渋谷教育学園渋谷中学校 入試対策
2024年度「渋谷教育学園渋谷中学校の理科」
攻略のための学習方法
最も重要なことは、身の回り、身の内のありとあらゆる物事に対して、科学の視点で接することだろう。ここでいう科学の視点とはすなわち、物がどのような仕組で動くであるとか、物に施された工夫がどのような理由でつくられたのかとか、自然現象がどのような原理に基づいて起こるのかといったことを、自身で考えたり調べたりして、納得するまで追求する姿勢のことだと思う。学校や塾のテキストの内容はもちろん、それらに載っていない身近な事柄にも、「なぜそうなるの?」という好奇の眼差しを向けて欲しい。
テキストを用いた学習においてすべきことは、第一に重要語句を一通り学ぶことだろう。ただし、字面だけを暗記するということではなく、その語句が何を指すのか図を用いて説明できるようにしたり、その語句の指す物がどのような働きを持つのか、他の関連物とどのような関係なのかということを事典やインターネットで調べたりしていく中で、自然に身につけていくことを心掛けると良い。第二に問題を解くことであろう。特に、本校入試では定番化されている、計算問題や作図問題は練習を重ねてスピーディに処理できるようにしておきたい。また、問いに対して、人が読んだときに正しく伝わる言葉で返答・記述する練習も積んでおきたい。教師役の人に答えを聞いてもらったり、書いたものを見てもらったりする機会をつくれると効率が良いだろう。
本校の入試では、受験テキストには掲載されていない内容が題材になったり、テキストの内容をより深く掘り下げた内容が題材にされたりするため、受験テキストの学習を一通り取り組んだのであれば、本校入試の過去問や本校と同じようなタイプの入試問題を使って、同傾向の問題を解く練習を積むべきだろう。ただし、闇雲に過去問を多数こなせば良い訳ではなく、解き直しをして改善点を分析することも併せて行いたい。また、答えが合っている・いないに関わらず、「どうしてその答えになるのか」という問いに対する答えを用意することにこだわると良い。
本校の入試では、与えられた文章を正しく読解し、合理的に考察、適切に表現する能力を測ろうとしている。そのような能力を身につけるためには、実際に科学的な内容の文を読み、様々な考察を試みる経験を積むことが有効だろう。そのため、科学的な内容の書かれている雑誌や本、事典などを読んだり、実験教室に参加したりするのも良い対策となる。本を読む場合、中高生向けに書かれている理科の本や、専門的な知識が無くても読める科学の本などが、その入り口として適するだろう。また、普段からあらゆる事象に対して、なぜそうなるのか人と意見を交わす機会を持つことが、表現力を伸ばす上で有効だろう。是非、先生や家族、友人との対話を大切にしてほしい。
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2024年度「渋谷教育学園渋谷中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り大問2つという構成。どちらも長文読解・資料解釈を要する問題で、合計19問だった。内訳は、記号選択が10問、記述が5問、作図が2問、数値記入が1問、語句記入が1問だった。時間は30分であるから、一題にかけられる時間は15分程度で、長文量からするとスピーディな読解と処理が要求される。
【大問1】虹/地学・物理
- 難度:標準
- 時間配分:15分
虹に関する会話文をもとに、虹でき方や色、主虹・副虹について考察させる内容。過去に虹について考察した経験がある人にとって有利と言えるが、会話文にヒントが述べられているので上手く活用したい。
問1 虹のできる方角についての問題。虹のできる基本原理への理解を問う内容と言える。問題文にもヒントがある。
問2,4,5 虹の色についての出題。会話文、与えられた図を手掛かりに考えたい。その際、「屈折のしやすさ」について、よく考えると良い。
問3 虹のできやすい季節、時間帯についての問い。虹を作る要素である、太陽光線、水滴の位置関係について考えると良い。
【大問2】年輪・潮の満ち引き・成長線/生物・地学
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
年輪や成長線に関する会話文をもとに、それらのできる要因について考察させる問題。こちらも大問1同様、会話文に述べられている内容を手掛かりとして考えたい。
問1~3 年輪についての出題。会話文で述べられている、環境の変化と年輪の関係について見極められると良い。
問4,5 潮の満ち引きおよびアサリの成長線に関する問題。説明文をよく読むことが重要。問題を解く内に、潮の満ち引きとアサリの成長線の関係性について理解できると良い。
問6 恐竜の骨の成長線に関する問題。こちらも前問までと同様、問題文に示された、成長線のでき方について良く読むことが重要。(3)ではペースに関しての仮定を良く読むことが重要。
攻略のポイント
最も重要なことは、与えられた問題文や資料の情報を正しく読みとることである。本校入試では、知識の暗記ではなく、与えられた文章や実験・観察データから合理的に考察する問題に主軸が置かれていて、考えを書かせるような記述問題も出題される。自身で納得のできる内容を他人に伝わるように表現したい。受験教材では見たことが無い題材が与えられる場合もあるが、問題文にヒントが書かれていることがあるため、与えられた問題文を良く読み返しヒントを探りたい。
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