代表する作家の作品から出題されていて、こちらも中学入試としては難しい題材である。
場面分け:時間・場所・登場人物の移動などから、場面変わり目をマークする。だれのどんな場面なのかを 簡単に考えておく。
心情把握:人物の言動や情景などから気持ちや考えを読み取る。性格の違いなども考慮して言動の理由を見つ ける。自分ならばこう考えるなどと予断を持ってはいけない。あくまで文章中の手がかりに忠実に 考える。
主題 :全体を俯瞰してだれのどんな心情を描こうとした部分なのかをまとめる。
著名な文学作品や一般向けの小説からの出典が多いので、特に対象年齢は限らずに、良質の小説に多く触れておかれたい。
選択式問題と記述問題
選択肢問題の文は、中学入試ということで比較的わかりやすく書かれているようである。本文が難しい分、選択肢が解説の役割も果たして素材文の解釈を手助けしてくれているような部分がある。ただし、選択肢の文はかなり長く、一つにつき200字にもなる場合があるので、この字数の多さも文量として計算に入れなければならない。
記述問題も、文中から抜き出してまとめれば答えになるといった単純な問題ではない。要旨やテーマを読み取った上で、自分でまとめなければならない。普段から、文章を要約したり、主題を短くまとめたり、読書と合わせて「内容を短くまとめる」練習をしておくことをお薦めする。良い対策になると同時に読解力アップにもつながるだろう。60~100字くらいでまとめて、本校の試験の字数に合わせる訓練もしておくと良い。
漢字・知識問題
漢字も高レベルのものが見られる。上級レベルの漢字教材まで手を伸ばして少しでも多く覚えておこう。
さらに文学史や作家についての知識なども訊かれているので、標準レベルでよいので文学に関する知識の項目にも目を通しておきたい。
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2018年度「渋谷教育学園幕張中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2018年度は長文2題で計7900字ほどになり、例年より少し多い。さらに選択肢の各文が長く、一つが200字にもなる問題があるので、ここも文量として考える必要がある。
長文2つは12~13分程度で読み終え、残りを記述と選択肢問題に当てたい。漢字と知識問題は難しいものも見られるが時間がかかるものではないので、さっさと終わらせる。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
「ああすれば、こうなる」式の考え方で、意識が人間のすべてをコントロールしているように思ってしまうのは間違いであると論じている。
問一 阻む。阻止するという熟語を思い出すとよい。
問二 A 同じ段落で「意識ではない部分」と言っている。意識がすべてではないということである。
問三 特に健康のために良いと意識されないものは排除されてしまう、という例なのでオは当てはまらない。
問四 オの「予想どおり程度の低い質問が出たことに満足して『褒めた』」はおかしい。筆者の主張を理解していないが故の質問が出たので皮肉をこめて『褒めた』ので、イがよい。
問五 指定された範囲の中で筆者は「意識は部分、体が全体」「体のことをわかっているつもりであるのは幻想だ」と述べている。「ああすれば、こうなる」的に「意識すれば体をコントロールできる」というのは間違いなのである。
問六 オは最後の部分の「筆者が説明しても~怒りをあらわにしている」がおかしい。また、「森林浴」は筆者が挙げた例である点も引っかかる。実際の質問は「森に行くと何があるのですか」で、目的や意味から入ってしまう愚かさを示している例なので、アが合う。
問七 自然に興味をもつ最初の一歩は人それぞれである。どのような入口からでも、自然を知ることはできると筆者は思っている。
<時間配分目安:26分>
【大問二】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:24分
- ★必答問題
自分の死後を夢に見た作者は、夢の中で妻に対して自己中心的にふるまう自分を意識し、現実でもそうだったのではないかと良心の呵責を感じる。
問一 (a)「寝床」の意味で用いているのでこの場合は「とこ」。
問三 妻の様子からは夫に対する反感や悪意は感じられない。夫のよく言う言葉を冗談ぽく真似しているようである。
問四 「露骨に表わすことを嫌っている」のは100%の本心ではないからだろう。主人公の死を気の毒に思っていない部分が少なからずあるのである。「二十五字程度」という指定も、「二十五字より多い可能性」を示す手掛かりになっている。
問五 自分の死後、妻が再婚していたことにショックを受けている場面。不愉快な気持ちだが、死んでしまった自分が文句を言える筋合いではないので、なんとか自分を納得させようとしているのであろう。
問六 問五とも重なるが、夫の死後に妻が再婚するのは妻の自由であるはずなのだが、再婚相手について詮索し、自分の気に入らない相手だったから文句を言っているのは、なんとも勝手で自己中心的なふるまいである。
問七 夢で見た自分の自己中心的な性格に、現実でもそうだったのではないかと「良心」の呵責を感じ始めている。「良心」が強く働きすぎるとつらくなってしまうので、睡眠薬で無理に寝ようとしたということであろう。イも近いが、具体的に「過去の振る舞いを悔い」ているわけではないので、選ばない。
問八 「蜘蛛の糸」と「杜子春」はわかった人も多かったであろう。「芋粥」も読んだことがあるかもしれない。国語便覧などに有名な作品の冒頭がまとめて載っていたりするので、主人公・登場人物の名前だけでも覚えておくと、このような問題で役に立つ。
<時間配分目安:24分>
攻略ポイント
問題数が少なめである反面、素材文や問題の難易度は高い。選択肢問題の文は長く高い記述力も必要とされる。漢字も上級レベルの問題が見られ、文学の知識が問われる出題もある。共学校のトップに位置する学校の試験である。
高校生~一般向けの文章を多く読み、一段階上のレベルの読解力と語彙の獲得を目指したい。
ただし、合格者平均点は年度によりばらつきがあるので、難易度にも年度による差があるようである。できるだけ多くの過去問をこなし、難しい年度の試験でも落ち着いて受けられるように慣れておきたい。
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