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渋谷教育学園渋谷中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「渋谷教育学園渋谷中学校の算数(帰国生入試)」
攻略のための学習方法

本校の帰国生入試は、2月の一般入試に比べれば解きやすい問題になっている。しかし、各分野とも中級レベルの問題は解けるようしておかないと、帰国生入試の問題に対応するのは難しい。土台となる力は帰国生入試も2月入試もそれほど変わらないといえる。

帰国生入試と2月入試との差で顕著な点は、情報量と処理量の差である。2月入試の方が、問題文が長く、多くの情報を整理しなければならないので、結果的に答えを導くまでの処理量が多くなる。それ以外は、帰国生入試と2月入試の差はあまりない。

基本事項の中には、やや高度なものもあるが、帰国生入試でもやや高度な基本事項は必要であり、決して楽ではない。

6年生の夏までは、各分野の土台をしっかり固めることが重要である。秋以降の学習については、2月入試では男子か女子かで事情が変わる(2月入試の入試分析を参照)が、帰国生入試においては男女差を気にする必要はない。過去問演習と各分野の補強がメインになる。

平面図形の対策

学習内容の多い分野ではあるが、標準的な問題にはきちんと対応できるようにしなければならない。余力があれば、ある程度難しい問題にもチャレンジしたいところだが、まずは穴のない学習を心がけたい。

立体図形の対策

立体の切断については、やや高度な内容まで触れておいた方がよいだろう。難問に多く取り組むというよりは、高度な基本事項が必要な問題に触れる経験をしておくことが有効という捉え方をしてほしい。

場合の数の対策

差が付きやすい分野でもあるので、十分な対策が必要である。単なる解法暗記では対応できないので、考え方をしっかり理解したうえで問題演習を行うようにしたい。様々な解法で解いてみることも、よい学習となる

数の性質の対策

数の性質に関する、有名な知識や解法にはひととおり触れておく必要がある。知識・解法を習得していれば考えやすいが、習得していないと難しく感じる問題も見られる。普段の学習においても、知らない知識・考え方に触れたときには、それを身につけるように努力することが望まれる

最後に過去問についても触れておくことにする。

帰国生入試の過去問は、解説が入手しにくいため、過去問演習を進めるのに苦労することもあるだろう。指導者の手を借りなければならないことが必然的に多くなるので、計画的に進めていく必要がある。過去問をどのように進めるか、そして質問対応の時間をどうするのか、信頼できる指導者と相談しておくことをお勧めする

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2024年度「渋谷教育学園渋谷中学校の算数(帰国生入試)」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

本校の2月の入試問題よりは解きやすい問題が出題されているが、各分野とも標準的な問題に対応できる能力は最低限必要である。

【大問1】は小問集合、【大問2】以降は大型問題という例年通りの構成になっている。試験時間は50分。順調に解き進めることができれば、試験時間が足りなくなる可能性は低い。

【大問1】計算と小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分

(1)は計算問題。

(2)は数の性質の問題で、2024の38乗の下2桁を求める。実際には24の38乗を考えれば十分で、計算してみると規則を見つけることができる。

(3)は円の面積に関する問題。図1の2つの円の面積比は、内接する正三角形の面積比に等しい。同様に、図2の2つの円の面積比は、内接する正方形の面積比に注目すればよい。

(4)は割合と比の問題。問題文が長いが、問題を解くのに必要な文章は一部だけである。

(5)は食塩水の問題。食塩水A、Bの量の比は濃さの比に等しいことに注目するとよい。

(6)は植木算。木と木の間の長さが等差数列という設定になっている。

【大問2】場合の数・規則性

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

1~50の数字が書かれたカードの中から、何枚かを取り出す問題。

(1)では、1以上50以下の奇数25個の和を求める。個数が分かっているので、楽に計算できる。

(2)では、渋男さん、教子さんの2人が1枚ずつカードを取り出すとき、数字の和が偶数になるような取り出し方が何通りあるかを求める。もちろん、取り出したカードが(2,4)(4,2)のように数字が同じでも引いた人が異なる場合は区別する。

(3)では、渋男さん、教子さん、学さんの3人が1枚ずつカードを取り出すとき、数字の和が偶数になるような取り出し方が何通りあるかを求める。3人とも偶数を引く場合と、1人だけが偶数を引く場合を考えればよい。

【大問3】立体図形

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

四角すいの2回切断に関する問題。

(1)ではPQの長さを求める。相似な三角形に注目するだけの問題であり、易しい。

(2)では、三角形ACDを含む立体の体積を求める。三角形ACDを含む立体とは、三角すいAPCDのことである。三角すいABCDP、C、Dを通る平面で分割したと考えると分かりやすい。

(3)では、点Eを含む立体の体積を求める。点Eを含む立体とは、三角すいABDEから三角すいAPDQを取り除いた立体のことである。

【大問4】図形の移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

正方形を一定の速さで動かすときの、平行四辺形と正方形の重なり方を考える。

(1)では、平行四辺形と正方形が初めてくっつくまでの時間を求める。この問題は易しい。

(2)では、8秒後に重なっている部分の面積を求める。8秒後の図を書いてみればよい。

(3)は、10秒後に重なっている部分の面積を手がかりに、平行四辺形の底辺の長さを求める問題。やはり図を書いてみるしかない。

攻略のポイント

【大問1】は解きやすい問題が多いので、まずはここでしっかり点数を稼いでおきたい(6)は慎重に解くことをこころがけたい。

【大問2】は決して難しい問題ではないが、場合の数についての理解度によって差はつくだろう。完答することで一歩リードできるのではなく、誤答によって差をつけられてしまうレベルといえる。

【大問3】について。(1)は落とせないが、 (2)以降は十分に演習をしていないと解きにくい。解きにくく感じた場合は、無理をせず【大問4】に進んだ方がよいだろう

【大問4】は、多少時間はかかるかもしれないが完答が狙える問題である。積極的に取り組みたい。

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