渋谷教育学園幕張中学校 入試対策
2019年度「渋谷教育学園幕張中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は3つがほぼ定形となっている。
一つはさまざまな分野を含んだ総合問題・一つは歴史分野である場合が多い。
残る一つは地理分野であったり、地理に絡めた資料の読み取りや分野をはっきり分類できない問題であったりと多彩である。
記述問題が多いのも特徴的である。総解答数の3割~5割が記述問題で占められている。2019年度でも3分の1ほどが記述問題である。字数指定はあるものと無いものが混在する。
また、選択肢問題も正誤の組み合わせを選ぶ形で、一問で2つの文について考えなければならないので、その分、難易度も高くなっている。
総合問題
リード文を読んで一問一答で様々な分野の問題に答えていく。テキストに沿った基本レベルのものから、直接テキストには書かれていないような内容まで、難易度もさまざまである。
用語を答えたり、出来事を簡単に説明したりといった単純な問題は出ない。教科書の暗記に加えて、さらにもう少し詳しい周辺事項まで統合して覚えておかないと自信を持って答えられない。
テキストだけでなく、もう少し詳しく解説してある参考書なども活用して勉強する必要があるだろう。
歴史分野・地理分野
大問1つが独立して割り当てられ、総合問題でも歴史に関する問題は出されるので、配点比率からも歴史分野の比重は重くなっている。
選択肢問題に関しては比較的答えやすい問題も多く得点源としたいところであるが、ここでもただ用語を知っていれば答えられるといった簡単な問題とはなっていない。
その出来事や人物について、だれでも覚えているような代表的な知識だけでなく、さらに詳しい細かい情報まで問われている。
基本レベルは覚えていて当たり前で、その先の理解を求められているようである。単にテキストに留まらず、意識的にさらに詳しく補強・学習する意欲が無いと厳しい。
また、地理分野では例年、地図・地形図・統計資料などが用いられている。過去には都道府県別の面積・島嶼数・海岸線距離・耕地面積・森林面積など、さらに都道府県章やシンボルマークなどが使われた年度もあった。
多彩な形態で地理に関する広い知識が問われるので入念に準備しておく。
歴史分野でも歴史史料・図版などが多く用いられるので、よく練習してデータの読み取りにも慣れておこう。
記述問題
出来事や人物の説明ならば知識だけでも答えられるが、本校の記述問題は他の問題と同様、そう単純ではない。その物事の背景・理由を問うものがほとんどである。単に用語を覚えるだけの学習か、なぜ・どうしてそうなったか、その後どんな影響が他方面にあったのか、そういったことを常に考えながらの学習か……。
普段から社会的なさまざまな出来事に関心を持ち、思考を巡らせるといったいわば「社会的考察力」とも言える力を問われているようである。
その能力の土台となるのは地理・歴史・政治経済分野での基本的知識であることは言うまでもない。自分の知識を用いてさまざまに考えを巡らす習慣を持ち、思考力を高めておきたい。
他校に類を見ない出題
2017年度を例にとると、大問3では日本の各地域を郵便番号・電話番号などのコード番号で区分していることが題材として取り上げられている。そしてなぜそのような番号の分類になっているのかという理由なども訊かれている。2018年度では飛行機の揚力といった理科のような問題も出されている。
およそ通常の社会の学習でこんな内容まで学ばないし、考えることも無いはずである。
試験問題で初めて目にしてその場で考えなければならない。かなりの難問である。
上記のような記述問題で培った思考力を発揮したいところである。
一方で、リード文も含めると問題量は少ないとは言えない。時間との兼ね合いもあるので、難し過ぎると判断した問題は諦めて、他の問題に時間を回す判断も必要となるだろう。
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2019年度「渋谷教育学園幕張中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数は34問と控えめだが、リード文も多く、資料の読み取りや記述問題など考える時間が必要な問題も多い。他の学校ではあまり見られない珍しいテーマの出題もあり、全ての問題に100%解答するのはかなり難しい。
手に負えないと判断したら後回しにして、他の問題を優先したほうが良い。選択肢問題をてきぱきこなして得点を稼ぎたい。
【大問1】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
学校のプールの老朽化を話題として憲法や政治について訊かれている。
問2 Y スポーツ庁は文部科学省の外局である。
問3 X 日本国憲法第92条~95条は地方自治についての規定である。
Y 地方自治法は1947年に日本国憲法と同時に施行された。
問4 40年前とは1978年頃である。戦後の第二次ベビーブームで生まれた子供が就学する時期にあたり、早急に学校施設を増やす必要があった。
問5 2011年3月に発生した東日本大震災を受け、学校施設の安全性を確保することが急務とされ、建物の耐震補強や避難所としての利用の準備が必要との提言が行われた。
問6 学校・行政からの施設の利用料が入る。また、生徒や保護者がスイミングスクールに入るきっかけにもなるなど、宣伝効果も見込まれる。
問7 X 立候補の回数についての制限はない。
問8 「経営的な視点」からは、少ない経費で最大限の効率が求められる。経費の削減・節減などの言葉が考えられる。
問9 Y 浜松市の人口は100万人に達していない。
問10 予算は限られるので、学校以外の施設・施策にかける支出が減らされることが予想される。
問11 国の予算のうち、第一位は社会保障関係費・第二位が国債関係費となっている。地方交付税交付金は第三位。
問12 X 法律案を提出できるのは内閣と国会議員である。
Y 委員会・本会議で十分な議論を尽くすことが望ましいが、「要件」ではない。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:19分
- ★必答問題
かつての歴史の認識や解釈が、研究が進むことで覆される場合があることを例に、歴史上の様々なことについて訊かれている。
問1 鏡に使われている素材から、東南アジアや西アジアの多くの国との交流があったことがわかる。
問2 X 小野妹子は推古天皇の時代に、遣隋使として派遣された。
問3 国風文化が栄えたのは10~11世紀にかけてであったが、それより前の藤原良相の邸宅跡から発見されたことで、仮名文字が定説よりずっと前から使われていたことが分かったのである。
問4 Y 平等院は藤原道長の別荘を頼通が後に改名したものである。
問6 X 1世紀ではなく、3世紀のことと記されている。
問7 b 公事方御定書は徳川吉宗の享保の改革の施策である。
c 「雀の子~」の句は小林一茶の作である。
問8 a 長崎を訪れたのは中国の商船で、幕府と皇帝との国としての交流はなかった。
d 東南アジアへの貿易船が途絶えた後は、琉球を支配していた薩摩藩との交易が主となった。
問10 シベリア出兵を見越した業者がコメの買い占めを行ったことが価格高騰に拍車をかけた。
問11 初の本格的な政党内閣→原敬内閣。
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
日本の地方区分を題材とした問題。
問1 (1)地図を見ると、両方に区分されるのは青森県・福島県・滋賀県・京都府・兵庫県の5つ。滋賀県大津市・兵庫県神戸市の二つが答えとなる。
(2)アは冬の気温が低く、降水量も少ない中央高地の気候で長野市、イは夏に降水量が多い太平洋側の気候で静岡市、ウが岐阜市である。
(3)少しイメージしづらいが、大分市も日本海側である。
Y 大分県には新幹線は通っていない。
(4)普通の電球との違いは、熱を発するかどうかである。発光ダイオードはほとんど熱を発しないので、雪が溶けずについたままになってしまうのである。
問3 利根川――坂東太郎、筑後川――筑紫二郎、吉野川――四国三郎。
問5 名古屋市への通勤者の多さが際立っている。地理的にも愛知県との関係が特に深い県なのである。
問6 点在する島に橋脚を立てて橋を架け、島と島を結ぶように造られていることがわかる。
問7 Y 屋久島は世界遺産だが、奄美大島は登録されていない。
攻略のポイント
正誤の組み合わせ選択肢問題・問題のおよそ3分の1を占める記述問題・本校独自のユニークなテーマの問題……と難易度の高い問題が並ぶ。
単純な用語の暗記だけでは十分な得点を得られない。
基本レベルの高い実力とともに、思考力が求められる。広く社会的な出来事に関心を持ち、その背景・原因や予想される結果・他への影響など、深く考える習慣をつけよう。
また、現実的な問題として全ての問題に解答するのは無理とも思えるので、答える問題を選ぶ選択眼も必要となろう。
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