渋谷教育学園幕張中学校 入試対策
2022年度「渋谷教育学園幕張中学校の理科」
攻略のための学習方法
受験テキストを使った学習は、そのやり方への注意が必要だ。
本校の入試問題では語句を答えさせるものはほぼ出題されないため、暗記のみしておけばよいという考えは不適切である。
一方、ある程度言葉を知っていなければ考えづらい問題や、細かい情報を知っていた方が有利になると思われる問題は出題されるため、言葉の学習を全くしないというのも不適切である。
したがって、受験テキストに登場する重要語句はある程度頭に入れた上で、それらの意味や働き、関連する情報を事典や辞書やインターネットで調べる学習をするのが良いだろう。
言葉の学習や単元学習が一通り済んだのであれば、本校入試において主軸が置かれている、データをもとに考察する経験や、科学的な現象の原理について計算式や図を用いたシミュレーションをする経験を数多く積むことに労力を割くべきだろう。
例えば、テキストに書かれている公式や結論について考察してみるのも手だ。それらを暗記項目と捉えるのではなく、紙とペンを使って自力で公式を導き出す学習をしたり、結論を出すための根拠を考えたりする習慣を持つと良いだろう。
その際、図を描いて表すことに注力し、できれば身近な人に説明してみると、思考力・表現力が高まるからおすすめだ。
このことは、算数の学習にも当てはまるため、算数の学習時にも同様のことを意識して取り組みたい。
本校の入試では、受験テキストには掲載されていない内容が題材になったり、受験テキストの内容をより深く掘り下げた内容だったりするため、受験テキストの学習を一通り取り組んだのであれば、本校入試の過去問や本校と同じようなタイプの入試問題を使って、同傾向の問題を解く練習を積むべきだろう。
もちろん、闇雲に過去問を多数こなせば良い訳ではなく、解き直しをして改善点を分析することも併せて行いたい。
また、答えが合っている・いないに関わらず、「どうしてその答えになるのか」という問いに対する答えを用意することにこだわると良い。
その際、事典やインターネットを使って調べたり、指導者から助言をもらったりするとなお良い。
本校の入試で求められる能力は、前述のとおり、与えられた文章を正しく読解し、合理的に考察する能力である。
そのような能力を身につけるためには、実際に科学的な内容の文を読み、様々な考察を試みる経験を積むことが有効だろう。
そのため、受験テキストにこだわらず、科学的な内容の書かれている雑誌や本、事典などを読んだり、実験教室に参加したりするのも良い対策となる。
本を読む場合、中高生向けに書かれている理科の本や、専門的な知識が無くても読める科学の本などが、その入り口として適するだろう。
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2022年度「渋谷教育学園幕張中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は去年と同じ計4題だった。地学、生物、化学、物理から各1題ずつ、計32問の出題だった。その内訳は、記号・適語選択が17問、記述が3問、数値補充が9問、作図が3問だった。時間は例年通り45分だが、やや文章が長く、スピードを要求する内容だった。
【大問1】ポップコーン/化学(生物)
- 難度:標準
- 時間配分:12分
読解と計算の能力を測ろうとしている。素早く正確に処理したい。
(1) 単子葉類というキーワードが思い浮かべば選びやすい。
(2) ①は確実に正解したい。②は落ち着いて整理する必要がある。加えた水の重さが、容器内の空気の体積に等しいことに気づけると良い。
(3)(4) 確実に正解したい。求めるべきものを取り違えないように気をつけよう。
(5)(6) 問題文を丁寧に読めていれば答えやすい。
【大問2】コロナウイルス/生物
- 難度:標準
- 時間配分:11分
こちらはほぼ読解力勝負と言って良い。丁寧かつ迅速に読み込みたい。問題用紙を見た瞬間は文章が長さや真新しさに圧倒されそうになるかもしれないが、臆することなく読み進めて欲しい。このような問題程、文章さえ読めれば解き易いことが多く、本問はまさにその典型だ。是非高得点を取りたい。
(1)〜(5) 確実に正解したい。与えられた問題文や表の内、どの情報を使えば良いか、都度適切に判断しよう。
(6) 問題文にヒントが書かれているので利用できると良い。ニュース等を通じて身につけた知識を使っても良いだろう。
【大問3】星の明るさや色/地学(物理)
- 難度:標準
- 時間配分:11分
恒星の色の知識について、実験を通じて考えさせる問題。中盤でやや解釈に悩むかもしれない。
(1)(2) 確実に正解したい。グラフの数値を正しく読み取ろう。
(3)(4) 実験の結果の見方に難しさを感じた人がいると思われる。(4)は有名な知識なので知っている人が多いと思われる。(3)が分からなかった場合、(4)の選択肢を参考に(3)を考え直しても良い。
(5) 確実に正解したい。これまでの実験結果とずれが無いように考えれば良い。
(6) やや発想力を要するかと思われる。これまでの実験結果も参考に考えると良い。
【大問4】音の速さ/物理
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
こちらはほぼ計算力勝負と言って良い。根気良く調べながら解きたい。
(1)(2) 確実に正解したい。(2)では100メートル毎に調べながら考えると良い。
(3) 音が届くまでの時間は観測者と音源の距離によって決まることを念頭に置いて考えれば容易だろう。
(4) 双曲線の知識を使えると有利。知らなくても選択肢を一つ一つ調べれば良い。
(5) (2)で作成したグラフも参考にできると良い。
攻略のポイント
本校の入試が問うているものは知識の暗記量ではなく、与えられた文章や実験・観察データから合理的に考察する能力である。スピーディに問題文を読解し正確に情報を掴むことはもちろん、ある設問が別の設問へのヒントになっていることに気づくことも重要である。聞いたことがない題材であるからと言って簡単に諦めたり、雑に処理したりするのではなく、どこかにヒントがあるはずだと思って丁寧に読み込んで欲しい。また、必要に応じて図を描いたり、計算したりする労力を惜しまない姿勢も重要である。
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